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動かないからの不調 【DoctorTのスポーツエクササイズ医学】
こんにちはDoctor Tです。8月も終盤戦になってきました。気温だけでなく雨も嫌な日々かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。
ところで、”なんとなくだるい”や”最近腰が痛いな”と感じるときに「動いていないせいだ」と思う方はどのくらいいるでしょうか?
日常患者さんと話していて、肥満や高血圧などの「病気」に効くから運動したほうがいいと言うことは知れ渡ってきたと感じます。しかし、いわゆる「整形外科的な問題」でも体を動かしたほうがよいことを理解している方はそれほど多くない印象です。
ひとに言われたことは続かない。本人が積極的にならなければうまく行かないとはよく言われますが、どうして運動がからだに必要なのかがわからない限り、運動に前向きになるのは難しいですね。
そこで今回はそれをできるだけわかりやすく説明したいと思います。
人のからだは動かさないと不調になる
人も動物であり、からだは動かす前提でできています。適切に動かしてメンテナンスをしないと不調になります。機械になぞらえて説明してみます。
動いていないと歯車の動きが悪くなる
機械と同じでしばらく動いていないと歯車の滑りが悪くなります。体を動かすことで血液の循環もよくなり、その循環をもとに色々な臓器に栄養や酸素が送られ、その臓器が適切に機能します。
筋肉はパーツ(骨)を動かすだけでなく、骨組みも支えている
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骨が機械のパーツで、それを動かすのが筋肉です。人の体は、機械ほどガチガチに骨組みが固定されているわけではなく、一部弾力のある筋肉でも支えられています(一番下の図参照)。そのため、体を動かしていないと支えている筋肉が弱り、支えが弱くなるため、機械以上にそのパーツの並びは悪くなってしまうのです。
筋肉の弱りは、寝込んだりして急に起きることもありますが、多くの場合は徐々に体の動きが足りなくなっています。そのため、気づかない間に弱っていることが少なくありません。
筋肉が弱るとパーツの動きがいびつになる
知らない間に体の使い方がいびつになり、そのいびつな動きを繰り返すことで歯車の表面がすり減る。これが関節で言うところの軟骨のすり減りで、変形性関節症の状態と説明ができます。また、機械の金属のパーツも長時間過剰に負荷がかかると亀裂が入ることがありますね、それが疲労骨折と言えます。
弱った分の埋め合わせのために頑張りすぎる筋肉
すべての筋肉が弱ると寝たきりになるため、2本足で歩くためにはどうにか体を支えなければならず、どこかで必要以上に頑張っている筋肉があります。
筋肉というものは、適度な収縮と「伸び」があると鍛えられて、機能性がよくなりますが、縮こまったままだと動きの悪い(=伸びない)こった筋肉になります。これが肩や首のこりや痛み、腰の痛みです。
首の後ろや腰の筋肉は必要以上に頑張り続けてることが多く、コリや痛みを起こしやすいのです。
動きの悪い体は燃費が悪い
動きの悪い機械は燃費が悪いため、同じ動きをするにも機械に負担がかかります。これを人に当てはめると、体の動きの悪い人は疲れやすいということになります。
司令室からの指示もアップデートが必要
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動きのコーディネートを司るのも脳や神経
使わないと衰えるが、
運動によって再度活性化させることもできる!
しばらく動かしていないと、私達の身体はその動き方を忘れてしまいます。昔できたことができなくなるのは、加齢による柔軟性や筋力低下による部分もあるかもしれません。でもそれだけではありません。司令室(脳)からの司令が出なくなると、そこの回路がお休みしてしまうのです。
脳ー筋肉回路も再活性可能
でも、休止した回路も再度スイッチを入れることが可能です。以前はできたゴルフのスイングが上手くできなくなっても、もう一度鏡を見ながら意識して動きを修正してみましょう。そうすると回路に少しずつ信号が流れるようになり、繰り返すことでその錆びついたスイッチが少しずつオンに入るようになります。
機械にはない素晴らしい効果「気分をよくする」
機械にはありませんが、人のからだは、動かすことによって脳内物質の出方が変わります。体を動かすことで、エンドルフィンやセロトニンと言った、前向きになる脳内物質の放出が増えるということがわかっています。そのため、運動は体の動きだけではなく、気分も良くしてくれるのです。
軽い不調はからだを動かしていなからかもしれないと考えてみる
最初にお話したようになんとなく不調なときは、体の歯車が動き出しにくくなっているもしくは骨組みが歪んでしまっているのかもしれません。まずは自分なりにストレッチしてみたり、外に出て好きなように体を動かしてみましょう!
なんか変だけど、何がおかしいかがわからないときは、トレーナー、理学療法士、医師に相談してみてもいいかもしれません。でもその後のメンテナンスはあなたがやるかどうかにかかっています!
まとめ
からだの不調は動かしていないからかもしれない。
ひとの体は機械に例えることができる。
良好な動きにはメンテナンスが必要。
脳からの司令は訓練で再活性できる。
運動には気分を良くする効果もある。
慣習的に調子の悪いときは、からだを休ませたほうがよいと思っている人のほうが多いのではないでしょうか?確かに、そういうときもあります。からだを休ませたほうがいいのかどうかはその状況次第ですし、休ませ方も「寝る」一択ではありません。
本当にベッドで寝ていなければならないときは、医師から入院するように言われると思います。そんな入院中でさえ、回復してくると速やかに体を動かすように言われるくらいです。
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