新規開拓の人脈づくりに有効か?異業種交流会のいろいろ ①
企業をクライアントとして顧問契約を結ぶことが多い税理士・社労士・弁護士達は、様々な異業種交流会に参加されているケースが多いです。DMやホームページで集客することも手段のひとつですが、「知り合い」というカードは非常に強く、本音で忠告や要求ができるという相互のメリットがあります。
あくまでも士業の営業目的という視点で、
代表的な異業種交流会を紹介してみます。
青年会議所
通称JCと言われます。青年会議所の英名であるJunior Chamberの略です。世界中に組織があり、諸外国との交流があるJCもあります。
地域活性や社会貢献的なボランティア団体としての活動が主です。そのため地方議員さんや若い国会議員さんもいたりします。
企業とのコネクションや活動内容の動向をつかむために、金融機関やマスコミ関係者が会社から参加するように命じられている場合もあります。
各都道府県に複数あり、都道府県庁所在地にあるJCはキャピタルJCと
言われたりして、多くはその都道府県で最大勢力です。基本的には会社所在地のエリアにあるJCに加入することが多いですが、越境して参加する方もいます。地域密着事業が多い上ので、士業的には地元のJCがいいと思います。
会員は40歳までで、各JCで加入上限年齢が決まっています。入会年齢制限は35歳以下が多いです。そのため在籍しているのも社長ではなく、後継者(いわゆる二代目、三代目)が多くなります。地域経済をけん引している企業の多くがOBの場合もあります。
地元の大手・中堅企業の後の社長と知り合いになるには絶好の場です。年齢制限のある異業種交流会にはJCしか加入しなかったという方も、多かったりします。
基本的に入会は紹介制度。個人単位で入会します。そのためひとつの会社から複数入会もできます。会費等の請求は会社ですし、JCで使った経費は税務監査でも認められやすいという噂はあります。(私は税理士では無いので真実は知りません)
会費は高く、参加も半強制に近いJCが多く、金額の単価が高い方が多いので、資金力無しで入会は厳しいかも。
活動熱心でない人に冷たいですし、組織内での商売むき出しの方は敬遠されます。悪評も広まりやすいので、適当なかかわり方しかできないなら入らない選択肢も賢明。
士業の顧客開拓の目的としては、2代目3代目の中堅企業以上が多いので、士業として入会しても、既に先輩がお付き合いしている可能性が高いです。そのため、世代交代まで待って事業拡大に資することを狙う部分が強いでしょう。
商工会議所青年部
全国組織である商工会議所所属会員(会員は企業単位)でうち45歳以下で組織する会です。YEG(Young Entrepreneurs Group)と称されます。
商工会議所自体が「中小企業の活力強化」と「地域経済の活性化」を目的にして、あの渋沢栄一が設立した団体であり、その青年部なので、経済活動支援の側面が大きいです。
商工会議所が全国組織なので、青年部も自動的に全国組織です。
組織内にはJCを40歳で卒会し、YEGに移行する人も一定数います。その影響から、JCの色が濃い青年部も多いです。他の団体に無い政策提言の委員会があるのも特徴的です。
本体の商工会議所の役員やその子息が、青年部に参加しているわけではありません。しかし商工会議所とのネットワークが強固に作れるだけでもメリットがあります。
組織内での商売は、ご法度ではありませんが敬遠されます。仕事上での欠席は糾弾されたりしません。欠席が多いなら会費が無駄なだけで済みます。年代的に企業の代表者が多くなります。
年齢的にも参加者も代表者が多くなってくるので、士業的に売り上げにつながる可能性はありますが、会の活動に熱心でなければ相手にされません。
法人会青年部
元来は自己申告で納税することを推進する団体でした。そのため租税教室等の税金に関わる事業が継続的に行われています。
本当は「法人会」なので法人でないと入会できないのですが、特別に士業の一部は個人事業主でも入会を認められています。
青年部と言いながら50歳以下という枠組みになっているため、JCやYEGの卒会生も多く、また年齢的に初代社長の方も数多くいます。企業活動をしている地方議員さんもいたりします。
こちらも全国組織として全法連青年部会連絡協議会があり、全国大会もあります(全国青年の集いと言われます)。
納税支援の意味合いが強い団体ですが、入会しているから税務署が多めにみてくれることはありません。むしろ入会しているなら、適正納税をするべきだと思われるでしょう(入会してなくても適正納税すべきですが)。現役部会長でも税務調査の対象になります。
また活動自体も多岐に渡り、地域貢献や地域活性化活動も行っている場合があります。税を意識せず活動することも可能です。
こちらも例外に漏れず組織内での商売は、ご法度ではありませんが敬遠されます。出席義務も比較的ゆるく、比較的気軽に入会できます。
出席が緩いと言っても会の活動に行かなければ、士業としての顧客になる可能性は0です。そういう面で言えば、どの会も同じです。
他の会の紹介に続きます。
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