恋と愛の違いについて、または万葉仮名に見る古代人のセンス⑥（最終回）〜授業中の雑談　これがホントの教養だ！06〜

7 恋は求めること、愛は、、、

　みなさんお待たせいたしました。愛についてお話しさせていただきます。

その前に、人を愛したことある人、手を挙げて。ほうほう、こっそりと1人2人と挙げましたか。

わたくしごとですけど、私はたぶん、無い。無理。その理由も含めてお話しします。

　愛にもいろんな形があっていいじゃないかと言う方がいらっしゃいますが、本来愛は博愛です。キリスト教的精神ですね。
　恋は「乞ひ」から来たと言いましたが、「愛」は、愛「す」ですからね、漢字一字音読み＋「す」または「ず」はサ変動詞でしたよね、新しめの言葉です。ですから概念として古いのを辿るとキリスト教で言う「愛」が、まあ「愛」のルーツと一応しておきます。紀元前のプラトンの愛もありますが。まあ、現代に直接つながっているものとしてね。「愛」というとキリスト教的愛、博愛がルーツとしておきます。

　さて、博愛って何？　誰か、何？　
　これは質問もちょっと良くなかったかな、じゃあほれ、「左の頬を打たれたら」？　どうするんだっけ？

　おお、その通りです。「右の頬を差し出しなさい」です。

　それから「汝の敵を」？　どうするの？　倒さないよね。ぶっ飛ばさないよね。

　よしその通り。「汝の敵を愛せ」です。

　みなさん、今とても嫌いな人のことを思い浮かべて。いるでしょ。思い浮かべて。
　ねえ、その人のこと、愛せる？　そいつから左のほっぺたぶたれたら右のほっぺた出して「ぶって」って言う？　変態ですねえ。そう思うでしょ？

ほれ、ありえないんです。愛は。。。
とても難しいんです。愛「する」ことは。。。

つまりね、

恋は自分本位、愛は相手本位。

恋は求めること、愛は受け容れ赦（ゆる）すこと。

　だってそうでしょう、どうしたら左のほっぺたぶたれて右のほっぺた差し出せるの？　どうしたらムカつくあいつやあいつを愛せるの？

愛はもう、赦しの精神でしかない。

自分を棄てて相手本位でしかない。

　これって無理でしょ？　だれにもできないことでしょ？

だからこそ愛は尊いんです。

　とても人さまにはできないことなんです。よくわかんないけど、神さまとかにしかできないすごいことなんです。

　だからみんなに聞きたいことがあるんだ。聞きたいことがあるんだ。

愛しあってるか〜い？**

あれ？　なんでみんなうつむくの？　あれ？

このクラス全員平常点マイナス220点な。ま、いいです。まとめます。

だからみんな！

ムカつくやつのこと、思い出して、
がんばって赦そうぜ。

では、愛の授業を終わります。

はい、じゃあ、号令！
あざしたあっ！