地球市民としての「新しい日常・正義」考(1) 〜 SDGs・探究への招待 #045
1 私たちの「日常」の風景
このコロナ禍で、ほんの1、2ヶ月前までにいろんなことがありましたね。
隣の県のホームセンターに買い物に行く人たち、買い物に来た人の車を蹴飛ばす人たち、蹴飛ばした人を批判する人たち。
#検察庁法改正案に反対します を唱える芸能人、その芸能人を叩くネット民、そのネット民を叩くまた別の人たち。
時短で営業しているお店の人たち、そのお店に「みんな我慢しているのに何事だ」「店シメロ」「警察呼ぶぞ」と書いた紙を貼る人たち、紙を貼った人を責める人たち。
自粛要請に従わないお店とそこに並ぶ人たち、お店とそこに並ぶ人に怒鳴り込む人たち、怒鳴り込む人を動画にとってツイートする人たち。
湘南に繰り出してサーフィンしたりBBQする人たち、サーファーやBBQする人に眉をひそめる人たち、眉をひそめる人に首をかしげる人たち。
ドラッグストアで密を構成しながら買い占めする人たち、買い占めする人を責める人たち、責める人を「怖い」と言って加害者呼ばわりする人たち。
わけあってマスクをはずして歩いた人たち、マスクつけていない人に「近づくんじゃねえ」と怒鳴りながら近づく人たち、怒鳴りながら近づく人を動画に撮ってマスコミに送る人たち、夕方のニュースで動画を公開する人たち。
そういえば、生々しい話になりますが、某番組で自殺した方が出た件で、この方の番組内での言動をインスタでさんざん非難した人たちは社会で注目されるや一斉に自分の投稿を削除したとか。
にもかかわらず、この件で、ある芸能人の方が「いくら芸能人でも、同じ人間なんだから、非難されたらつらいに決まっているよね」といった内容のツイートをしたところ、またまた匿名の方々が、以前「#検察庁法改正案に反対します」のツイートをその芸能人の方がしたことをあらためて取り沙汰して、「じゃあ、政治家はなんですか?? 政治家への誹謗中傷は良くて、芸能人はダメと(笑) おかしな感覚をお持ちですね」「被害者ぶるのは、よろしく無いですよ。政治家の人達も、一人の人間ですよ」とインスタで叩いたこともありました。
さて、これらのことが、都庁や県庁で政治家が清談のように騙(かた)る「新しい日常」ではなく、今私たちが現に過ごしている市民の「新しい日常」の風景です。
これはコロナが私たちに無理やりもたらした「日常」ではなく、ほんの2、3ヶ月で私たちがこの手で築き上げた「日常」です。
でももっと前から私たちはこんな感じでしたね。どうでもいい芸能人の、どうでもいいプライバシーを取り沙汰しては徹底的に叩いて潰したり、政治家の言葉じりに噛み付いては責任問題だと騒いだり、全て「正義」の名の下におこなってきました。過去の出来事についてふりかえってみるに、これらの事実の中のどこに正義があったのでしょうか。誰が正義だったのでしょうか。
また、いままさに行われている大人たちの振る舞いは、未来の大人である子供たちにどのように映っているのでしょうか。
1つはっきりしていることは、少なくとも個人の「正義」は、振りかざした瞬間にただのわがままか暴力になる、ということです。
では何かの組織や団体が掲げる「正義」や、法が定める「正義」、国家が行使する「正義」は正しく正義なのでしょうか?
今回はここまでにします。最後まで読んでくださってありがとうございます!
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