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『穢れた聖地巡礼について』ガチ考察|「あなたの番」の正体は?

「げんきなあなたがうまれます」

——背筋さんの新作『穢れた聖地巡礼について』。
本作を考察していきたい。


本書の帯に書かれたあらすじを引用する。

フリー編集者の小林が出版社に持ち込んだのは、心霊スポット突撃系YouTuberチャンイケこと、池田の『オカルトヤンキーch』のファンブック企画だった。
しかし、書籍化企画を通すには『オカルトヤンキーch』のチャンネル登録者数は心許ない。企画内容で勝負するべく、過去に動画で取り上げた心霊スポットの追加取材を行うことに。
池田と小林はネットなどで集めた情報をもとに、読者が喜びそうな考察をでっちあげていく――。

『穢れた聖地巡礼について』の帯より


見るからに面白そうだ・・・!


背筋さんは前作『近畿地方のある場所について』で一躍有名に。


『近畿地方の・・・』は、近頃流行り?の「モキュメンタリー」(ドキュメンタリー形式のフィクション作品)で、それこそ「背筋」を凍らせる作品だった。(かなり怖い)



で、本作『穢れた聖地巡礼について』だが、、、



※以下、本書のネタバレを含みます!ご注意ください!





本記事では、おそらく本書を読んだ方が皆抱くであろう、ある一つの問いに答えるべく、考察を進めていく。

その問いは、これだ。


物語の最後で、チャンイケに「あなたの番」といたずら電話をかけた女性とは、誰なのか?


小林と宝条の力を借りて、なんとか怪異を逃れたように思えたチャンイケ。
これにて一件落着!と思いきや。
物語の最後には、ゾッとする展開が待っていた。


「そういえば、昨日、また電話がかかってきました」
「え?」
「いたずら電話です。女の人から。今度ははっきり聞こえましたよ」
「・・・なんて言ったん?」
「相手が言ったのは、『こんな晩』じゃなかったんです」
「え?」
「『あなたの番』って——」

『穢れた聖地巡礼について』p278


この「あなたの番」のいたずら電話。
いったい、誰がかけたのだろう?


考察は後段に譲るとして、ここで先に私の推測をお伝えしたい。


【結論】
・電話の正体は、「チャンイケの同級生の、鈴木優子」
・ただし、彼女には、「敬一と付き合っていた、同姓同名の、鈴木優子」が乗り移っていた


——おそらく、同じ推測をした人もいるだろう。
(実際、ネット上の本書の感想やブログで、上記の推測をしている人がいる)


その上で、この記事では、なぜ上記が言えそうなのか、その根拠を深掘り・考察していこうと思う。


キーワードは3つある。

・「六部殺し」
・「生まれ変わり」と「乗り移り」
・2人の「鈴木優子」


このキーワードに沿って、考察を進めたい。

なお、本記事の最後で、上記の考察(電話の正体=鈴木優子説)への反論、いわば「考察の穴」があること、それによって別の考察の可能性があることも指摘したい。

今時点で「鈴木優子じゃないのでは?」と、疑問を持っているあなたも、この「考察の穴」までお付き合いいただければと思う。


それでは、さっそく行ってみよう!!


◆キーワード(1):「六部殺し」

①「六部殺し」と作中の「怖い話」のつながり


いきなりのネタバレと行こう。

・「変態小屋」
・「天国病院」
・「輪廻ラブホ」

これら3つの物語は、実は共通のストーリーになっている。
で、そのストーリーは、ある民話をもとにしたものだった。

その民話は、「六部殺し」である。


まず、「六部殺し」とは何ぞや?を確認しよう。
有名な(?)民話らしく、本書ではこんな物語として紹介されている。


・とある村を旅人(六部)が訪れて、村人の家に泊まる
・村人は、六部がお金を持っていることに気づく
・村人は、お金が欲しくて六部を殺してしまう
・数年後、夜に子どもをトイレに連れて行く途中、子どもが「こんな晩だったなあ、お前が俺を殺したのは」と言う
・子どもの顔は、昔殺した六部の顔になっていた

『穢れた聖地巡礼について』p252の内容を筆者が要約


これをざっくり整理すると、こんなストーリーだ。


・村人が、六部からお金をうばう
・六部が死ぬ(殺される)
・村人の子どもが、六部の顔になって、「こんな晩に・・・」と言う


では、作中に出てきた「怖い話」は、どんなストーリーだっだだろうか?
「変態小屋」と「天国病院」に出てきた「怖い話」は、こんな感じだ。

①変態小屋
・幸江が、涼子から、豊(涼子の夫)を奪う
・涼子が、飛び降り自殺する
・幸江と豊の子(ゆか)が、ソファから飛び降りて、何かを言おうとする

②天国病院
・ボス(お局ナース)が、新人ナースから、ドクター(意中の相手)を奪う
・新人ナースが、自殺する
・ボスの患者の顔が、急に新人ナースの顔に変わって、何かを言おうとする

