【子ども】高学年のリズムの時間②感覚を研ぎ澄ませて遊ぶ
高学年だって、リズムの時間は大切。気だるい雰囲気を吹き飛ばし、重たい身体を目覚めさせる必要があるので、もしかしたら低学年よりも重要かもしれない。今回は、眠っていた感覚を呼び起こして遊ぶワークを紹介したい。
セグウェイみたいなやつ
子どもたちがそう呼んでいるゲーム。コロナ禍でいったんオンラインになり、対面授業が復活したときに、触れ合いたいけど安全で安心なようにしないと・・・ということで始めた。教員養成はもちろん、何かの講座でも視覚障がいの疑似体験として紹介してもらったものだ。
①ペアになる
②操縦者とセグウェイ役を決める
③操縦者は、セグウェイ役の肩甲骨の辺りに手を当てる
④セグウェイ役は目を閉じる
⑤前進するときは両手で軽く押す。止まるときは手を緩める。後退するときは手を離す。右折は左手を押して右手を引く。左折はその逆。
肩に手を置くと、もっと単純で分かりやすい。その辺りは、子どもたちの様子をみて臨機応変にしたら良いと思う。
曲がるときのフワフワした感覚は、日常ではなかなか感じられないので貴重だ。右も左も、自分がどの辺りにいるのかもわからない。そんなときに、肩甲骨あたりからほんのり感じられる温もりには安心感がある。中学生にもなると「天使が・・・」なんて言うと「は?」とあきれ顔で返されそうだけれど、私の行く道を背後から見守ってくれる存在、一歩踏み出す勇気を与えてくれる存在、それって天使なんじゃないかな。友だちの手と共に、天使の温もりを感じているんじゃないかなと私はこっそり思っている。
それなのに、「セグウェイみたいなやつ」と命名されてしまい、イメージとだいぶ違うワークになった。なんとも中学生らしくて、このネーミングもお気に入り。
空間をできるだけ素早くあるく
子どもとアーティストの出会い(→リンクはこちら)が主催する研修で、アーティストさんから教わったワーク。これは体験してみないと分からないおもしろさがあって、最後には思わず「うわぁ~!」と声をあげてしまうはず。ぜひみんなやってみて!と声を大にして言いたい。
①動ける範囲を限定する。
②できるだけ速く、誰ともぶつからないように歩く。
③2回目は範囲を少し狭める。
④3回目はさらに狭める。
⑤最終的には、5人なら2畳くらいのスペースで。
⑥もとの広さに戻して動いてみる。
2畳くらいのスペースを動くなんて、そんなの無理でしょ!
と思う人がほとんどだと思うし、私もそう思う。でも、これが何故かできてしまうのだ。不思議なことに。
懇談のときに大人もやってみたけど、子どもと比べたら動きがゆっくり。さすが、子どもたちは何度も繰り返しているだけあって、素早い。後ろ歩きもやってみたけど、それも上手。相手の動きを目で見て判断していると思っていたけど、それだけではないのがよくわかったし、繰り返すことで感覚が研ぎ澄まされていくのもわかった。
今回は感覚を使う遊びを紹介した。次回はさらなる深みを意識して、「周りの影響に振り回されず、自分自身に集中すること」を練習できるワークを紹介しようと思う。
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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。
小学校教員を経て、現在は放課後等デイサービスで障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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