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オープン雇用事務員プチ日記⑥『読書』は世界の時を止め、心の解像度を上げてくれる。
大人になると、『読書』を純粋に楽しめる時間が減っていくのではないか?と思います。
学生の頃は朝に読書する時間が設けられていたり、教室の後ろに小さな本棚があって、そこから本を取り出して読んだりもしていました。
当時湊かなえさんの『告白』を読んで、戦慄した覚えがあります(笑)結局最後まで読めませんでしたが映画化もされていましたし、読者を引き込む求心力がありました。
読書というのは意外と疲れるし、文字を目で追うのはかなり大変な作業ではないかと、今では思います。世の中には本の虫と呼ばれる人も活字中毒の人もいますが、私はどちらでもなく至って人並みでした。
とはいえファンタジー系が好きで、なかでも『十二国記』や『精霊の守り人』シリーズ等に夢中になった覚えもあり、今でも大好きな作品です。
物語というのは自分を別世界に連れて行ってくれる唯一無二の存在ですが、今ではわざわざ文章を目で追わなくても、漫画や映画、YouTube、TikTok等手軽に楽しめる媒体でも創作物をみることができます。
社会人になると、寧ろ学生時代よりも小説を読む時間が格段に減ります。私もだんだん、実用書でも参考書でもなく、小説を選ぶ理由がなくなっていきました。
自分で書きたいと思っても、脳内で構想を描くだけで書ききることができず、漫画と違い読む人の母数も少数です。どんなにヒットした小説でも、数カ月後には中古で格安価格で売られているのを見ると、やるせない気持ちになります。
ただそれでも、時には映画でも漫画でもSNSでも動画でもなく、小説にしかできないことがあると思います。
ふと、目まぐるしく新しい情報が流れてくるSNSを眺めていると、心がすり減る瞬間があります。その瞬間に、あまりに早い情報の流れについていけなくなったら、小説を開く。その時だけは時間の流れを忘れて、瞑想のように物語の世界を目で追ってみる。
小説というのは、唯一時間の流れを遅くしてくれる媒体ではないかと、ふと思いました。そして小説というのは、案外本当に心が疲れているときは読めないこともあります。『読める』ということは、それだけで幸せなのではないかと思っていて、読む余裕があるうちに読まないと、勿体ないようにも思えます。
例えば瞑想が上手くいかなければ、小説を買って読む。それだけでも、世界の解像度が一段階上がるような気がしてきます。
どんなものにも、作者からのメッセージが込められていて、それを読み取るのも醍醐味です。小説は映画や漫画と比べると分かりづらいですが、ゆっくり焦らず噛みしめていたら、何となくわかった気になるし、それぐらいがちょうどよいのではないか?と。
その時だけは時を忘れて、夢中になれる時間を作って、ひとたび童心に返るのも良いのではないか?と思ったのでした。
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本日、「羽泉 伊織」さんの『ヒーローはイエスマン』という小説を書店で購入しました。
本は売れれば重版の可能性もあるので、応援している作家様の本はぜひ書店で購入していただきたいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1639230777240-jU9FmVxQk6.jpg?width=1200)
あらすじ
世間がバカにしていた彼らに、世界は救われる!?
エブリスタ×ナツイチ小説大賞受賞作! いきなり文庫!
「なぜ頷くのかと言われれば、偏に楽だからである」木暮慧の唯一の取り柄は、理不尽な要求も「はい」と返答し、忠実にこなすこと。そんな彼は、イエスマンぶりが高じて他人のどんな願いも実現できる特殊能力を手に入れる。ある日、石畳と名乗る男が現れてその力を使い、謎の調査に協力しろと言われ!? ブラック企業に喘ぐ、気弱なサラリーマンが大活躍。第2回エブリスタ×ナツイチ小説大賞受賞作。
まだ2章まで読んだところですが、『はい』でも『うん』でもなく、『イエス』と返事しないと能力が発動しないという設定なので、実は能力があるのに気づかず生活している人が複数いてもおかしくないかも?というリアルさが好きだなと思いました!
表紙のイラストの漫画家・浅田弘幸先生も大好きですし、個人的には身近なnoterの方のデビュー作で、それが地元の本屋で買えるのは感動的だなと思いました。
主人公が、普通に働いていたしがないサラリーマンで、不器用ながらも人を助けようと動くところに温かさを感じましたし、私も人に流されながら生きているタイプなので、主人公と一緒に考えさせられるところがありました。
こちらで、初めの一章分(プロローグ的部分)が読めるので、ぜひ読んでみてほしいです。
夢があって綺麗で、どこか癒される。
今の世の中でそういうのを、自分は求めているのだなと思いました。
p.s.最近ではSNSや記事で心がザワザワすることが増えていたので、しばらく離れて綺麗な文章に浸るのも、心の休養になるかもしれません。
※羽泉先生のnoteはこちら
※前回はこちら
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