③天国病院
・娘が、おばあちゃんの、死を願う(命を奪おうとする)
・おばあちゃんが、花火の日に、病気で死ぬ
・娘の子どもが、花火を見ながら、何かを言おうとする

(「輪廻ラブホ」の話を取り上げないのには理由がある。後述。)


この3つの物語、一般化するとこんな感じだ。

・Aが、Bから、何かを奪う
・Bが死ぬ
・Aの身近な人が、Bに取り憑かれた感じになって、何かを言おうとする

上記の整理は私の憶測ではなく、作中で小林が語っている内容だ。
その箇所を引用する。


「なんとでも言ってくれ。で、どうして俺がそんなうその話をしたかっていうと、全部『こんな晩』につなげるため」
「あの、六部殺しとかいう昔話のやつですか」
・・・(中略)・・・
「まあ、情報を都合よく切り取っただけだけどな。怪談の型としては別に珍しいものじゃないし。輪廻転生の考えが根強い日本人が思いつくには、ごく自然な怪談だよ。類型ってやつだ。それに、民話のなかで夫婦は六部を殺して金を奪ったけど、金を『自分が持ちえないもの』と解釈すれば、さまざまに置き換えられる。各動画にまつわる話で言えば、他人の夫、家族の注目、若さと純粋さとかね。殺す方法だって、鎌で切りつけなくても色々ある。呪う、死を願う、自殺に追い込むとか。解釈次第でいくらでも似た話にできる」

『穢れた聖地巡礼について』p266
太字は筆者が加筆。



小林の発言と、「六部殺し」のストーリーを参考に、
先ほどの一般化を書き換えてみよう。


・Aが、Bから、「自分が持ちえないもの」を奪う
・Bが死ぬ
・Bが、Aの身近な人に輪廻転生して、「こんな晩に・・・」言おうとする


「六部殺し」とのつながりを考えるにあたり、もう一つ重要なキーワードがある。

「異人」だ。

これを考えることで、上記の「A(奪う人)」と「B(奪われる人)」に意味がつけ加えられるのだ。


②「異人」と輪廻転生

ここで、「六部殺し」の小さいが無視できない要素をに触れたい。


六部は旅人=村人から見ると、「外部の人」「よそもの」
だと言う点だ。

「異人」との言葉で表現するらしい。

作中で、小林が宝条に対してこんなことを言っている。

「六部殺しは、別名『異人殺し』と言われることもある。農村や集落にとって、大事なのは金じゃなくて、異人そのものだったりするんだよ」
「でも、話のなかでは、お金欲しさに六部を殺してますよね?」
「それ自体がメタファーってこと。もちろん金も大事だけど、閉鎖的なムラ社会っていうのは、外部との交流が少ない。だから、医療だったり、生活に関わる技術がアップデートされにくい。そこで、そういった未知のものをもたらしてくれる外界からの来訪者は異人として歓迎される」
・・・(中略)・・・
「じゃあ、昔の人もスキルとか道具を盗むだけ盗んで、用が済んだら殺すってこと? えげつないわ」
「そうだな。ただ、それとは別に、異人にはまだ大事な役割がある。新しい血だよ」
「急に方向性変わったな」
「血って言っても、儀式めいたものじゃないよ。直接的な言い方をするなら、子種だな。・・・(後略)」

『穢れた聖地巡礼について』p266-267
太字は筆者が加筆。



異人は、村人に、「自分が持ちえないもの」と子種をもたらす。


ここで言いたいのは、異人(殺された人)が生まれ変わる(輪廻転生する)ということだ。



◆キーワード(2):「生まれ変わり」と「乗り移り」

①「六部殺し」との共通点と相違点

それを踏まえて、改めて「変態小屋」「天国病院」に登場した怖い話を整理してみよう。

下表の一番上の段が「六部殺し、以下の段が「変態小屋」「天国病院」に登場した怖い話である。


『穢れた聖地巡礼について』を元に筆者が作成。
表内のページは、本書の引用箇所。


ここで、またしても小さいが無視できないポイントに言及したい。


作中で、「異人(殺された人)」は、「転生(生まれ変わり)」だけでなく「転移(乗り移り)」もしているのだ。


「変態小屋」も「天国病院」も、大筋は「六部殺し」と同じ形式だ。
しかし、一点大きな違いがある。

それは、

「六部殺し」は「生まれ変わり」なのに対し、
「天国病院」のナースの話は「乗り移り」である。

——という点だ。

詳しく説明しよう。


『穢れた聖地巡礼について』を元に筆者が作成。
表内のページは、本書の引用箇所。


・「変態小屋」の話
・「天国病院」のナースの話
・「天国病院」のおばあちゃんの話

上表の3つの怪談は、同じようで2つのグループに分けられるのだ。

■生まれ変わり:後から生まれてきた人に取り憑く
①「変態小屋」
・涼子が死ぬ→その後に、娘(ゆか)が生まれる
②「天国病院」のおばあちゃんの話
・おばあちゃんが死ぬ→その後に、娘の子どもが生まれる

