昭和っぽい情景の絵「思い出の中の夏」
アクリル画
「詩・思い出の中の夏」
夏休み
麦わら帽子は
僕の友
「エッセー・思い出の中の夏(帽子)」
僕が子供のころ、
夏休みになるとよく言われたことがあった。
それは、
「カクランになるから、
外に出る時には帽子をかぶるんだよ」
と。
しかし、
僕は、帽子をかぶるのが、あまり好きではなかった。
その頃の僕は、
それを言われるたびに、心の中ではこんな事を思っていたのだった。
「えー、嫌だなー。
だって、帽子をかぶると中が蒸れて、
かえって頭が熱くなるんだよな~」
と。
ところがである。
まるで草原のように、フサフサとにぎやかだった僕の頭髪が。
ある時から寂しくなり、まるでサハラやゴビのように
徐々に、頭髪の砂漠化が始まったのだった。
それは、まずオデコが少しづつ後退してゆく事から始まった。
オデコが後退する分には、僕は何とも思わなかった。
しかし、ある時のことである。
僕は、頭頂部が砂漠化している事を発見したのだった。
それを綺麗に表現すれば。
それはまるで、
ススキの向こうに、朧に見える満月のようなものであった。
これは、川口浩探検隊が人跡未踏のはずの洞窟に入る時に、
すでにカメラマンが洞窟の中に先に入っていて。
あとから、洞窟に入って来る川口隊長を映している事ぐらい
歴史に残る(僕の)大発見でもあった。
しかし、この頭頂部の砂漠化は、僕にそうとうなショックを与えた。
それは何故か。
だって、頭頂部のハゲはカッコ悪いからである。
僕の身長は、大体170センチちょいだから、普通にしている分には
大概は頭頂部の砂漠を気にする事はない。
だが、何かの拍子で
頭頂部を人に向ける事があった場合や。
高身長の人に見下ろされた場合には、
僕の頭頂部が人様に丸見えになってしまうのだ。
以前「このハゲーーーーー!」と、
ある政治家の女性が、秘書に罵りの言葉を浴びせてながら、
暴力をふるっていた事が話題になったことがあったが。
「フフフ、頭頂部が砂漠化しているな」
或いは「あら、カワイイお月様ね」と
思ってくれるならまだしも。
「このハゲーーーーー!」と思われたりするのは、
やはりとても耐えがたい。
だからその頃を境に僕は、昔は嫌だった帽子を
かぶるようになったのだった。
いや、帽子をかぶると言っても貧乏暮らし故に、
高級な帽子をかぶるわけではない。
ほとんどが、ダイソーの帽子なのである。
しかし、
ダイソーで売っている製品だからと言って
バカには出来ないのである。
やはり、それなりの安かろう悪かろうの品物も
あるにはあるが。
だが、なかには一般の店で売っている同様な製品よりも、
品質の良い物だってあるのだ。
そのように、
玉石混合のなかから、キラリと光るハゲのように。
いや、間違えた。
キラリと光る宝石のような商品を探すのも、
なかなか捨てたものでは無いと考えている・・・。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
投げ銭や、サポートなど頂けますと大変に助かります。
頂いた、投げ銭や、サポートは高齢の母親との生活費や
老猫の治療費などに充てます<(_ _)>。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
うれしいお知らせを頂けました。
皆さまがスキしてくださった御かげです、
ありがとうゴザイマス(#^.^#)。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
2021.10.25