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金澤流都
2024年11月24日 06:44
【猫の喫茶店】 マスターは仕事が昼の仕事がひと段落して、昼ごはんを食べた後一休みしてマタタビキャンディをなめよう、とポケットに手を突っ込んだ。 ……なにかがポケットでひっかかっている。なんだ? 飴玉なんか入れたから引っかかったのか? 引っかかっているものをマスターは無理やり引っ張り出した。 引っかかっていたのはスマホであった。バッテリーのところがパンッパンに膨らんでいて、百均の手帳型ケー
2024年11月17日 06:24
【猫の喫茶店】 マタタビ市にも外国猫観光客がずいぶんと増えた。マスターは店の窓の外を歩いていく外国猫観光客をぼんやり観ながらコーヒーを淹れていた。 外国猫観光客は明らかに地猫であるマスターたちとは違う見た目をしている。異様に大きくてもふもふだったり、独特のマーブル模様だったり、手足が短かったり、耳が折れていたりする。最近ではマタタビ市の猫にもそういう容姿の猫はいるが、それでもマスターのよう
2024年11月10日 06:31
【猫の喫茶店】 喫茶「灰猫」のマスターはネットショッピングというのをやったことがない。マスターは初老と中年の中間くらいの歳だが、いままでネットショッピングで「これが欲しい」と思う品物を見たことがなかった。 だがある日、なんとなくスマホでニュースサイトを眺めていたら、とても素敵なコーヒーカップとソーサーのセットが激安、という広告を見てしまった。激安ということはもしかしたら粗悪品では、とも思っ
2024年11月3日 06:18
【猫の喫茶店】 喫茶「灰猫」にすごいお客がきた。今をときめく大文豪、ソーセキ氏である。 ソーセキ氏は喫茶「灰猫」の隣にある出版社まで出向いたついでに、灰猫でナポリタンをすすり、コーヒーを飲み、たいへん満足して帰っていった。ちょっとミーハーなところのあるマスターは、色紙にサインをお願いし、いただいたサインを壁に飾った。 それを見ていた何人かの常連が、ソーセキ氏はまたくるのか、とマスターに