■乗り移り:すでに生きている人に取り憑く
③「天国病院」のナースの話
・新人ナースが死ぬ前から、すでに患者は生きている
※新人ナースが死んだ後に、患者が生まれた訳ではない


「生まれ変わり」の方は、「異人」と「取り憑かれた人」は、同時には生きていない。

異人が死ぬ→その後生まれてくる→そして取り憑かれる、の順番なのだ。

「六部殺し」もこのパターンで、
六部が死ぬ→その後子どもが生まれてくる→子どもが六部に取り憑かれる、という構成になっている。


しかし、「乗り移り」のほうは、
「異人」と「取り憑かれた人」が、同時に生きている。


ここが「六部殺し」とはズレるポイントだ。
先ほどの表に、グループ分けを付け加えよう。


『穢れた聖地巡礼について』を元に筆者が作成。
表内のページは、本書の引用箇所。



これが意味するところは・・・?


なぜ、著者の背筋さんは、あえて「ナースの話」だけ「乗り移り」のストーリーで描いたんだろう?


考察は後段に譲り、3つ目のキーワードの紹介に移ろう。


◆キーワード(3):2人の「鈴木優子」


チャンイケには、大学生の頃に好きな人がいた。

鈴木優子。チャンイケと同じ大学の学生だ。
学科が違う2人だが、一般教養の授業がきっかけで、つながりが生まれる。
ある日チャンイケは彼女に告白するが、意味深なことを言われて振られてしまう。


「俺が好きって気づいてなかったの?」
「気づいてたよ。でも、私のことを好きだったわけじゃなかったでしょ」「どういうこと?」
・・・(中略)・・・
「私ね、池田くんのこと、ずっと見てた。池田くんの中身を。でも、ずっと空っぽ。だから、思ったの。ああ、池田くん不安なんだろうなあって。きっと、なにかで中身を埋めたくて仕方ないんだろうなあって」

『穢れた聖地巡礼について』p161
太字は筆者が加筆。


その後、チャンイケは「カナエさん」——「こっくりさん」のようなおまじない——で、彼女のことを呪う。


「俺には本当に才能がないですか?」
『はい』
「どうして俺には才能がないんですか?」
『か ら つ ぽ』
瞬間、頭が熱くなる。
・・・(中略)・・・
「カナエさん、俺に才能がないって思ってる人間を殺してくれますか?」

『穢れた聖地巡礼について』p167


しばらくして、彼女は大学に来なくなった。
そして、「鈴木優子」がひき逃げで亡くなった、とのニュースが。


(前略)
警察官が駆けつけると、帰宅途中だった○○市の大学生・鈴木優子さん(21)が倒れているのが見つかり、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。
県警によると、現場の状況などから横断歩道を通行中の鈴木さんが轢き逃げされたとみて、操作しています。

『穢れた聖地巡礼について』p170-171


自分が「カナエさん」で呪いをかけたせいで、彼女は死んでしまった——?
そんな「事実」を否定したい一心で、幽霊の存在を否定したい一心で、彼は心霊スポット突撃Youtuber「チャンイケ」となったのだった。


・・・


しかし、物語の最後で、鈴木優子が実は生きていたと明かされる。
あの時のニュースで報道されていたのは、同姓同名の、別の「鈴木優子さん」だったのだ。


「優子、生きてたんです」
「え?」
「は?」
「(前略)ネットで事故の記事を読んで、勝手に優子が死んだと思ってたんですけど、同姓同名の人でした

『穢れた聖地巡礼について』p275
太字は筆者が加筆。


そしてこの後——本記事で考察する場面だ——、チャンイケにかかってきた、いたずら電話の話題になる。


「優子が生きてたのに、僕はずっと何に怯えてたんだろうって」
・・・(中略)・・・
「いっそ、本当に死んでたら」
「おいおいおい。急にどうした」
「あんなやつ、死ねばいいのに」
「ちょっと、冗談やめてや」
「なんてね。うそうそ。冗談ですよ」
「やめてくれよ……」
「そういえば、昨日、また電話がかかってきました」
・・・(中略)・・・
「相手が言ったのは、『こんな晩』じゃなかったんです」
「え?」
『あなたの番』って——」

