モダニズムとの同一性 左のページから順に見ていってほしい。本書は、右ページに文章が続き、左ページに筆者のプロジェクトに関係する写真や図版と解説文が載っていて、そ…
次世代への贈与 「何のために、誰のために建築をつくるのか。この根源的な問いを模索するために本書を書き始めた」。冒頭(はじめに)の第1行である。 一瞬、原広司の『建…
2年前。木工作家の友人に呼ばれて、何度か高知県馬路村を訪ねる機会を得た。松茸が野生し、川に天然ウナギが泳ぐ桃源郷のようなこの場所には、最寄りの駅から山道を1時間、…
秋吉浩気+門脇耕三+藤村龍至 秋吉浩気 今回は『メタアーキテクト──次世代のための建築』(スペルプラーツ、2022)というVUILDとしての初めての本が出たということで、…
株式会社スペルプラーツ
2023年2月6日 20:43
モダニズムとの同一性左のページから順に見ていってほしい。本書は、右ページに文章が続き、左ページに筆者のプロジェクトに関係する写真や図版と解説文が載っていて、それぞれが独立しても読めるようにつくられているが、その左ページはつくる喜びに満ちている。具体的で、美しいのである。素材感のある物質が編成され、思いもかけない総体を見せている。見る者が爽快な気分になるのは、各部位が解放されているからだ。全
2022年9月22日 08:24
次世代への贈与「何のために、誰のために建築をつくるのか。この根源的な問いを模索するために本書を書き始めた」。冒頭(はじめに)の第1行である。一瞬、原広司の『建築に何が可能か──建築と人間と』(1967)の冒頭を想った。原広司がこの処女論集を上梓したのは30歳、秋吉浩気33歳、初々しい問いである。秋吉の場合、すぐさま続けて答えを書いてくれている。「建築をつくることは『次世代への贈与』を行
2022年8月18日 18:56
2年前。木工作家の友人に呼ばれて、何度か高知県馬路村を訪ねる機会を得た。松茸が野生し、川に天然ウナギが泳ぐ桃源郷のようなこの場所には、最寄りの駅から山道を1時間、車を走らせる必要がある。馬路村に至る細い道路で、時折、巨大なトラックとすれ違う。友人は軽くブレーキを踏み慣れた手つきで、山道には似つかわしくないスピードでトラックをかわす。聞けば、この巨大なトラックは外洋材を加工のためだけに、山を上り馬路
2022年8月5日 19:05
秋吉浩気+門脇耕三+藤村龍至秋吉浩気今回は『メタアーキテクト──次世代のための建築』(スペルプラーツ、2022)というVUILDとしての初めての本が出たということで、その出版イベントも兼ねて、建築家の藤村龍至さんと門脇耕三さんにお越しいただきました。今日は現代のアーキテクト論、つまり現代において建築家にはどういう意義があるのかということを話しつつ、お二人とも建築教育にも携わっていらっしゃいま