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田舎の味

先日、大家さんから干し柿をいただきました。毎年、大量につくって知り合いに配っているのだそう。
「ちゃんと手袋して揉んでるから、衛生的にも大丈夫ですよ」とお気づかいいただき、「ビワの季節になったら、食べきれないほどたくさん届けるけんね」とも言ってくださって、本当にいい大家さんと出会えてよかったなぁと思いました。いや、食べ物をくれるからいい人というわけではないですよ。
 

受け取って見たとき、あまりの見事さに声が出たほど

 
手に持つと重みがあり、ぽってりとしています。これは間違いなくおいしいやつ。
かぶりつくと、固く締まった外側ととろりとした内側の食感が楽しく、優しい甘さが口いっぱいに広がります。
買ったら、1個500円は下らない。こんなのを家でつくれるなんて。大家さん、すごい!

外海(そとめ)近辺の道の駅や直売所には、大きな渋柿が10個単位で袋詰され売られています。こんなん、買う人いるん?と思っていたのですが、さっそく買いに走りました。
私が以前住んでいたところでは、渋柿も平たい形をしていて、甘柿も渋柿も全部取り切ることはなく、その放置柿を狙ってクマが現れることが問題となっています。
九州にはクマは生息していないといわれていますが、そもそも干し柿をつくる習慣が根付いているので、放置柿はあまりないかもしれません。少なくとも、実をつけたままの柿の木は、私の周辺ではほとんで見かけないです。
 

渋柿は赤くても固い、初めて知った

 
とにかく、すでに干し柿と同じ形をしているので、あとは皮をむいて干すだけだろうと、見よう見まねでつくることにしました。
食べるときを考え、ヘタをぎりぎりまで千切ります。そして見栄えよくするため、上をぐるり一周皮をむき、それから縦にむいていきます。
 

柿ってこんなふうに枝になっているのです
実が固いので皮がむきやすい

 
大家さんは「一般的には2個結ぶけど、どちらか落ちたらもう片方も落ちるから、たくさん結ぶんです」と言ってたけれど、やはり「干し柿=互い違いにした2個干し」というイメージなので、2個ずつひもで結びました。
本来、虫よけのためにここで沸騰したお湯に10秒ほど浸けるらしいのですが、このときはそんなことは知らず、そのまま干してしまいました。
 

ひもの結び方も適当なのであまり格好よくない
THE日本の秋の風景

 
5日後、触れてみると外側が乾燥していたので、揉んでみました。
やわらかいのは0.5ミリほどで、それより内側はまだまだ固く、本当にとろりとなるのか心配です。
でも握力40と、一般的な女性より強いので、あまり強くして破けるかもしれないと、とにかく毎日もみもみもみもみもみもみもみもみ……
 

もみ方もコツがあるに違いないが適当

 
その甲斐あって、4日後には芯のないものがほとんどになりました。大きな塊を感じるものは、さらに念入りにもみもみ。
途中、雨が降ったりしましたが、運よくカビは生えずに済みました。
そして干し始めて13日後、収穫(?)。
少し早かったのか、大家さんのより明るい色をしています。でも待ちきれなかったんだもん!
しかし、おいしい。甘さは少し控えめですが、おいしい。個人的はもう少々外側の固いところの厚みがあった方がいい気もします。でも、初めてにしては、しかも見よう見まねで適当につくったにしては大成功でしょう。
 

初めての干し柿

 
翌日、また買いに走り、今度は熱湯処理もして干しました。現在、絶賛もみもみ中。今週末には完成しそうです。
 

10〜15秒くらいなら茹だってしまうことはない

 
「田舎の味が口に合うといいなぁ」と大家さんは言ったけれど、合うどころではなく、ハマってしまいました。
来年は100個くらいつくって、料理にお菓子にいろいろ使いたいと思っています。

  

  

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