『穢れた聖地巡礼について』p277-278
太字は筆者が加筆


「あんなやつ、死ねばいいのに」
一瞬「なにか」に取り憑かれたかのようなチャンイケの言動に、ゾッとした。


・・・


と、長々とあらすじを追ってきたが、
ここで話しておきたかったのは、

・「鈴木優子」は2人いる
・チャンイケの同級生の「鈴木優子」は、実は生きていた

と言うことだ。


さて、キーワードの紹介が終わったところで、
ここまでのまとめをしておこう。


本題の考察に入るにあたって、以下を覚えておいていただきたい。


【まとめ】
①「六部殺し」のあらすじ
・Aが、Bから、「自分が持ちえないもの」を奪う
・Bが死ぬ
・Bが、Aの身近な人に輪廻転生して、「こんな晩に・・・」と言おうとする

②「変態小屋」「天国病院」の怪談は、大筋「六部殺し」のストーリーに沿っている

③ただし、「天国病院」のナースの話だけ、死んだ人が、生まれてきた人に「生まれ変わった」のではなく、元から生きていた人に「乗り移った」

④「鈴木優子」は2人いて、事故で死んだのは「同姓同名の鈴木優子さん」で、チャンイケの同級生の「鈴木優子」は生きていた


さあ、いよいよ考察に入ろう。


◆考察|「あなたの番」の正体は?


冒頭でも話した通り、私の推測の結論は以下である。

【結論】
・電話の正体は、「チャンイケの同級生の、鈴木優子」
・ただし、彼女には、「敬一と付き合っていた、同姓同名の、鈴木優子」が乗り移っていた

では、こう考える根拠はなんだろうか?

詳細な説明の前に、その概要を列挙しよう。

※ここで、「鈴木優子」の名前の女性が2人出てきてややこしいので、こう呼び分ける。

「優子」→チャンイケの同級生
「同姓同名の鈴木優子」→ひき逃げで死んだ、同姓同名の、鈴木優子


まず、結論が成り立つためには、
下記の仮説が正しい、と言える必要がある。

【仮説】
◆敬一の元カノの、トラックに轢かれて死んだ女性(名前の描写なし)は、「同姓同名の鈴木優子」である
◆死んだ「同姓同名の鈴木優子」が、「優子」に乗り移った


——つまり、こういう関係性になっている、と考えるのだ。

A=「優子」(まだ生きている)
B=「同姓同名の鈴木優子」(ひき逃げで死んだ)
C=「敬一の元カノ」(トラックに轢かれて死んだ)

・BとCは、実は同一人物
・で、B(=C)が死んで、Aに乗り移った



いちおう、この仮説はただの「当てずっぽう」というわけではない。
上記を裏付ける描写が、作中にあるのだ。(該当箇所は後段で引用。)

【仮説を裏付ける描写】
◆敬一の元カノは、「トラック」に轢かれて死んだ
◆「同姓同名の鈴木優子」は、ひき逃げ(=車)で轢かれて死んだ
◆トラックに轢かれて死んだ女性と、「優子」は、「泥団子」という要素が共通している
・敬一の元カノの女性がトラックに轢かれた際、輪廻転生を思わせる描写がある。また、その中に、「泥団子」をこねる描写がある。(p226)
・「優子」は美大の彫刻科の所属で、「塑造」(粘土などの柔らかい素材をこねて形をつくり出す技法)で人間を作る描写がある。(p158-159)


では、該当箇所を見てみよう。


仮説の裏付け
①敬一の元カノが輪廻転生すると思しきシーン


あの夜、トラックが私の身体をつぶした。
・・・(中略)・・・
土埃は苦かったけれど、私は生まれ変わることにした。お母さんのなかから。お母さんは痛い痛いとうるさかった。でも、泥団子だって、ずっと磨けばピカピカピカピカピカになる。・・・(後略)

『穢れた聖地巡礼について』p226
太字は筆者が加筆。



もう、どれだけ歩いたのかもわからない。・・・(中略)・・・そうしていたら、見つけた。憎しみにまみれた、愚かな人間を。終わらせなくて済むように、その人に声をかけたんだよ。次はあなたの番って。死ねばいいのにって思ってもらえるように。助けてあげられるように・・・(中略)・・・いつかまた生まれるそのときまで。あの敬一の子どもとして。

『穢れた聖地巡礼について』p228
太字は筆者が加筆。


——ここ、本書の中でも超!超!超!重要な箇所だと思っている。

キーワードが続々と登場するからだ。

・生まれ変わる
・泥団子
・あなたの番
・死ねばいいのに


この敬一の元カノ、名前が描かれていない。
ただ、トラックに轢かれて死んだことから、「同姓同名の鈴木優子」では?——との推測が立てられる。


A=「優子」(まだ生きている)
B=「同姓同名の鈴木優子」(ひき逃げで死んだ)
C=「敬一の元カノ」(トラックに轢かれて死んだ)

