山極 寿一 (著), 鈴木 俊貴 (著)
出版社 集英社
発売日 2023/8/4
単行本 224ページ
目次
内容紹介
レビュー
山極 寿一と鈴木 俊貴の対談形式となっており、各章毎に内容の「まとめ」ページも付与されていて、読みやすい一冊。
1~2章にて個人的に特に印象に残ったのは、
①動物の言葉の発達に影響すると考えられる環境についての言及
②インファント・ダイレクテッド・スピーチを起点に語る、「リズムと共感」について
※【インファント・ダイレクテッド・スピーチ】:乳児へ語りかけるときにする、成人に対する話しかけとは明らかに異なる話し方。声が高くなったりイントネーションが誇張される。
③音楽、ダンス、から言語形成への起源に関する思索
④「共感」についての考察。犬に関して
※上記の文章が記されているページには、小型犬のクーちゃんと一緒に散歩する鈴木さんのお写真が記載されているのですけれども、木の枝を口に加え、犬のように四足歩行にて地を這うように散歩する鈴木さんの姿に、「やはりコミュニケーションは相手の目線で考えるということを出来るかどうかが最も重要なのだ……」と、「共感」しかありません(「共感」は出来ても野外で実行する勇気の無い自分が憎い……😭)。
⑤ノドグロミツオシエと人間のコミュニケーション
といったところと、鈴木さんのシジュウカラの言葉を探る際の実験手順の概要です。
「①」については、意外と多くの人が「私もそう思っていた」または「私もそう感じていた」というところかもしれませんけれども、鳥が言語によるコミュニケーションを行っているという事実を世界で初めて突き止めた鈴木さんがおっしゃるからこその説得力を感じました。
「②」と「③」には、子どもの頃から抱えていた謎のひとつを、解き明かすキッカケを与えてもらいました。
その謎と、行き着いた自分なりの回答に関しましては、いつか別の記事に記すかもしれません。
※記すのに勇気と覚悟を要する(というか多くの人に嫌われる可能性の極めて高い)内容であるため、少し寝かせて、記すかどうかを熟慮してみます
「④」は「犬の赤ちゃんはオオカミよりも人間の赤ちゃんに近い」という部分が個人的に新情報でした。
どの論文なのかしら……、読みたいな……。
「⑤」に関しては全く同意見のため、引用しました。
ちなみにハチミツを共同作業でゲットするノドグロミツオシエと人間の関係は、本物の共存関係であり、「多様性」であると思います。
で、話がいきなり飛びますけれども(突然思い出したので記しますけれども)、シジュウカラの群れに「リス」が加わることもあるらしく、「えっ!? どどどどういう状況⁉」と、かなりワクワクしてしまいました。
3章はお題が「言葉から見える、人という動物」、4章は「暴走する言葉、置いてきぼりの身体」ということで、熱い内容だったのですけれども、あえてレビューは記さずにおきます。
※あまり内容を引用しすぎると記事を削除されても困るので……ソンナリユウカイ!
というわけで、とても楽しい対談集でした。
本書に関しましては、notoにて現在フォロー関係にあるHumiさんも記事を書いてらして、記事内には鈴木さんの実験に関する動画へのリンクが多数ぺタリンコされております。
シジュウカラの言語に興味をお持ちになった方は是非!
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シジュウカラは文法を持っている。その実験について、
ノーム・チョムスキー「併合」
※【併合】言語学用語で、71
「嘘」をつくことも出来る