SPLICE HEREって何
前回の記事に書いた通り、
映画館を評価するZINEを作るにあたってまずはZINEのタイトル。
映画館を評価するという事で、
「CINEMACHELIN(シネマシュラン)」
言わずもがなだがシネマ+ミシュラン。
キタナシュランっていう汚くて美味い店を評価していくバラエティ番組のコーナーもあったけど、噂ではミシュラン本家から圧力があって改名したとか。
そもそも超マイナーなZINEに圧力かける程ミシュランも暇じゃないと思うけど、
あんまり良いイメージにはならなそうなので却下。
アメリカのスラングで映画館を意味する、
「FLICK(フリック)」
短くて可愛げがあって凄く良い名前ではあったんだけど、FLICK!って雑誌が既にあったのと、やっぱり今はNETFLIXを想像してしまいそうで却下。
※NETFLIXは「インターネット上の映画館」という意味。
映写技師がフィルムの清掃に使う薬剤から、
「BENZINE(ベンジン)」
これも短くてキャッチーで語尾にZINEが付いてて最高に良い。最終候補まで残ったけど、今ひとつ決定打に欠ける。
他にも色々と悩んだ末にそういえばと思いついたのが「SPLICE HERE(スプライスヒア)」
これは映写技師の用語で、
直訳すると「ここで繋ぐ」
映画がフィルムで上映されていた時代の事。
(と言っても今もフィルムで上映してる映画館もあるし、大手チェーン店でも7,8年前まではフィルムで上映していた。)
映画のフィルムは通常の長編映画を繋いで円状にすると直径が1メートル以上あり、現像会社から興行会社に渡す際に小分けにされて輸送される。
小分けにした1本が15分から20分程度の長さなので2時間の映画だとしたら6本から8本に分けられる。
それを劇場の映写技師達が1本のフィルムに戻す。
小分けにされたフィルムを繋げる作業が「SPLICE(スプライス)」と言い、スプライシングテープでスプライサーと言われる道具を使ってフィルムをスプライスする。
何を言ってるかわからないかも知れないがとにかく映写業界ではやたらに使われる言葉、スプライス。※興行会社によって用語は変わる。
小分けにされたフィルムには汚れや傷防止の為にヘッドとフットと言われる予備のフィルムが付いている。
劇場の映写技師達はその予備のフィルムをカットして、次のフィルムに繋ぎ合わせる。
そのカットして繋ぎ合わせる場所に書いてる言葉が「SPLICE HERE」
つまり「SPLICE HERE」は現像所の技師から劇場の技師に向けた優しさ。
「ここで繋げてね、間違えないでね」という優しさなのだ。
以上、長々と書いてしまったが、映写業界に関してはまた別の機会で書かせていただきたい。
何が言いたかったかと言うと、
「ここで繋ぐ」
この言葉がなんか好きだなと言う事。
そもそも映写技師及び映画館って、映画を作った人とお客様を繋ぐ場所。
映画を鑑賞する事で今までの自分から新しい自分に繋がるかもしれない。
「SPLICE HERE」というZINEを通じて、「映画館」と「お客様」、「映画」と「鑑賞者」、「誰か」と「誰か」、そして「私」と「みなさん」が繋がるような雑誌にしたいなと思う。
ウダウダ言ってるが、タイトルが決まっただけで内容も何も決まっていない。創刊は1年後になるかも知れない。もしくは出来ないかも知れない。それは私にもわからない。
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