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sparrow tearsの読書

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#育児

【読書感想文】韓国発『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら』の最終章でクソ泣いた

少し前、日本の首相が「経済!経済!経済!」と連呼していた。 いわく「経済は一丁目一番地」だそうだ。   でも、ほとんどの国民はもう気づいている。 彼らのいう「経済」がひどく狭い意味であることを。   例えば、私の母が介護施設で利用者を楽しませるために自宅で寝る間を惜しんでレクリエーションのアイディアを練るプロセスは、彼らの考える経済に含まれていない。   家族を看病したり、吐しゃ物や排泄物を掃除したりして、感情をフル稼働する労力は経済にきっと含まれていない。   少子高齢化

【読書感想文】児童向けの哲学書から考える!「育ちのいい人」って結局どんな人?

 『「育ちがいい人」だけが知っていること』がベストセラーになり、続編も出版されている。   「「育ちのよさ」を演出するマナー本には需要がある」という、二匹目のドジョウ狙いの編集部の意図が強く表れているように思う。   このシリーズがここまで影響力を持ってしまうと「サンドイッチを“横食べ”したから、マナーがなってない」「白い上質なハンカチじゃないから、ダメだ」という、不要ないさかいや蔑みを引き起こしやしないか。   そもそも「育ちがよい」の文脈から個々がイメージする姿はさまざま

【読書感想文】カルト的スピリチュアルから身を守るために…プレ父母の必読書『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』

2010年代に死んだ母親がおばけになって子どもを見守る絵本などでベストセラーを連発していた男性絵本作家のSNSを見て、ぶったまげた。   赤ちゃんの胎内記憶を読み解く、預言者のようにふるまっていた。 育児の悩み相談も親の視点というより「神の視点」から語っているのが印象的。 妊娠・出産をめぐるスピリチュアルな言説は、枚挙にいとまがない。伝統や自然を礼賛する言説もある。   「赤ちゃんがママを選んで決めて、この世にやってきた」 「おまた力で女性はハッピー」 「昔の人は鍛えていた

【読書感想文】「日本消滅」がトレンドワードになる時代の名著『世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか』(毎日新聞出版)

 「放っておいても子は育つ」   そう言う人は、おそらく子育てをしていない。   手塩にかけ、金をかけ、そのための金を稼いで、手間と愛をかけられないなら外で稼いだ金より安い金で外部に委託して、やっと子が育つ社会を生きている。   現代社会では、子どもを「ちゃんとした大人」に育てるためのコストと労力が増大し、親の肩に重くのしかかる。   子どもの笑顔を見る瞬間はきっととびきり幸せだろうけど、結婚にも育児にも年をとるにもコストがかかるし、教育資金のほかに老後の資金が2000万円だ

柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』が「最高に美味な鮨体験」をアップデートしてきた

 柚木麻子の小説を読んでいると、どうしようもなくお腹が空く。   「あぁ、今からすぐに家を飛び出して、ちょっといい店でうまいもん食いてぇ!」 という気持ちを駆り立てられる。   新刊の『ついでにジェントルメン』(文藝春秋)に収録された『エルゴと不倫鮨』を読んで、素晴らしい鮨体験をしたので、ここに書き残しておく。   ■『その手をにぎりたい』から『エルゴと不倫鮨』へ これまで彼女の“鮨小説“の代表作と言えば『その手をにぎりたい』(小学館)だったと思う。一等地の高級鮨屋と職

西原理恵子の過去の育児系「金言集」を読んでいたら、悲しくなった

一昔前の育児情報誌を読むと、「今はこの情報、絶対NGだろうな」という内容がある。   「十年一昔」なんて言葉もあるが、最近では3年スパンくらいでどんどん変わっているような気がする。   インターネット空間の育児情報の「アウト!」「セーフ」のボーダーラインの変化は特にめまぐるしい。 ■過去10年の育児情報「アウト」「セーフ」の変遷 2010年頃には、特定の食品や菌が科学的根拠もなく、もてはやされるような状況が放置されていた。   2015年ころからはバイラルメディアが激増す