・BとCは、実は同一人物  ◀︎ココ!
・で、B(=C)が死んで、Aに乗り移った


では、この女性が「優子」に乗り移った、と推測できるのはなぜだろう?
根拠となる箇所を見てみよう。


仮説の裏付け
②敬一の元カノと「優子」の共通点


もう一度、敬一の元カノがトラックに轢かれたシーンを見てみよう。

あの夜、トラックが私の身体をつぶした。
・・・(中略)・・・
土埃は苦かったけれど、私は生まれ変わることにした。お母さんのなかから。お母さんは痛い痛いとうるさかった。でも、泥団子だって、ずっと磨けばピカピカピカピカピカになる。・・・(後略)

『穢れた聖地巡礼について』p226
太字は筆者が加筆。

ここでなぜか泥団子が描かれる。

思い出してほしい。「優子」は美大の中でも彫刻科に所属している。
チャンイケの「からっぽ」事件(!?)のキッカケとなったシーンを引用する。

優子が池田に見せたのは塑造を用いた自由課題。彫刻科のなかでも、粘土などを用いて形を作り出す工房に彼女は所属していた。以前、一度「なぜ、塑造なのか」と聞いたことがある。そのときも彼女は歌うように「こねて造るのが表現しやすいから」と答えた。

『穢れた聖地巡礼について』p158
太字は筆者が加筆。

「深層」というテーマで作られたそれは、溶けた人の胸像に見えた。
「これ、友達がモデル。この子の中身なの」
・・・(中略)・・・
「俺もの作ってよ」
・・・(中略)・・・
「うーん。無理かも」・・・(中略)・・・「空っぽだから」・・・(中略)・・・「私ね、人間の中身を表現したいの
池田になのか、自分になのかわからないトーンで話す。

『穢れた聖地巡礼について』p158-159
太字は筆者が加筆。


泥団子と粘土、「こねて造る」、「人間の中身を表現したい」——


偶然の一致かもしれないが、敬一の元カノと「優子」は、「泥団子(粘土)」の共通項があるのだ。


さらに。

敬一の元カノがトラックに轢かれたシーンで、重要なことを言っている。


(前略)・・・そうしていたら、見つけた。憎しみにまみれた、愚かな人間を。終わらせなくて済むように、その人に声をかけたんだよ。次はあなたの番って。死ねばいいのにって思ってもらえるように。・・・(後略)

『穢れた聖地巡礼について』p228
太字は筆者が加筆。


——繋がっただろうか?
そう。物語の最後のシーンだ。



「優子が生きてたのに、僕はずっと何に怯えてたんだろうって」
・・・(中略)・・・
あんなやつ、死ねばいいのに
・・・(中略)・・・
「そういえば、昨日、また電話がかかってきました」
・・・(中略)・・・
「相手が言ったのは、『こんな晩』じゃなかったんです」
「え?」
『あなたの番』って——」

『穢れた聖地巡礼について』p277-278
太字は筆者が加筆


「あなたの番」「死ねばいいのに」の2つのワード。
これらが、敬一の元カノとチャンイケ、そして「いたずら電話の正体」を結びつけるのだ。


このことから、敬一の元カノ(=同姓同名の鈴木優子)が、「優子」に乗り移ったのでは?と推測できるわけだ。


A=「優子」(まだ生きている)
B=「同姓同名の鈴木優子」(ひき逃げで死んだ)
C=「敬一の元カノ」(トラックに轢かれて死んだ)

・BとCは、実は同一人物
・で、B(=C)が死んで、Aに乗り移った  ◀︎ココ!


——以上で、仮説の裏付けを終わりとする。


以上を踏まえて、私は以下の「仮説」が正しいのでは?と考える。

【仮説】
◆敬一の元カノの、トラックに轢かれて死んだ女性(名前の描写なし)は、「同姓同名の鈴木優子」である
◆死んだ「同姓同名の鈴木優子」が、「優子」に乗り移った

で、この仮説が正しいならば、冒頭に示した結論も正しいと言えそうだ
——というわけだ。


【結論】
・電話の正体は、「チャンイケの同級生の、鈴木優子」
・ただし、彼女には、「敬一と付き合っていた、同姓同名の、鈴木優子」が乗り移っていた



以上で、「『あなたの番』のいたずら電話の正体は?」の考察を終わりとする。


ここからは、上記の考察をより補強する材料として、敬一とその元カノ(=同姓同名の鈴木優子)、そして「優子」の関係が、「六部殺し」のストーリーに沿っているのかを確認したい。


◆考察の補強|「六部殺し」とのつながり——敬一とその元カノ、そして「優子」


まず、私は上記の考察が絶対正しい!なんて思っていない。
きっと様々な反論があるだろう。

その中でも、予想される反論を挙げてみる。

「優子」が、"輪廻転生"に関わってる根拠が薄いんじゃない?」


——確かに。
私が上記であげた根拠は、あくまで「状況証拠」に過ぎないのだ。
おさらいを兼ねて再掲する。

【仮説を裏付ける描写】
◆敬一の元カノは、「トラック」に轢かれて死んだ
◆「同姓同名の鈴木優子」は、ひき逃げ(=車)で轢かれて死んだ
◆トラックに轢かれて死んだ女性と、「優子」は、「泥団子」という要素が共通している
・敬一の元カノの女性がトラックに轢かれた際、輪廻転生を思わせる描写がある。また、その中に、「泥団子」をこねる描写がある。(p226)
・「優子」は美大の彫刻科の所属で、「塑造」(粘土などの柔らかい素材をこねて形をつくり出す技法)で人間を作る描写がある。(p158-159)


