連載童話「桜と一粒の砂」(第二話 大空へ)
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草原に咲く、クローバーの花たちの話を聴いているうちに、いつのまにか私の眼は鳥の目と成って、大空へと飛び立ってゆきました。
大空を飛ぶ、私の瞳には、海岸へと流れ込む川の流れがキラキラと光って映っていたのです・・・。
鳥となった私は、翼を羽ばたかせ川を遡りました・・・。
どれくらい飛び続けたでしょうか。
広かった川幅は徐々に狭くなり、水の流れも心もち速くなってきたのです。
更に、私は飛び続けました。
すると、やがて川は渓流へと姿を変えてゆきました・・・。
羽ばたくのに疲労を感じて、もう、どれくらい飛んだのかさえ、分からなくなりかけた頃のことです・・・。
私の瞳に、美しい桜の木が、映し出されたのでした。
きっとこの木が、クローバーたちの話していた桜の木であるはずだと直ぐに私には分かりました。
私は、その木を目がけて急降下して、桜の木の側に降り立ったのです。
私は、木に近寄り見上げました。
渓流のふちに立つ、その桜の木は。
こんな山奥に咲くには、相応しくないと思えるほどの気品と優美さを合わせ持った美しい桜の木でした。
私は、疲れた翼を休めるために、桜の木の枝に止まると、そっと目を閉じたのでした。
すると、そこに現れたのは・・・。
「桜と一粒の砂」第二話 おわり
次回 「桜と一粒の砂」第三話へつづく
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使用画像 イラストAC 写真ACより
2023.5.21 5.21加筆 5.30加筆 6.25加筆修正 7.7加筆修正 7.8加筆修正 11.4修正
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