マガジンのカバー画像

短歌・詩・俳句

187
短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
運営しているクリエイター

2024年9月の記事一覧

第141話:人が山に登る理由

第141話:人が山に登る理由

僕がまだ学生の時、友人と飲んだくれて終電もなくなり、近くの後輩の下宿に転がり込もうとした夜のことだった。

近くといっても歩いて1時間以上もあったのだが、酔っ払っているから距離は気にならない。深夜、いい気持ちで歩いていると道端に大売り出しの大きな赤いノボリバタが立てかけてあった。見渡すが、近くに商店もない。
「こいつはいい」と僕はその赤いハタを担ぎながら、時々は振り回したりなどして気分良く歩いてい

もっとみる
第286話:エアコン

第286話:エアコン

この夏は酷暑だった。

僕が御殿場に越してきたのは26歳の時。もうかれこれ35年以上ここに住んでいることになる。
ここに越してきた頃は、御殿場は湿気が強く、梅雨の時期はよく霧が出て水の中にいるようだった。何でもカビてしまうような湿気と暑さに悩まされたが、それを過ぎると、日差しはそれなりに熱いが、空気は冷たく澄んで高原にいるような爽快さがあった。部活でテニスコートにいると鳥肌が立つことさえあった。

もっとみる
🟢自己紹介:短歌

🟢自己紹介:短歌

週末に試合を控え、残暑厳しく授業もお互いに意欲に欠け、noteも申し訳ありませんが再掲の自己紹介でお願いします。

拙者こと、いびつななりのやせっぽの胡瓜の恋のごとく不器用

無器用に生きてきたな
と思い、
でも、たぶん、
これからもずっと無器用にしか生きられないのだろうな
と思っています。

第284話:「バカ」と言う人

第284話:「バカ」と言う人

世の中のことに概して関心が薄いのに、何かに引かれるとそれにのめり込んで我を忘れてしまうのは、なかなかに厄介な気質と言うべきかもしれない。

何年か前のこと、そんな調子でネットの対戦将棋にはまったことがある。
適度に遊べばいいのに、勝てば嬉しく、負ければ悔しくてもう一戦交えたくなるといった風で、時には深夜3時4時まで、時には朦朧としてふらつくまでやってしまう。

設定時間が1分という壮絶な将棋もあれ

もっとみる
台風10号

台風10号

猫は時期によって居場所を変えますが、我が家の猫はこの夏の後半は、午前中、僕の机のすぐ横でソファーに転がって惰眠を貪り、

午後は、車の屋根で惰眠を貪り、

夕方、日が傾くと「にゃーお」と呼びにきて僕を散歩に連れ出し、
(最近、なぜかこのスフィンクス座りが多くなりました)

夕食時には席について「私のごはん」を要求し、

ご飯が済むと、また、今度は車のボンネット?で惰眠を貪り、

夜中はどこにいるの

もっとみる