山の話1 山岳会入会記:18歳、冬山と出会う
山との出会い
10代の終わり頃、テレビドラマで見た山男の姿が、私の心を揺さぶった。
寡黙ながらも力強いその男は、山小屋で危機に瀕した女性を救い、私の中のヒーロー像を塗り替えた。
高度成長期の熱気が冷め、若者たちが将来への不安を抱えていた時代。
私もその一人だった。
昼は歯科技工所で働き、夜は定時制高校に通う日々。
そんな中、山は私にとって、閉塞感を打ち破る希望の光となった。
集会場
初めて訪れた集会場は、荒川のすぐそば、日暮里駅から少し歩いた場所にあった。