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自分で自分を裏切らない

本のデザイナーでもあり、習慣家でもある井上新八さんの新刊。
前作の『続ける思考』がとても面白かったので、今回も面白いだろうと期待値が高かったのですが、今回も面白かった!


今回の本も、『習慣化』に関するものです。
時間管理とかタイパとか、そういうお話ではありません。

著者はフリーランスの方で、私は会社勤めのOLさんなので真似るのが難しいことも多いのですが、取り入れられることもある。

一般的に言われている習慣化のコツと被る話もあるけれど、独自性が面白い。
「こんなことまで習慣化してるのか!」という幅が広い。

そして、「やりたいことって、こんなにたくさんできるんだ?!」という驚き。

「面白い!」「わかるー!」「なるほど」等など、私に刺さったところを紹介しますね。

☆☆☆☆☆☆☆

 いつか時間があったらやりたい。
 そう考えていたって、
 そんな時間はいつまでたってもやってこない。

そうなのよね。
大抵の「いつか」は、いつまで経ってもやってこない。

「いつか使うかも」とか「いつか変わるかも」とかの、「いつか」もやってこない。

 

 なにか行動するのにいちばん大変なのは「やる気」を出すことだ。
「やる気」なんかに頼るから大変になる。
 好きなときに「やる気」が出せるほど、わたしたちの意思は強くない。

p.50

やる気があるから行動するのではなく、行動するからやる気が出るってやつでしょうか。

確かに「えいやっ!」と動き始めてしまえば、やる気が出てきて捗ることありますよね。
動いてもやる気が出ないこともありますが。


「絶対にやるべき」とか、自分にそういう重圧はかけない。

p.74

気合を入れれば入れるほど続かない気がします(私の場合)。
なので、これはわかる気がします。


 やっかいなことから手をつける

p.210

これはケースバイケースだけど、わかる。
厄介なこと=気が重いことを後回しにすると、ずっとそのことを気にかけていないといけないので、心も体も重くなるんですよね。

仕事の時は、面倒なことから片づけるようにしています。
少しでも自分をストレスから解放してあげるためです。
でも仕事じゃなくなると、ズルズル先延ばしにしてしまうんですよね……。


 忙しいときこそ「ひとつひとつ、ていねいに」やる。これがじつはいちばんの近道。

p.222

仕事だと忙しいわけでもないのにせっかちが発動して、勝手にテンパることがあるのですが、「焦ってるな」と思った時は、字を書く時、あえてゆっくり書くようにしています。
そうすると、少し気持ちが落ち着く。

気持ちが落ち着くと頭も冷静になるので、結果、効率が上がる気がします。
習慣化する時も、丁寧に落ち着いて取り組むのがよいのですね。


 今日ない時間は、明日もない!

p.232

「いつか」がやってこないのと似た感じですね。
何かを習慣化するためには、たとえ1分でもやると決めたことはやる!という気持ちを持ち続けないといけないということらしいです。
耳が痛いお話です。

☆☆☆☆☆☆☆

 自信を持つことなんかより、自分との小さな約束を守って、自分を裏切らないことの方が大事だと思っている。

p.237

この本を読んで1番刺さったのがここです。

誰かに「やりなさい」と言われたわけでもなく、自分で「やりたい!」「やる!」と始めたことなのに、続かないことが多々あります。

運動(ストレッチ)にしても、ボールペン字の練習にしても、三日坊主の繰り返し。

繰り返してはいるのだから、ある意味習慣化できているのかもしれないけど、それは自分が望むスタイルではない。

自分で決めたことを守らない、つまり、自分を裏切り続けるのって、自分のことを蔑ろにしているのと同じことなのではないか?と思いました。

もっと自分のこと、大切にしてあげなくちゃ!

☆☆☆☆☆☆☆

「できない」は「できる」に変えられる

p.293

以前の私は、所謂『片づけられない女』でした。

そう、片づけが“できない”と思っていたのです。

でも整理収納アドバイザーの友達のおかげで、そのセルフイメージは塗り替えられました。
私は『片づけられる女』になったのです!

しかし、掃除や片づけが習慣づいていないから、今は『片づけない女』なんですけどね。
「できない」のではなく、「やらない」だけです。すみません。
ちょっと話がズレました(笑)。


 わたしのモットーは「きちんとやるより、続けられる方を選ぶ」だ。

p.316

これ、大事ですよね。
完璧を目指すより、とにかくやること。続けること。

「今日はこれしかできなかった……」ではなく、「今日はこれだけでもできたからOK」と、できた自分を褒めてあげるのも大事!


 なんでもない人生をひっくり返す数少ない方法は、「誰でもできることを、誰もやらないくらい続けること」だ。

p.318

推しと同じこと言ってる!と思いました。

とある私の推しの1人は、とてもストイックで、めちゃめちゃ売れっ子なのに良い意味でネガティブな御方です。

その方が以前、「自信がないから、誰にでもできることを徹底的にやる」というようなことを仰っていて、それを思い出しました。

確かに誰にでもできることなのかもしれないけれど、それを実際にやる、しかも誰もやらないレベルでやる、できるというのは才能だと思うのです。

そんな才能が、はたして私にもあるだろうか?と思ってしまうのは、やる前から「できない」と言い訳をして逃げているだけなのかもしれません。


 世界にはまだ自分で生み出せる「楽しみ」がたくさんある。
 そしてその楽しさを阻害するのは、「やるのが面倒くさい」という壁だ。

p.325

ぐはぁっ!(吐血)

ズボラーで面倒くさい病の重症患者な私には、ド正論すぎて語彙力を失う……。
(元々そんなものないだろ、お前)

できる限り楽しく生きることをモットーとしていながら、自ら楽しみを遠ざけているとは、もったいないの極み。

まだまだ完璧主義から脱却できていないんだなぁ……。
完璧になんて、できるわけないのに烏滸がましい

もっと細分化して、もっとハードル下げて、1でも2でも……いや、0.1でも0.05でもいいから、やりたいことをやっていこうと思った次第です。

☆☆☆☆☆☆☆

本を読んだからといって、すぐに何かを習慣化できるほど私は器用ではないので、最近は「今、何をしたいかな?」を意識するようにしています。

そして、何かやりたいことがあったら、すぐにできることを少しでもやるようにしています。

たとえば、「家中のいらない物を処分したい!」と思っているけど、いらない物全部を思い浮かべただけで疲れる。

なので、パッと目についた、明らかに「ゴミだろ、それ」というものをゴミ袋に入れる。

それだけでOK!

それくらい、ゆるーくやっています(笑)。

「何をしたいか?」→「すぐにできることをやる」という意識づけを、習慣化の練習?準備運動?としてやっています。

そして、できたことは褒める!
頭で考えるだけでなく、日記に書く。
そうすると、「何もしなかったな……」という日がなくなって、ちょっとした充実感が味わえる。

著者のようにはできなくても、自分を少しでも喜ばせてあげられたら、それでいいって思っています。
大事なのは真似することではなく、自分を大切にしてあげることだから。

できるだけ「自分を裏切らない自分でいたい」と、そう思わせてくれた一冊でした。



↓↓↓『続ける思考』の感想文↓↓↓