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アンチェインド・メロディ: God speed your love to me
Noteのフォロワーが1000人を超えたと先日レポートしましたが、最近はさらに新しい方の記事を積極的に読み続けているので、三週間でさらに100人、フォロワー数は1100人を超えました。
フォローしてくださった皆さん、ありがとうございます。たくさんの方とつながり合うことができて嬉しいです。
「毎日Note」を続けよう決めたので、短い記事を毎日投稿している次第です。昨日で20日。この投稿で21日連続になります。
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いつも読んで下さるフォロワーさん、ごめんなさい。新しい人の記事ばかり読んでて、あなたの記事はあまり読んでいません。
いわば、自分の関心事以外の世界を覗いて、知らなかった世界に足を踏み入れているわけで、いわゆるコンフォートゾーンの外側の世界に出てゆくで、自分の世界を広げてみようという努力をわたしは続けているのです。
でも共通の興味を持つ方の記事を読むと、At home (つまりコンフォートゾーンの内側)です。やはり大変に感銘を受ける記事にも出会えることもよくあります。Noteをしていてよかったなと思えるのです。
今朝はそのような素晴らしい方のある記事に触発されて、今日の記事を書くことにしました。
わたしが愛読している海外在住のあるNoterさんはとても奥ゆかしい方なので、ここで記事を直接紹介するとコメントが殺到して迷惑がられるかもしれないなと思いましたので、名前は出しませんが、とてもユニークなハンドルネームをお持ち。
変な名前だなあ(笑)
とずっと思っていたのですが、その意味が判明してびっくり!
そして感動しました。
とても意味深い名前だったのです!
私のハンドルネームは単純明快。
Logo(言葉)Phile(スキ)という意味ですが、その方の名前は1990年の名作映画「ゴースト・ニューヨークの幻」由来のある言葉だったのです!
「Ghost」はわたしの青春時代の思い出のファンタジーな恋愛映画。
でも恋愛映画を何度も見るような性分ではないので、完全に映画の中の特別な言葉、失念していました。
この映画を最後に観たのは、幽霊になっても恋人を守り続けるサム役のパトリック・スウェイジ (Patrick Swayze 1952-2009) が亡くなった2009年に、彼を惜しんで組まれた特別番組のテレビで再放送を見直したときでした。
わたしには彼が亡くなったのは、ついこの間のことのように思えるのですが、もう15年にもなります。映画はなんと34年前の製作。自分も歳をとったのだなあと感無量(笑)。
でもよい映画は決して古びることはありません。
古典となった偉大な映画なのですから。
古典となった200年以上前の楽聖バッハやモーツァルトの音楽が永遠に古びることがないように。
でも、英語には
Timeless
という古典 Classic 古典的 Classical と言い表すよりも、素晴らしく美しい言葉(形容詞)があります。わたしの最も好きな英単語のひとつですね。
The movie 'Ghost' is timeless...
さて、懐かしい映画を久しぶりに思い出したので、映画の主題歌「Unchained Melody」、インターネットで楽譜を探して、ピアノで弾いてみました。
この曲は1955年の刑務所映画「Unchained」のために書かれた音楽。
「Unchained」とは文字通り「鎖につながれていない・解放された・自由である」という意味。
刑務所で鎖につながれた男が愛する家族に向かって「待っていてくれ」と歌う歌。
刑務所という特殊な世界が舞台なのだけれども、普遍的なラヴソング。
映画「Unchained」の歌(メロディ)なので「アンチェインド・メロディ」なのです。
この曲のコード進行は極めて単純。
I-vi-IV-V-Iのフレーズで始まります。ポップスのコード進行の基本中の基本の流れ。400年前のバロック時代の定番ですね。だから分かりやすい。
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でも単純だからこそ、これだけ人口に膾炙して愛されている永遠のメロディが生まれたのだといえるでしょう。
左手の伴奏の三連符が特徴的で、音符だけならば、なんとなくバッハのコラールをも思わせます。
ハーモニカ演奏など、器楽演奏版を聴いてみて、やはりよくできたメロディラインだなと感動しました。歌の基本は一音ずつずれてゆく音階です。それだからこそ、時々現れる効果的な跳躍が際立つのです。
私は楽器演奏者なので、何でもインストルメンタルにしてしまうのですが、この曲は「神への祈り」でもある永遠のラヴソングなので、歌詞がなくなってしまうのはあまりに残念。
英語歌詞を見ながら、歌ってみたのですが、言葉は単純で母音を長々と伸ばして、単純な言葉の中に込められた「真摯な想い」を美しい詩の翼に乗せて思い切り歌い上げるのです。
ラヴソングの王道、ラヴソングのなかのラヴソングですね。
愛を語るのにたくさんの言葉はいらない。
美辞麗句で飾り立てない、本当に大切な素直な言葉だけを選んで、歌声という楽器の音色の魅力で愛を伝えるのが本当の愛の歌。
本当に深い思いは言葉にはならないものなのだし。
だから揺れる歌声を
ア~ア~ア~
とあなたの持っている最も美しい声で歌い上げるだけでも、聴き手の心を揺さぶる深い歌になる。
愛する人に逢うことができない男の痛切な祈りのような歌。
Woah, my love, my darling ああ、大好きな君を
I've hungered for your touch 触れたくてたまらない(君に触れられたい)
A long, lonely time 長い寂しい時間
And time goes by so slowly 時がたつのがゆっくり過ぎで
And time can do so much 君のいない時間は僕をどうかしてしまう
Are you still mine? まだ君は僕のものかい?
