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そらこ
2025年2月10日 23:52
今日何度目か分からない落胆がテーブルの上に落ちる。やってきていたハンバーグ定食に手を付けようと、箸を持ったところだった。粘膜で動きを封じられたみたいに私の動きが鈍くなる。 「そういえばこの間『やん』とね…」向かい合った先で、彩音が机上を眺めながら口をまた開いた。「ここ来たんだー。窓際の席だったかな。ドリンクバーだけでめちゃくちゃ居座っちゃったの」ドリンクバーだけ。注文は席に置いてある液
2024年6月5日 16:46
手を繋ぎたいです、と急に言われて、最初は分からなかった身体が、首の付け根からぐぐぐーっと熱くなって反応する。「なに、きゅうに」自分でもどんな顔をしているかわからないまま聞くと、「たまにはいいでしょ」と表情を変えずに返された。指をからめることなく、握手みたいにしっかりと手を繋ぐ。そのまま土手沿いを歩くと、ちらほらとスーツ姿で自転車をこぐサラリーマンや、大きなスポーツバッグを持っ
2024年3月31日 23:36
1Kの間取りの部屋は、1人で暮らすぶんにはちょうどいい。孤独や不安を抱えている今の自分にはありがたい大きさだった。明日は遅刻しないように、壁に着ていく服を、ハンガーにかけていた。本当は私服でいい会社だけど、入社式があるからスーツを用意している。その服をベッドの上で、三角座りして眺めている。さっきまで、つい数週間前まで実家の自分の家で観ていた、推しているVtuberの投稿動画を眺めていた。そ