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日常の赤っ恥〜指ぬき…じゃなかったふり

裁縫ちくちく。母さんえらい。

…と誰もほめてくれないので、自画自賛しながら、
久々に裁縫道具を出して(小学校から使い続けている裁縫箱を、イタリアにも持ってきてしまった)長男のズボンの裾に入っているはずのゴムを、(登山用パンツでゴムを引っ張ると裾が詰まるやつ)一生はずれないようにグリグリ硬いところに縫い付けた。

満足。

だいたいイタリア人は、裁縫ができなぁい。

なので、町のあちこちに仕立て屋(sartoria)さん、というかお直し屋さんがある。後継者不足や単価の低さもあり、多くは中国人のお店に今はなっている。日本は小学校から家庭科があるので、とりあえずみんな“一般常識程度“にボタンつけや、なみ縫いぐらいはできる。できなくてもそーいうものがあるって知っている。だが、ここにはそんな生活に密着した学科はない。調理実習もない。マンマの国だからかもしれないけれど、子供に火を扱わせたり、刃物を持たせるのはやはりリスクを伴うので、先生も責任を取れないんだろう。消防法を見ても、専門学校でもない子供たちが通う場所に、調理場以外でガスを使うという想定はない様子。だから、裁縫ができない、ミシンに触ったことのない女子も多い。興味がなければ料理も全然できない。ただ、好きな人はプロ並みにどちらともうまいし、好きなだけに探究心もあり、いい作品、美味しい料理が生まれる…んだろうなぁと思う。

ただ、うちの子達にはせめて、なみ縫いでもギザギザでも、目が不揃いでもいいから、ちょっと切れたちゃったぐらいのズボンは自分で縫って、直して末長くはいて欲しいし、成人したら料理ぐらいは自分でやってほしいと願っている。

家庭科を国際共通科目か何かにしてほしい!

言い訳を探したけど?

午後、仕事を終えてスーパーに寄り、そのあとパン屋へ次男のおやつを買いに行く。秋になるとカボチャを生地に練り込んだパンや、フォカッチャが出るので、カボチャ好きの次男はこれを食べると機嫌が良くなる。
「カボチャパン二つください!」財布から出した小銭を、目線よりちょっと高い、パンの入っているショーウィンドウの上の小銭受けに乗せようとしたその時。

「?」

なんか違和感。

小銭を持ってる私の中指に、

朝のまんまの状態で「指抜き」がはまってらっしゃる。

パン屋のおじさんと目が合う。小銭を置いた手を素早く引っ込めながら「ウォッ!見られたか?」とあせりつつ言い訳を探す。これ指輪なんだよハハッとか、あらやだ、なんでこんなところにっとか…ええと…。

おじさんは「小銭ぴったりだね、えらい。」とほめてくれただけで、あとは何も言わなかった。よかった…。ちょっとホッとして、ポケットの中に手を突っ込み、こっそり指抜きを外した。

でも良く考えると、スーパーでも見られてるよね。門番さんにも私手をふったから見られてるよね。でも、誰も何も言わなかった…。

「この国は「家庭科」がないから、指抜きを知ってる人も少数派なのかもしれない。」

と、変に自分に言い聞かせながら、次男を迎えに行く、小心者の母であった…。

せっかくなので
→カボチャパンを買わなければ「うゎっやっちゃった!」にならなかった
→秋だからこそやらかしてしまった
→秋だからやってしまった
→秋だからやってみた…
に投稿してみることにしよう。

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