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【子ども】伝えようとすれば伝わる、どんな環境でも|22年4月2回目|音楽家ヒロ・シバタさん

毎回恒例。大人クラスと合同でお話を伺ったあとの子どもだけの時間。

全体で聞いたお話はコチラ

まだ大切に守られている時期

全体の話の後半がお金まわりの話題になったこともあり、中高生は少々お疲れ気味の様子。

確かに、今の年齢でお金について考えたり悩んだりすることって、あまりないか。もちろん、全く興味がないわけじゃないだろうし、どの職業がお金持ちかランキング!?みたいな話題だったら面白おかしく聞けるのかもしれない。ただ、身近で現実的な話にも関わらず実感が伴わない・・・となると、話についていけなかったのだろう。私には関係ないし〜って。

住むところも食事も不自由することなく、まだまだ守られている部分が大きい中高生だということ。私としては、ちょっと安心する。「守られてる感覚」って大事だ。生活自体に不安があると、将来の夢は堅実なものに限定されてしまうだろうし、挑戦することへのハードルがグッと上がってしまうから。

お手玉を投げて体を動かしてリフレッシュしたら、いつもの調子が戻ってきて、表情も緩む。それもまた私としては一安心。この場の意義を感じるというものだ。


質問と雑談と

今回も、まずはそれぞれで質問を考えた。その後、まだ少し時間があったので雑談タイム。リアル開催のときは雑談が結構あって、そこから普段の生活が垣間見れたんだけど、オンライン開催になってからは難しくなってしまった。

順番に「どう?」って質問を振ってみたところ、みんなの回答がバラエティに富んでいておもしろい。例えば、「楽器演奏って、聴きにいったことある?」って尋ねてみたら、ライブハウスで後ろの人に押されて苦しくなった話とか、クラシックコンサートで眠くなって寝てしまった話、路上ライブを見たことがあるとかないとか。それぞれの生活スタイルや興味のベクトルの違いを如実に表していた。

思わず私も、京阪電車と阪急電車の乗り換えルート上で路上ライブをしていたおじさんのことを思い出し、この場でシェアしてみる。ウィーンに旅行したときにあちこちで見た、演奏家のタマゴたちの路上ライブのことも。ただ、これらはもう、20年も昔の話。

今はいろんな規制もできているし、ネットも発達したし、路上じゃなくてSNSやネット上でライブする方がきっと主流だ。「身近な路上でなく、SNSで世界に広げる」というよりは、「SNSが路上のように身近な場」に感じられる。これは、個性というより時代を表しているなあと思う。

ということは、だ。路上ライブをyoutubeで公開しているヒロ・シバタさんは、今と昔とを繋ぐことをしていると言えるのかも。雑談からも、ゲストのことが見えてくる。


質問してみよう

ヒロ・シバタさんが子どもクラスへ来てくださってからは、質問タイム。ヒロ・シバタさん個人のこと、システム関連のこと、仕事関連のこと。回を重ねるごとに、それぞれが思いつく質問に偏りが出てきたけれど、その偏りがいい具合にバラバラ。だから、全体としてはバラエティに富んでいる。異なっているからこそみんなで一つだなんて、私たちらしくていいなと思う。

「その質問は、こういうこと?」と一つひとつ、丁寧に確認しながら答えてくれるヒロ・シバタさん。時には楽器が登場したりして。zoomは設定変更しないと音が途切れてしまうので、生演奏じゃないのが本当に残念!

ヒロ・シバタさんの回答に「こうなんじゃないかなーと思って」と返す中学生。大人と対等に話していることに驚かされる私。今回は「質問を重ねて話を膨らませてみてね」とは特に勧めていない。大人との交流に慣れて、自然と出てきた言葉なのであれば嬉しい変化だ。いや、単純にもっと話したいな!と思ったのかもしれない。

英語を話すときに気をつけることを質問した中学生に、「ちゃんとできなくても伝わる」とヒロ・シバタさん。「日本に来た外国人が単語だけで話しかけてきたとしても、こっちが頑張って理解してあげようとするでしょ?それと同じ。完璧である必要はない」って。

こちらに伝えようとする気持ちがあれば、相手の中には受け取ろうとする気持ちが芽生えるもの。そうか、だから一問一答でなく話が続くのか、と納得する私。新年度、新しい人間関係の中で奮闘する中高生にとっても、心強い言葉だったに違いない。




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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。 小学校・放課後等デイサービスを経て、現在は児童発達支援事業所で障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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神戸シュタイナーハウス
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