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【子ども】そのうち好きになる、どんなことでも|22年3月2回目|鉄道設計士さん

いつもとはちょっと違う顔ぶれの子どもクラス。でんしゃはかせが大人クラスへ行っている間に、それぞれの疑問を言語化していく。

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いつもとは違う顔

今回、でんしゃはかせのお子さんが参加してくれていた。思春期の子どもとお父さん。どんな感じになるのかな?と思っていたら、なんだかニコニコしてとても雰囲気が良い。子どもだけになったときに中学生に尋ねてみたら、
「いつもの家での様子と違うんですよ」
と嬉しそうな表情で教えてくれた。いつもはもっと物静かで仕事の話なんかしないのに、スライドを作っているときから既に、めちゃくちゃ楽しそうだったんです!って。

中学・高校時代って、進路選択が迫ってくるのに、親子で将来の話をするのがなんだか難しくなる時期。親と子でなくゲストと参加者の立場であれば、仕事について語るのも人生観について質問するのも、ぐっとハードルが下がるようだった。

もし、今これを読んでいるあなたが、親子での対話ができなくて悩んでいるなら、親子ではない別の立場で向き合ってみるのも一つの方法かもしれない。例えば、選手とマネージャーとして、合唱のソプラノとテノールとして、畑仕事をする仲間として、プロジェクトのパートナーとして、演劇の〇〇役と△△役として、YouTuberと編集者として、作家とファンとして。


質問に現れる個性

さて、でんしゃはかせが大人クラスで話している間に、中学生は質問を考えておく。まずは各自で思いついたものを羅列してもらうんだけど、関心の向け方がそれぞれ違って面白い。大きく分類すれば、鉄道設計士という仕事についての質問と、子どもの頃のことなどでんしゃはかせ個人に関わる質問だ。ただ、全員の頭の中に共通して浮かんでいたのは、「でんしゃはかせは電車好きだよねー」ということ。始めに考えた質問は、「どんなコンピュータで解析するか?」とか「中学時代の部活は?」といったものだったのが、考えた質問をお互いに聞き合ったり、もう一度自分の質問を振り返ったりするうちに、「もし設計士じゃなかったら何をしていた?」「いつから電車に興味を持った?」といった質問も思いついた様子。

まだまだ「自分」を作っていく途中の中学生。一つのことを極めていくのも素敵だし、周りの影響を受けて柔軟に変化していくのも素敵。どちらの在り方も許容しつつ、今このメンバーだからこそ得られるものが何かあれば、という思いで話を聞き、質問を準備していく。


そのうち好きになる、どんなことでも

でんしゃはかせが子どもクラスに来てくれたら、お待ちかねの質問コーナー。でんしゃはかせは質問に丁寧に答えてくれるだけでなく、他のことにも活かせるような話へと繋げてくださった。「仕事場に電車好きじゃない人もいますか?」の回答は「半々くらいじゃないでしょうか」だったけど、「徐々に好きになっていくものですか?」ってさらに尋ねる中学生に「自分の作ったものには愛着がわくし、やっぱり好きになっていくものだと思います。どんなことでもそうだと思います」って。

そうそう、続けていくうちに好きになっていくものってあるよね。私は、「キライ」とか「イヤ」といった感情は、「知らない」を取り去ることで軽減できると考えているので、でんしゃはかせの言葉にめちゃくちゃ共感。「その通りですよね!」と言って場の雰囲気をコントロールすることもできるけれど、気持ちを抑えて進行役に徹する。中学生はでんしゃはかせの言葉に共感してもいいし、そうでなくたっていいのだから、反対意見も持ちやすいようにしておきたい。何より、今日の主役はでんしゃはかせ。私は黒子だ。

でも、子どもたちの表情を見ていると、なんだかシンクロしている感じ。でんしゃはかせの愛情に影響されて、終わる頃には、みんな電車が好きになっていたんじゃないかと思う。少なくとも、私はそうだったから。


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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。 小学校・放課後等デイサービスを経て、現在は児童発達支援事業所で障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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神戸シュタイナーハウス
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