HSP転職シリーズ②レジリエンスってなに?〜気の持ちようでは克服できない、身体のしくみ
そういう個と。代表の皆川です。
さて、今日のテーマは、転職シリーズ②です。
①はこちらです。
HSPさんのワークスタイルを考える上で、避けて通れないのがこの転職テーマです。
そういう個と。では表面的なスキルだけでは、現代の転職は乗り切れないということを多くのHSPさんと接するなかで学ばせていただき、
「本物のレジリエンス」を身につけていただくことを提唱しています。
前回から
HSPさんが転職で上手くいく、という3つの条件
についてお伝えしていますが
条件1: 人生の羅針盤 →心理性
条件2: レジリエンス、自律神経 →身体性
条件3: 強みと適性 →心理性
上記の3つをお伝えしました。
今日は次の話題、レジリエンスのところに行ってみたいと思います。
レジリエンスの定義
レジリエンス、という言葉を聞いたことがありますか?
困難をしなやかに乗り越え回復する力 と定義されます。
レジリエンス(resilience)とは、「回復力」「復元力」「耐久力」「再起力」「弾力」などと訳される言葉で、「困難をしなやかに乗り越え回復する力(精神的回復力)」として、ビジネスの現場でも注目が集まっています。
心理臨床の現場では、自己調整力のような漠然とした意味ではなくて、
なにかストレス源となるものがあったときに、それを乗り越える力という一身で、「回復力」という言葉が意味としては近くてわかりやすいかもしれません。
HSPさんは平均より感受性が高いので、
Overstumilation 刺激過多になりやすいという性質が
持って生まれた特性であることが知られています。
強みや適性だけでは、健やかな転職に臨みにくいのは
このレジリエンス(自己回復力)にも相当なカギがあるからです。
社会的な心理的安全性と個人の自己調整力
レジリエンスという言葉は、人事研修や、企業研修界隈でも大流行りと言っていい状況かと思います。
アメリカのハーバード・ビジネススクールの教授エドモンドソン博士(すごい綺麗な女性の博士です💌)が心理的安全性という論文を出されて、5万回以上引用があって以来、
Googleさんでアリストテレスプロジェクト(〜2012年)大々的に研究がなされたそうです。
内容は『組織の中に心理的安全性=心が安全でいられるという機能を持たせないと、企業パフォーマンスって上がりきんないんだ』とわかった、という結果で、世間が え?マジ?そんなところに成果のあがるカギが?!と驚いたといういきさつがありました。
社員の方たちがきちんと、忖度せずに発言できたり、メリット、デメリットを両方のことを話題にできる、自分が邪魔者だとか組織のなかで機能できていないということを感じない、そういう企業風土みたいのを作っていかないと、結局は、ちゃんとしたパフォーマンスって上がんないんだという事実を、企業側も認識してきた歴史であったというわけです。
そこでこの概念は、一気に企業研修などに取り入れられました。
心理的安全性は、企業側、リーダーが作るものという定義なんですけれども、環境がよくなってくれないとだめだよね、という認識が社会に広がってきたのは嬉しいことですね!
一方、個人としてもこの心理的安全性(自分のなかに安心を持つこと)
を、自己責任としてできるようになっていくことも大事です。
社会のせいだよね、
環境のせいだよね、
とまわりへの期待偏重の姿勢があると、社会でうまくいきません。
社会では、いい人であっても相性が悪い人もいますし、
意見の違いを感情的な対立に発展させてしまう人もいます。
そんななかで、健康的に成果をあげて働くために
個人側もレジリエンス、自己調整力っていうのを持つ努力が必要です。
ストレス耐性みたいなものともセットで言われますが、
自分の身体を調整していく力です。
HSPにとって安心を自分のなかに築くことの大切さ
レジリエンス。この言葉を社会心理学的な角度ではなくて、割と自律神経、身体生理の方のニュアンスで使わせていただきます。
レジリエンスは、気の持ちようではありません。
そこには身体のしくみが命を活かそうと奮闘している「自律神経システム」が存在します。気の持ちようではコントロールできない部分があります。
(だから起立性調節障害やパニック障害などは気持ちの持ちようでは、コントロールできないです。こちらは膨大な理論なので、ポリヴェーガル理論として今度お伝えをさせてください。)
働くとか、転職するとか、人生の中で新しい状況に飛び込んでいくとか、そういうときにHSPは特に、扁桃体(@大脳辺縁系・言葉がない感情脳)が強いので不安になりやすいというポイントがあります。
それはプロジェクトのリスク察知として強み利用できるときはいいのですが、ただ単にざわざわと不安ばかりが起こるというのは辛いです。
体の中から湧き起こってくるような安心感を育てていきたいですよね。
そんなもの育てられるの?
って思われた方は鋭いです。
育てられます。
安心感というのは、実は自律神経の振る舞いであるということが分かってきました。
気分というよりは
身体の反応であるという意味です。
アメリカのイリノイ大学の名誉教授であるポージェス博士が、(この博士は心臓の拍動のことを研究していた博士なんですけれども)
この自律神経のしくみは今まで言われていたような
興奮とリラックスだけじゃない、ってことを突き止めました。
人って新しいモノゴトにあたるときに緊張したり、
人前で何か言わなきゃいけなかったりすると、ドキドキするじゃないですか。
ああいうことが、自律神経が司っている、支配していることだというのはみんな知っていることですが、
それが人によって、程度にものすごく差がある、という意味です。
それほどドキドキしないでどんどん新しい物事に飛び込んだり、
平気でいろいろなことを人に頼むことができたり、
HSPさんが「え??どうしてそんなことができるの?」という大胆なふるまい笑 は巷にあふれています。
それはHSPだからできないのか?
それともHSPでも自律神経を健康に育んでいけばできるのか?
ここが長年の謎でした。
後者が正解です。(論文的エビデンスではなくて、臨床体験をもとにしています)
安心感を育む自律神経の力
HSP の場合は深い神経処理が使い方によって才能部分となります。
深く物事を考えている、
感じ取っている、(アタマも身体も)
この強みが生かせる土台 これがレジリエンスです。
しなやかな回復能力・身体に安心をセットする力がないと
才能や強みどころではありません。
われわれ動物はなにかから自分を防衛しているときには、強みはでません。
インフルエンザで寝ているときに、「ここへいくときっと仕事で役にたつ人に会えるよ」って言われても、「来週にして!」とまず身体の安全を確保しますね。
身体の調子が悪いときには、なんとなくチャレンジの気持ちがでてきませんよね。
それも身体が防衛に入っているためです。
次回はこのレジリエンスっていうのを作るためにというテーマで、もうちょっと仕組みのところを お伝えしてみようと思います。
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