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鬱、歯が磨けなかった。

『毎日きちんと歯磨きしようね』

私には、
そんな当たり前のことすら
出来なかった時期がある。


当時15歳。
家にも、学校にも、はたまた世界のどこにも
私には居場所が無い と
絶望して、自死未遂をし、
精神を病み、鬱病になった時だった。

ご飯を食べることも、お風呂に入ることも。
そして歯を磨くことも出来なくなった。
誰も私の事なんて見てないから、
服も、髪もどうでもよかった。

精神科に通い始めるまでの約2年間、
ほぼ自分の身の回りの世話を放棄したツケは
2つ歳を取った頃から、ハタチになるまで
『虫歯治療』という形になって
私の身に降り掛かってきた。

『表面は一見綺麗だけど、
中はほとんどボロボロです。
すぐに治療しましょう。』

歯医者にかけられた言葉を聞いて
『今の私みたいじゃん』って
笑ってしまったのを今でも思い出す。


今は大口開けて笑った時に
ギラリと見える私の銀歯が少しだけ嫌い。

そして大人になった私は
歯磨きを初め、身の回りの世話が自分で出来なくなってきた時、
『うつのサイン』だよ
ということを頭の念頭に置き


逆に
『鬱にならないように、歯だけ磨いとこう』と
自分のケアを頑張っている。

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