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行動を変えるのに向いているのはどんなインターフェースだろう?~『行動を変えるデザイン』を読む〜「インターフェースデザイン」編

※この記事は「『行動を変えるデザイン』を読む」マガジンの一部です。

こんにちは。『行動を変えるデザイン』翻訳チームのsoyaです。今回は『行動を変えるデザイン』の第Ⅳ部について紹介します。

第Ⅲ部までは、行動の構造化、環境の構築、そしてユーザー自身を準備することを通し、ゴールに辿り着くにいたるまでのビヘイビアプランを設計、磨き込みをおこなってきました。第Ⅳ部からはいよいよ、プロダクトの実装段階に入ります。具体的にはワイヤーフレームやモックアップを構築し、開発チームと共に実装し、テストをしていきます。

コンセプトからインターフェースへ

ビヘイビアプランからデザイナーチームがいきなりプロダクトを作り出すことはできません。そこで、変換をしていく工程が必要になります。

このコンセプトを具体的な要件に落とし、開発していく上で、一般的には「ストーリー」の形式で目指す状態を定義するアジャイル開発と、「仕様」を決めて製造を進めるシーケンシャル(ウォーターフォール)開発の2つがあります。あなたのチームがいずれの方法を取られていても、この段階で行うことはビヘイビアプランで決めた「何を」を具体的に「どのように」つまり実装要件に落としていくことになります。

この部では、著者はひとつの線を引いています。これまで行ってきたビヘイビアプランは、いわば、プロダクトチームが考える通りの動きをユーザーが取り、ゴールに至るためにはどのような準備が必要か、ということでした。しかし、ここから取り組む、実際のモノづくり、インターフェースデザインはビヘイビアプランとは分けて考えるべきだと述べています。

なぜここまでしないといけないかというと、無意識にビヘイビアプランに引っ張られてしまうことを避けるためだ。気をつけないと、ビヘイビアプランを強く意識した状態のままインターフェースデザインを考え始め、それで終わりにしてしまう。

これまで設計してきたビヘイビアプランはいわば論理的なゴールまでの道筋なのに対して、ここからのデザインは、ユーザーに選ばれ、心地よく使ってもらう、というもうひとつの大前提を満たす必要があります。ここで、デザインチームはビヘイビアプランに縛られず、第Ⅱ部で定義したターゲットユーザーを純粋に思い浮かべながらデザインに取り組むことが、はじめは必要です。

奇跡を起こす構造を用意する

ビヘイビアプラン通りにユーザーがそのまま行動するということはそれこそ奇跡のような確率ですが、それを高めるためにどうすればいいか?がここでは述べられています。

本書では「デザインパターン」という概念で呼んでいますが、ゼロから設計するのではなく、既に世の中にあるソフトウェアをカテゴリ化し、雛形としながら見た目を設計することで、有効な最適解が見つかる手立てにできるはずです。都市設計の分野でいう、アレグザンダーのパタン・ランゲージとも近い考え方と言えるでしょう。

インターフェースデザインを見直す

デザインができたら、本当にユーザーをゴールまで導く事ができるか、もう一度見直してみましょう。長いプロセスの中で、はじめのコンセプトで目指していたことと、実際にデザインにした際にギャップがおきることは往々にしてあるので、改めて本書の第Ⅰ部で紹介されたCREATEファネルを用いてみましょう。具体的には以下の通りです。(本書p.262より)

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以上を通し、ワイヤーフレームやモックアップを見直しましょう。

ユーザーに見せよう

このあとの第Ⅴ部ではプロダクトの改善について紹介されていきますが、このワイヤフレーム・モックアップを作成する過程でもユーザーのフィードバックを得ることは重要であり、特にユーザーの意見よりも行動を観察することが肝要だと述べています。この考え方はUXデザインに携わる人にとっては慣れた概念だと思いますが触れておきます。

例えばわたしたちは、たまたま偶然が重なって生じた行動にさえ、後から、意味ありげなストーリーをでっちあげる。だから、人の話をきく代わりに、その人がやっていることを見よう。

プロダクトを構築する

本書は実際の画面設計手法や、開発プロセスの方法論については取り扱っていないため、実装をするこの過程においてはあまり多くを詳細まで語っていません。

概論としては、ここまでに具体化されたプロダクトの要件(画面ごとの設計書や機能の要件)をもとに、開発チームが全体構造やモジュールの実装方法を検討し、必要なリソースの見積もりを行います。プロダクトチームと議論しながら優先順位をつけ、トレードオフを評価しながら計画を確定させます。

製造されたプロダクトは実際に正しく挙動するかをエンジニア、プロダクトデザイナ、それぞれの立場でテストを行い、確認しながらリリースを迎えていきます。

ついにプロダクトの完成です。しかしこれで終わりではありません。次の第Ⅴ部ではプロダクトの改善を行い、真の目的=実際に世の中のユーザーをゴールに到達させ、価値ある成果を目指していきます。

書籍紹介ページ:


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~『行動を変えるデザイン』第Ⅴ部目次~
第Ⅳ部 インターフェースをデザインし、実装する
第9章 コンセプトデザインからインターフェースデザインへ
 棚卸し
 ストーリーや仕様を抽出する
 奇跡を起こす構造を用意する
 まとめ

第10章 インターフェースデザインを見直す
 ギャップを探そう
 戦術を活かす機会を見つける
 まとめ

第11章 デザインからコードへ
 ユーザーにインターフェースデザインを見せよう
 プロダクトを構築する
 できるだけ無駄なく(リーンに)やろう
 まとめ


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
続きはこちらの記事です。


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