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東浩紀「哲学の誤配」を読む(day1)

読むきっかけ
・思想寄りの本を読みたいと思ったときに、今の日本を代表する哲学者の一人として東浩紀氏が想起された
・ご本人が初めて読むならこの本ということでTwitterで言及されていた

内容理解
第1の対話「批評から政治思想へ」
・今の日本ではそれぞれの個人を個別の意志のある主体として尊重しており、その結果選挙で選ばれた代表が世の中の人の声の代表として政治を行っている。一方で、人をモノとして扱い、統計的な処理をする方法があってもいいのではないか。
・選挙で選ばれた限られた人たちが「意志ある国民に選ばれた代表である」という前提のもと、個別に熟議することで政治に歪みが発生している側面もある。選挙で代表を選ぶ=選ばれた人たちの独裁に甘んじる、ではなくて統計的な処理を施した無意識の声を参照しながら熟議をすることでよりよい政治が実現できるのではないか。
・ツイッターなど、一般市民でも気軽に政治的発言ができる空間が健全な政治的空間である。

考えたこと
・前提として、あくまで「一般意志2.0」が前提となっているインタビューなので「一般意志2.0」も合わせて読むべきだと思う。
・普遍的な主張であることは志向しておらず、今のコンテクスト(自分の生い立ちや現代日本の置かれている状況)の中で何が必要かを前提として書いているものである。
・多くの国民が、選挙という限られたタイミングで代表を選び、あとは代表に任せますという政治参加の方法しか持ち合わせないという状況は確かに問題であり、それを統計データで補うという方法自体に違和感はない。→ただ、本インタビュー内では人の無意識をどう可視化し、集計するのかについての具体的な説明はなかった。どうやって実現できるのだろう?
・ツイッターが健全な政治空間であるという主張には、今置かれている状況で考えるとやや違和感を感じる。このインタビューの頃と状況が変わっているのではないか。今は匿名の大量のアカウントによってツイッター内で政治的なムーブメントが起き、マジョリティと異なる意見を言うと袋叩きに会うようなことが発生しており、なかなか政治的発言はしにくくなっているのではないか。→そうだとしたら他にどういった代替策があるのだろう?

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