・敬一の元カノと「同姓同名の鈴木優子」は、「車に轢かれた」が共通している
・敬一の元カノと「優子」は、「泥団子(粘土)」が共通している


のように、あくまで「共通点」があるに過ぎない。
ズバリ「この人とこの人が同一人物ですよ〜」のように、本書に記述があるわけではない以上、推測の域を出ない。


しかし、その「推測」を可能な限り補強しようと試みたいのだ。

その一助となるのが、「六部殺し」だ。


考察の前に、こんな表で「六部殺し」と「変態小屋」「天国病院」の怪談を整理した。



『穢れた聖地巡礼について』を元に筆者が作成。
表内のページは、本書の引用箇所。


この表に、上記の考察を付け加えるのだ。
つまり、敬一とその元カノ、「優子」のエピソードを付け加えてみると、こんな感じになる。


穢れた聖地巡礼について』を元に筆者が作成。
表内のページは、本書の引用箇所。


——どうだろうか?

「輪廻ラブホ」で、敬一が誰かの生まれ変わりであるような描写がある。
(誰の、かは不明。表内でも「?」と記載している)


「あのさ、多分もう帰ってこないから聞くんだけど、俺、あんたたちになにかしたか?」
・・・(中略)・・・
背を向けたとき、母が小さな声で言った。「あなた、憶えてるんでしょ?」父が慌てたようにたしなめる。「おい」
俺は振り返った。「なに?なんのこと?」
母は無表情で言った。「あのとき言ったこと。私たちのこと、責めてるんでしょ?
「だから、なんのことだよ?」

『穢れた聖地巡礼について』p190-191
太字は筆者が加筆。


敬一が「あのとき言ったこと」を、敬一自身は覚えていない。
それは「誰か」に乗り移られて、「こんな晩に・・・」と口にする、「六部殺し」のストーリーと一致している。


そして、その敬一自身は、「親の愛情」という「自分が持ちえないもの」を手に入れたくて、執拗に元カノに執着する。

両親が自分を愛してくれない。それは、家族仲がいい私〔=敬一の元カノ〕にとって、想像もできない話だった。

『穢れた聖地巡礼について』p221
太字、〔〕内は筆者が加筆。


「結婚、してくれ。家族になってくれ」
そのとき、私は気づいてしまった。この人をこんな風にしてしまったのは私かもしれないと。きっと、彼は愛に飢えていたのだろう。・・・(後略)

『穢れた聖地巡礼について』p222
太字は筆者が加筆。


そして、「自分が持ちえないもの」を奪うために、敬一は彼女を呪ってしまう。

見事に?呪われた彼女は、トラックに轢かれて死んでしまう。
そして、「私は生まれ変わることにした(p226)」と決意するのだ。

——これは、「六部殺し」のストーリーと一致している。


さらにいうと、チャンイケと「優子」の関係もまた、「六部殺し」と一致するのだ。

「自分が持ちえない」もの——才能——を手に入れたくて、チャンイケは「優子」を呪ってしまう。


「カナエさん、俺に才能がないって思ってる人間を殺してくれますか?」

『穢れた聖地巡礼について』p167


結果的に「優子」は死ななかったものの、
「優子」に別の人間——敬一の元カノ=同姓同名の鈴木優子——が乗り移ってしまうのだ。


このように、
敬一、敬一と元カノ、「優子」は、みな「六部殺し」と同じエピソードとして描かれている。


この事実が、「状況証拠」に加えて、「優子に敬一の元カノが乗り移った説」を補強している、と私は思うのである。



——以上で、私の考察を終わりにする。


最後に、上記の私の考察の「穴」を最後に示そうと思う。
その「穴」を除くことで、他の考察の余地がないかを考えてみたい。


◆考察の穴|「泥団子」の共通点


以下の「結論」を示すべく、私は「仮説を裏付ける描写」を紹介した。

【仮説】
◆敬一の元カノの、トラックに轢かれて死んだ女性(名前の描写なし)は、「同姓同名の鈴木優子」である
◆死んだ「同姓同名の鈴木優子」が、「優子」に乗り移った


