【感想・あらすじ】ルビンの壺が割れた 宿野かほる
物語は男性と女性のメッセージのやりとり。
とあるSNSに女性の姿を見つけ、男性が女性にメッセージを送る決心をする。
最初は男性が一方的に送るのだが、次第に女性も返事をするようになる。
しかし、何だかやりとりに不穏な空気が漂い始め…
終盤で行われるたくさんの伏線回収は爽快!
そして、最後の1行に度肝を抜かれる!
読みやすいサイズのミステリー小説。
読み進めるにつれて生じる違和感
最初は男性の一方的なメッセージ。
それに対する塩対応の女性。
読んでいくうちに、何だか違和感を感じ始める。
「お互い知り合いなんだよね?」
「なんだか男性が一方的に感情をぶちまけているような…」
その違和感は読んでいくうちに確信に変わっていく。
普通なようで普通ではない様子
そもそもの二人の関係性に驚いた。
過去の関係を振り返る二人。
端から聞くと女性に非があるような話なんだけど、
なぜか女性を非難する気持ちになれない。
その原因は男性の普通ではない様子にあった。
「何だか焦っている?」
「いや、責めている?」
私にとって、男性の心は読み取りづらく感じた。
そして、終盤でどんどん真相が明らかになっていく。
最後の1行で衝撃が走った
なんといっても、最後の一行!
この一行を読むために今まで読んできたんだな
そう思わせてくれるラストだった。
終盤での伏線回収により、すべてがつながり
とどめの一行、という感じだった。
記憶を消してまた読みたい一冊。