社会は嫌いだが『人』は好き。

社会とはなにか。社会とは人間の集団としての営みのことであり、つまり人が集まれば自然と『社会』になる。

私は社会というものが昔から苦手である。つい最近ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けたばかりだが、ADHDを併発してもいる。ASDだけであればだいぶ克服しているように思うが、忘れっぽい、ミスが多い等は脳の問題なのでどうしようもない。

社会はこういう人間を許さないようにできていると思う。単純に仕事ができないし、あまり人の輪の中に入るのも得意ではない。どうしても私は『普通に』仕事をするというのが、難しいように思われる。

最近は薬物療法を始めたものの、正直効果は全く分からない。今後薬を増やすことにより効果が出るかもしれないと医師は言っていた。ただ結局効果が出るかどうかは、人によるのが現状。コンサータの方が合う場合もあるが、依存性もあるため専門医でないと処方できない。

ちなみに私の通う精神科では処方できないため、私はコンサータはあまり考えていない。あくまで、自分のペースで確認しつつ作業ができれば、経験上ミスばかりすることはないと思う。つまりその場合オープン就労以外は厳しいということだ。

社会というものは、どうしても少数派を排除しがちである。発達障害の人間がたいてい苦労するのもそれが理由。

そういう障害を持つ人間は、技術職や研究職、芸術系が向いていると一般的に言われているが、そういう枠に入れる人間は少ない。

実際は、作業系、清掃系、そして事務系が圧倒的に多い。特に障碍者雇用枠の場合、事務の求人はかなり多い。ただし障碍者雇用自体が少ないため、事務が多いと言っても競争率は激しいことに変わりない。

だから障碍者だからと言ってスキルが必要ないわけではないが、その割にかなり給与水準は低く福利厚生もあまりよくない。にもかかわらず、たいてい副業禁止である。

特に福祉的就労である下記三つは、副業は基本的に禁止されているらしい。

・就労継続支援A型事業所
・就労継続支援B型事業所
・（特例子会社）

ちなみに特例子会社は、主に大企業が障がい者を集めた就労場所であり、福利厚生や障がい者に対する支援がきちんとされているといわれている。

その分人気もあり競争率も激しいと聞く。たしかに、配慮してもらえて大企業で働けるなら安泰だが、給料はやはり低いと思う。A型やB型であればもっと低い。とてもではないが、一人で生きていくことは困難だろう。

昇給、賞与がある場合も多いが、そもそもスタートがたいてい新卒でもらう給料より低いのが障がい者雇用だ。

ただ、私が書いている情報はあくまで、通っている就労移行支援施設で得た情報やネット情報をもとにしているので、正しくない部分もあるかもしれない。

実際まだ障がい者雇用で就労した経験はなく、調べているところなので、間違っている部分があれば教えてほしいくらいだ。ただ私は、福祉的就労に対してあまりよい印象はない。

なぜなら給料が低いのは当然として、副業すらできず、ただぬるま湯につからせられる印象があるからだ。スキルが身につくだろうかと言う疑念もある。

ただ、一般就労だからと言って、副業を全面的に肯定してくれる企業は少ないだろうと思うと、自分は一生誰かに頼らないと生きていけないのかもしれないと感じる。

私は社会にとっては異質で、必要とされたいと考えるのもおこがましいのかもしれないが、それでも、真っ当に働くことも出来ず、副業で稼ぐことすら許されないのだろうか。

社会にいると自分の存在価値と言うものについて考えさせられてしまう。

新卒で入社した会社を辞めたのは間違いだったろうか。社会からすると、きっと間違いなんだろう。ただ、個人としての私からすると、『今までよく頑張ったね。間違っていないよ』と過去の自分には言ってあげたい。

ずっとミスをして怒られるのが怖かった。毎日障害が起こるのに何も起こらないことを祈った。運用室に足を運ぶのが嫌で、事務室で過ごせる日はなるべく運用室に行きたくないと願った。

何のスキルも身につかなかった。運用部署だったと話すと、どうしても微妙な顔をされる。どうして開発部署に行かなかったのだろうと悔やんでも悔やみきれない。

私はスキルが欲しい。一人で生きていきたい。それでも、ADHDの特性が邪魔をする。失敗したくない、ミスをしたくない、完璧になりたい。

それは叶わない。

実家がなければ、私はとっくに死んでいる。それくらい社会は冷たかったように思う。良い人もいた、けれどそれ以上に悪い人もいた。

それでも私は、人が好きで、人に助けられて生きている。家族も人で、就労移行のスタッフたちも人で、私もヒトである。

生きたい。お金を稼ぎたい。今の暮らしを守りたい。

それだけ。

―――

🌼こちらの記事を読んだあなたへ…

〇「『善意』と『純粋』に傷つけられる」
〇「ストラテラ服用実験のはじまり(ADHD)」