【仮説を裏付ける描写】
◆敬一の元カノは、「トラック」に轢かれて死んだ
◆「同姓同名の鈴木優子」は、ひき逃げ(=車)で轢かれて死んだ
◆トラックに轢かれて死んだ女性と、「優子」は、「泥団子」という要素が共通している
・敬一の元カノの女性がトラックに轢かれた際、輪廻転生を思わせる描写がある。また、その中に、「泥団子」をこねる描写がある。(p226)
・「優子」は美大の彫刻科の所属で、「塑造」(粘土などの柔らかい素材をこねて形をつくり出す技法)で人間を作る描写がある。(p158-159)


この「泥団子」の件だが、
実は——自分で主張しておいてなんだけど——論理が破綻している。


というのも、時系列がおかしいのだ。


本当に、敬一の元カノが「優子」に乗り移っていた、と仮定しよう。


そうすると、「優子」に「敬一の元カノ」の要素が現れる(乗り移られる)のは、「敬一の元カノ」が死んでから、じゃないとおかしい。


しかし、私の考察だと、
どうやっても、敬一の元カノが乗り移る「前」から、優子が「泥団子(粘土)」の要素を持っている、ことになってしまうのだ。


筆者の考察を基に、優子、敬一の元カノの行動を時系列で整理。


——これが私の考察の「穴」である。



導きたい結論を変えずに、この「穴」を矛盾なく説明するために・・・
次の2つの可能性を考えてみたい。

【泥団子の関連を無視する場合】
①優子が「泥団子」の要素を持っているのは「偶然」で、敬一の元カノの乗り移りとは全く関係がない。

→上記表の時系列のままで問題ない。

【泥団子の関連を元のまま使う場合】
②敬一の元カノと「同姓同名の鈴木優子」は、同一人物ではなく別人で、敬一の元カノは優子が生まれる前に、とっくに死んでいた
で、敬一の元カノが、優子に「生まれ変わった」。

→上記表の時系列が変わる。


詳細は後述するが、作中の描写から考えると、②はあり得ないのだ。

その理由も併せて、①と②をそれぞれ見てみよう。

①優子が「泥団子」の要素を持っているのは「偶然」で、敬一の元カノの乗り移りとは全く関係がない。


これはあり得ると思う。
言い換えると、こう言える。

・「優子」が塑造をやっているのは、敬一の元カノが乗り移ったからではない。(因果関係はない)


優子は「たまたま」塑造をやっていただけだ、と考えれば、辻褄は合う。


②敬一の元カノと「同姓同名の鈴木優子」は、同一人物ではなく別人で、敬一の元カノは優子が生まれる前に、とっくに死んでいた


こちらは少しややこしい。

元々の考察では、優子、同姓同名の鈴木優子、敬一の元カノを、次のように整理していた。

・同姓同名の鈴木優子と、敬一の元カノは、同一人物
・で、敬一の元カノ(=同姓同名の鈴木優子)が、優子に乗り移った





が、ここで言おうとしているのは、別の可能性だ。

・同姓同名の鈴木優子と、敬一の元カノは、別人
・で、敬一の元カノが、優子に生まれ変わった

これも、あり得ない話ではない。

・敬一の元カノは、優子(や、同姓同名の鈴木優子)が生まれる前に、すでに死んでいた

と考えれば、辻褄が合うのだ。


時系列で表現すると、こんな関係になる。


実は、敬一の元カノのエピソードは、いつの時代の話か書かれていない。
ので、チャンイケや優子が生きている「今」の話ではなく、もっと昔の話なのだ!と解釈することができる。

では、敬一の元カノが生きていた時代は、いつなのだろう?

作中の描写から、以下のことがわかる。

・敬一の元カノが、スマホやLINEを使っている(死んだのは大学生の時)
→敬一の元カノが大学生時点で、すでにスマホやLINEがあった

(ちなみに、LINEの日本でのサービス開始は2011年らしい)

・チャンイケが、「令和元年の・・・」と書かれた記事を読んでいる
→作中で描かれている「今」は、少なくとも令和元年以降である


該当の描写を引用しよう。

その晩はスマホがずっと鳴り止まなかった。おびただしい数の着信履歴が残っていた。そして、LINEも。

『穢れた聖地巡礼について』p222
太字は筆者が加筆。


「宇都宮の幼児置き去り事件って覚えてる?」
・・・(中略)・・・
「(前略)・・・ほら、この記事読んでみて
・・・(中略)・・・

※※※※※
『宇都宮幼児置き去り事件 鬼畜の所業の裏に隠された、”もう一人の被害者”』
(前略)・・・令和元年の児童相談所における児童虐待相談対応件数は193,780件、・・・(後述)

では、チャンイケは今何歳くらいなんだろう?
それが分かれば、彼と同級生だった、優子、同姓同名の鈴木優子の年齢もわかる。

チャンイケの経歴を作中の描写からまとめると、こんな感じになる。

※なお、浪人とか留年とか、作中で描かれていない年齢のズレは、推測できないため考慮しない。

・美大で2年生の時、優子に出会う(20歳)
・3年生のとき、優子を「カナエさん」で呪う。(21歳)
・美大を卒業後、一般企業に入社(23歳)
・数年後、会社を辞めて、Youtuberに転身(2X歳?)
・作中の「今」に至る(2X歳?)



