見出し画像

ちょっと一服 10月神無月

あっという間に10月も終わり
31日のハロウィーンに向けて、お菓子売り場も、カボチャのジャック・オー・ランタンやお化けをモチーフにしたものが多く出ていますね。
もとは、収穫祭で死者の霊が戻ってくるお盆のような祭りだったとか。
秋から冬に向かう季節の行事のようです。
茶室の、秋から冬に向かう趣向をご紹介します。

画像1

ちょっと一服

秋の終わりは、肌寒くなることから、お客様の近くに釜(炭火)が来るように、水を少し遠ざけてという工夫をした点前があります。
設置場所を変更することで、おもむきに変化が出て、10月だなぁと感じてもらうことができる点前です。

床の間の花は、秋の草花を7種くらい生けることもあります。残花と言って、ススキや吾亦紅やホトトギスなど、時期の花を入れて秋を感じてもらいます。

茶を入れる器の棗にも、一粒万倍と字が書いてあるものがあり、蓋を開けると裏に籾が9粒かかれています。収穫を祝い、一粒から五穀豊穣を願うことを意味しています。
棗のデザインにまで、お米のひと粒を大事にする思いが表れています。

画像2
画像3

これは徳風棗と言います。
「君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。草之に風を上うれば、必ず偃す」と論語から徳風と名づけられたそうです。

さいごに

日本人は、季節のうつろいを楽しむとともに、自然を大切にし、敬っているのですね。
季節感をとり込んでいる、茶の湯の趣がお解りいただけましたでしょうか。
栗やサツマイモ、サトイモがおいしい季節。お菓子もともに、秋を楽しんで下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?