『木洩れ日に泳ぐ魚』及び北斗さんへの感想
せっかく感化されて読んだので、この作品を読んだ松村北斗への感想を書きます。
意味の有無を問わず、生死を恒常的に、ごく自然と意識しがちなところは影響を受けているのかな、と身勝手に感じた。
愛情と嫉妬の表裏に関しても、雑誌等のメディアで挙げていた恋愛観と作中の台詞に重なるところがあったので、アキには共感しただろうなと勝手に思う。ぜんぶ私の都合の良い解釈だけれども、この作品に強く惹かれる理由は読めば読むほど理解できた(できているような気持ちになった)。
“映像化するなら絶対に関わりたい”と仰っていたのを目にしましたが、ヒロを演じるのは松村北斗しか有り得ない、というレベルで脳内ではっきり映像化ができました。
以下、個人的な作品への感想
木洩れ日、というワードが現れるフレーズの表現がとても綺麗で、儚さの散りばめ方が好きだった。
ひとつの部屋の中で展開されているのに情景が生々しくリアルに浮かぶので、戦々恐々とする。ミステリがあまり得意ではないので、総じて怖かった(ダイレクトに感情を揺さぶられる、というポジティブな意)。
ヒロの思考回路に激しく共感するけれど、アキがヒロに向ける感情も解った気になってしまう。ふたりともかなり拗れている人間で、切実な愛着が持てた。
こんがらがった毛糸のようなものが次第に紐解かれてゆくというか、紐が新しい糸に繋がってそれがパンドラの箱を何重にも開けていく、という印象だった割に終わり方は意外とさっぱり。
呆気ないというかさっぱりというか、軽薄というか。ただ、不思議と蟠りは残らなかった。目覚めた時どう思うんだろうな、あの人はどうなった?またあの人は?という謎が残るのも一興でした。
2021/12/16
都合の良い私の解釈