【 空 】
わたしの空には
あの人の光は眩し過ぎて
目が霞んでしまうけれど、
その魅せられた光があれば
私は、わたしの空を好きになれるのかな。
恋するあの人と
最初に出会った時は晴れているけれど少し雲がある
そんな状態でした。
どんな人なのかという不安と
初対面なのに気が合う人と出会えたという幸せ
2つが混ざった空でした。
それからだんだんと雲がとれていって
青空が綺麗に見えるようになって
わたしの空は快晴になっていきました。
雨の日も風の日も、どんなに暗い空でも、
あの人は照らしてくれました。
太陽のように全てを明るくする赫赫たる光
月のように包み込んでくれる優しい光
星のように囁かだけれど導いてくれる光
いつだってあの人は、
いろんな光で照らしてくれていて
それを求めて依存してしまうくらい大好きでした。
私は自分の空が嫌いです。
見えやすいところは綺麗かもしれないけれど
すぐ雨を降らせるし
すぐ雲がかかってしまいます。
あの人の光はどんなになったって
わたしの空を照らしてくれるけれど
私のお空にいたら
純粋無垢な燦然たる光が
深く暗く侵食され濁ってしまう。
あの人がそうなってしまうのが怖くて怖くて嫌で
「大丈夫だよ」とあの人は笑うけれど
いつも雲がとれないわたしは
あの人の真っ直ぐな光を
屈折させて受け取ってしまいます。
それが時々すごく眩しく感じてしまうんです。
空を隅々まで照らされると
自然とふとした時にできる影も濃くなってゆく。
だからといって光がなくなるのは寂しいんです。
ぐちゃぐちゃに混ざりあった空を
一定に保つのは難しくて。
混沌から逃げたくて距離をとりたくなるけれど
離れてほしくなくてずっと照らしていてほしくて
光は強くて底抜けに優しいけれど
繊細で触れたらヒビを入れてしまいそうでこわくて
そんな尊い光です。
今日も、わたしはあの人の光を浴びて
眩しさに、胸を轟かせています。