以上から、敬一の元カノとチャンイケ(と、チャンイケと同い年の優子)の生きていた時代を整理してみよう。

結論、

・チャンイケと優子は、「敬一の元カノが死ぬより前に、既に生まれている」
・だから、「優子=敬一の元カノの生まれ変わり説」はあり得ない
・つまり、「優子=敬一の元カノの乗り移り説」が濃厚になる

ことがわかるのだ。

図で表すとこんな感じ。





では、詳細を順を追って説明しよう。

①:敬一の元カノは、死ぬ直前にLINEを使っていた
②:LINEの日本でのサービス開始は、2011年
③:①②より、敬一の元カノが死んだのは、必ず2011年より後
④:作中の「今(2024年と仮定)」で、チャンイケは20代後半〜30代前半
⑤:④から逆算すると、チャンイケが生まれたのは1990年代と推測される
⑥:③⑤より、チャンイケは、敬一の元カノが死ぬより、前に生まれている
⑦:優子は、チャンイケと同級生である
⑧:⑥⑦より、優子は、敬一の元カノが死ぬより、前に生まれている
⑨:⑧より、「優子=敬一の元カノの生まれ変わり」はあり得ない

——以上より、「②敬一の元カノと「同姓同名の鈴木優子」は、同一人物ではなく別人で、敬一の元カノは優子が生まれる前に、とっくに死んでいた」の説はあり得ないことがわかった。


つまり、優子の「泥団子」の要素を矛盾なく説明するには、
優子が「泥団子」の要素を持っているのは「偶然」で、敬一の元カノの乗り移りとは全く関係がない。」
と考えるのが妥当だ、ということだ。

⭕️①優子が「泥団子」の要素を持っているのは「偶然」で、敬一の元カノの乗り移りとは全く関係がない。

②敬一の元カノと「同姓同名の鈴木優子」は、同一人物ではなく別人で、敬一の元カノは優子が生まれる前に、とっくに死んでいた
で、敬一の元カノが、優子に「生まれ変わった」。




◆余談|「天国病院」に、なぜ「乗り移り」の話を入れたのか?


本筋には関係しないかもしれないが、余談をば。

上述したが、「天国病院」のナースの話は、「生まれ変わり」ではなく、「乗り移り」のパターンだった。

これは、本書の怪談のモデルとなっている「六部殺し」のテンプレと異なる。

「六部殺し」は「生まれ変わり」のパターンなのだから。


『穢れた聖地巡礼について』を元に筆者が作成。
表内のページは、本書の引用箇所。


ここでこんな疑問が湧いてくる。

なぜ、あえて「乗り移り」の話を入れたのだろうか?


メタ的な話を挟むと、
別に、「ナースの話」だって、「生まれ変わり」の話として、描くことだってできたはずだ。

それなのに、なぜ著者は、「六部殺し」とは異なる「乗り移り」の要素を入れたのだろうか?


ここからは私の推測だが、
ココ、本作の結末に大きく関わっているのでは?と思うのだ。


もし、上記の怪談が、全て「生まれ変わり」のストーリーだったら、どうだろう?

敬一の元カノ→優子への乗り移りは、どう映るだろうか?


読者が小林みたいな(!?)人だったら、それこそ「いや、それは怪談じゃなくて・・」と、もっともらしい「理屈」を考えてしまいそうだ。

「XXXって説明がつく。故に幽霊なんていない!」と。


それを防ぐために、——つまり、「マジの乗り移りだぜ」と強調したいがために——、天国病院で「乗り移り」の話を入れたんじゃないだろうか?



まとめるとこんな感じ。


・もし全て「生まれ変わり」の怪談だったら、敬一の元カノ→優子への「乗り移り」が説明できない。小林の発言のように「でっちあげ怪談」と片づけられてしまうかもしれない。
・それを否定するため=つまり、「マジの怪談だぜ」って示したくて、あえてこの「乗り移り」のストーリーを入れたのでは?

——メタ的な話なので、本筋には関係ないが、ありそうな話ではなかろうか。


◆残された問い


最後に。
余力が生まれた時に考えたい、「残された問い」を記しておく。

・「カナエさん」の意味
→ただの挿話?それとも何か伏線がある?

・敬一は、誰の生まれ変わりor乗り移りなのか?
→「誰」が生まれ変わってor乗り移って「あのとき言ったこと」(p191)を言ったのか?(敬一は輪廻転生のスタートではない?あくまで途中?)


・「聖地」とはどこか?
・「穢れた聖地巡礼」をしたのは誰か?


あと、





































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