I need your love 君の愛が必要だ
I need your love 君が恋しいんだ
God speed your love to me 神様、僕の願いをかなえてください(彼女の愛を僕に与えてください)
Lonely rivers flow 孤独の川は
To the sea, to the sea 海へと流れてゆく
To the open arms of the sea, yeah 母なる海の開かれた腕の中に
Lonely rivers sigh 孤独の川はため息をつく
"Wait for me, wait for me" 「待っていて」
I'll be coming home, wait for me 僕は帰ってくるからね、「待っていて」
Woah, my love, my darling
I've hungered, hungered for your touch
A long, lonely time
And time goes by so slowly
And time can do so much
Are you still mine?
I need your love
I need your love
God speed your love to me
「God speed your love to me」は仮定法現在形。
「God bless you(神様が祝福しますように)」 などと同じ表現でまだ起きていないことを期待するときには動詞は原型をとるのです。
I wish God would speed your love to me
と言い換えることができます。
動詞「Speed」には古い言い方で
うまくゆかせる
という意味があります。
だから「彼女の愛を僕に与えてください」と意訳風に訳すのがいいですね。
もともとは刑務所の中の男の歌。
どんな男だって囚われの身になれば、自分を捨てて別の男を見つけて彼女は暮らしているのではないかとか、心配するだろうし、どうしようもできない自分は天にだって祈りたくなるものでしょう。
この歌は当たり前の
A Boy meets a girl
的なありきたりのラヴソングではないのです。
映画の中のヒロイン・モリ― (Molly) 役のデミ・ムーア (Demi Moore 1962-)は本当に可愛かったですね。
映画撮影当時は27歳か28歳。
ポリコレのジェンダー問題があまりに行きすぎている21世紀的には、守られるばかりの「受け身な=Submissive」彼女はフェミニストたちの批判の対象になるような女性なのかもしれませんが、幽霊になっても一人残された彼女を想い続けて(だから成仏できない)彼女を守るサム(パトリック・スウェイジ)は男性の鑑。
サムのように誰かのために死んでゆける人生って、永遠不変の美しい人生の典型です。
そう、映画って人生を学べるんですよね。
人生のロールモデルを歴史小説などから学ぼう、とよく言われます。
偉人伝を読めとか、やはり意味がある。
人生のロールモデルを持つことは大事。
人の人生を追体験して、自分の人生だけでは学べないことを映画を見て学ぶって言うことを最近、自分は忘れています。
AI学習やら、語学やら、ピアノやら、筋トレやら、自己鍛錬や家族のためにばかりに時間を使って、自分とは違う人たちのことを学ぶ機会が乏しくなっているような気がします。
だからこそ、知らない人のNoteを読むことが重要なのですが、人は意義ある読書や映画鑑賞から「追体験・感情移入」という経験することで、他人事を我が事のように深く学習することができるので、良い映画での体験をこれからはもっと大切にしたいと思います。
古典を読んで古典的な人物と友好関係を持ったり、共感して友情を抱いたりする相手のことを、中国古典「孟子」の言葉で
尚友
と呼びますが、「尚友」と呼べるロールモデルを持っていたいものです。
映画の場合、ある特定の人物を大好きになることを自分はあまりけいけんしませんでしたが、言葉には随分と教えられたものでした。
映画の中で聞いた英語のセリフは忘れないものですよ。
特に英語の映画は、英語学習に最適です。
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そして「愛してる」には意味がない
英語圏では挨拶代わりにI love youといいますが、わたしもサムに心から同感
でも女性はそれでも「言われていたい」と言う
そこでサムは特別な言葉をモリ―に返します。
その言葉が映画最大のキーワード
映画最後のサムの言葉、なんとも日本語訳しにくいのですが、単純な英単語を並べただけの詩的な言葉なので、何通りかの解釈が可能。
It's amazing, Molly. The love inside, you take it with you. See ya
心の中の愛を持ってゆくことができるんだ
じゃあね
YOUがモリ―なのですが、英語は主語があっても、命令形みたいな意味合いを持たせる言語なので、
すごいよね、ぼくの愛を君に持っていてほしい
というようなサムの願望のような意味合いで訳すこともできます。
またサム自身が自分に対して、語り掛けているような言葉だとすれば
すごいことだ、ぼくの心の中の愛はいつまでも持っていられるんだ(旅立っても死後の世界にまで持ってゆくことができる)
死後の世界に
死んでしまっても持ってゆくことが
できるとサムは語っている
格変化しないために、単語が言葉の意味をきっちりと規定しない英語は、ドイツ語や日本語に比べると、文法があまりにいい加減なので(語順がほぼ意味を決定、ブロークンな英語であっても)こんな風にも理解できてしまう。
ああ英語って難しい。
でもこんな風にもあんな風にも解釈できるって思える言葉なのは、英語のいいところかも。
短所は長所ですね。自由解釈の幅が大きいのが英語。
シェイクスピアのソネットなんて、バッハの表情記号のない楽譜のように何通りもの解釈ができてしまうし。
以上、映画「ゴースト」の主題歌解説、弱冠ネタバレしましたが、一番大事な部分は語らなかったので、まだ見ていないといわれる若い方に是非とも見てもらいたい「古典の中の古典」の恋愛映画です。
あらゆる世代の映画ファン必見の名作ですよ。
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