
2024年12月に観た映画:『はたらく細胞』『朧の森に棲む鬼』『私にふさわしいホテル』。
2024年12月、映画館で観た作品の振り返りです。
はたらく細胞@TOHOシネマズ六本木ヒルズ

マクロファージ先生のアクションが格好良すぎ:★★★★☆
納得のオリジナルストーリー:★★★★★
漫画とアニメはすべて見ています。そのため、SEKAI NO OWARI・Fukaseの役は、公式サイト上は「????」となっていたものの、「原作の○○○でしょ?」とわかったつもりになっていました。しかし、完全に裏切られました。ありがとう!!ナイス裏切り!!
ストーリーは、原作のスピンオフストーリーも融合させたオリジナルストーリーです。組み合わせ方に無理がなく、あぁ、そう繋がるか、と納得しました。
松本若菜さんが演じるマクロファージ先生のアクションシーンは短いシーンですが非常にダイナミックで、これは必見。
🎬🎬🎬
ゲキ×シネ 朧の森に棲む鬼@東劇

何度観ても飽きない:★★★★★
劇団☆新感線の2007年の舞台の映画館上映です。2024年12月に歌舞伎NEXTとしてリバイバルされたため、期間限定上映がありました。
今回の歌舞伎NEXTのストーリーの本筋とほとんど変わらないことは再確認できましたが、やはり2007年の舞台は、驚くほどヒリヒリしました。歌舞伎NEXTでは、原作からマイルドに変更されているシーンが複数あることが確認できたので、今回の歌舞伎NEXTの上演にあたっては、かなりコンプライアンスに配慮したのではないかと想像します。
主人公・ライを演じる市川染五郎(現:松本幸四郎)は、本当に若々しくて色気たっぷり。嘘と裏切りを重ねて成り上がる外道っぷりに加え、いのうえ演出による品のない "人でなし" ぶりも魅力的です。
ライの弟分・キンタを演じる阿部サダヲも、歌って、踊って、飛び跳ねます。そして時々、飛び蹴り。映画館の客席からは、思わず「かわいい…」という嘆息のような声が。
ゲキ×シネ上映では、複数のカメラで撮影したカットを組み合わせることによって映像が作られています。生の舞台を観た時には観られた画を観られないこともある一方、生の舞台では決して観られない画を観ることもできます。本作品では新橋演舞場の下手側にある花道を舞台側から撮影した映像が頻繁に使われており、とても新鮮です。客席に座っていたら、下手花道を舞台側から客席側に向かって走る俳優さんの背中を観られることは、決してありません。颯爽と走り抜ける背中は、とても格好良かったです。
🎬🎬🎬
私にふさわしいホテル@TOHOシネマズ日本橋

服の七変化が楽しい:★★★☆☆
俳優 "のん" の未完成さが好き:★★★★★
柚木麻子さんの原作が好きで、この映画はずっと楽しみにしていました。原作では、主人公が放つセリフに「作家の魂の叫び」のようなものがいくつもあるのですが、これもしっかり映画に残っていました。
"のん" は好きな俳優さんですが、完成された出来すぎ感ではなく、未完成な感じが残った彼女の表現が好きなのかもしれません。のんは適役に見え、歌うシーンを観た後は、本作品の主人公を演じるのは他にいなかったのではないかと思うほどでした。
箸の持ち方や昭和のファッションなど細かいところにもこだわっていて、全く飽きずに楽しめました。のんと滝藤賢一の丁々発止のやりとりも面白いです。舞台となった山の上ホテルは、自分は一度も宿泊することなく閉館してしまったホテルです。今回、惜しみなくその魅力が映画として蘇っていたので、自分もまるで宿泊したかのようでした。久々に、山口瞳「山の上ホテル」を読んでみようか。
🎬🎬🎬
★今年のベスト映画★『侍タイムスリッパー』
2024年の自分のベスト映画は、何と言っても「侍タイムスリッパ―」です。この映画を9月に観るまでは、今年のベストは「デューン 砂の惑星 PART2」か「キングダム 大将軍の帰還」のどちらかかな、と思っていましたが、一気にひっくり返りました。
もちろん、内容を手放しに全肯定するわけではありませんが、これほどの作品が持つ "熱" は、ここ数年はほとんど感じたことがありません。折に触れて何度も観たい作品です。
🎬🎬🎬