マガジンのカバー画像

透明な水底の夢

12
詩集 ❘ 十代の透明な悲しみの断片
運営しているクリエイター

#恋愛

片思いの権利 

片思いの権利 

神様にお願いをする
私の ”好き” を奪わないでください

告げられなくてもいい
届けられなくたっていい
添い遂げられるなんて、思っていない

ただ、今はあの人を好きでいさせてください

神様、お願いです
私の好きを奪わないでください

友情と同情と、その名を隠した感情と

友情と同情と、その名を隠した感情と

心を半分、あのこにあげた
問題をきいて、解決するために

時間も半分、あのこにあげた
悩みをきいて、慰めるために

「だって、親友だもの」という、それは大変に便利な隠れみのだった
実際、親友だったのだから、それはしごく当然なことだった

あのこは、左にいけば問題は解決するというところを
どうしても、右を選んでしまう
わかっていても、いつも右を選んでしまう

――つまるところ、私は肩入れをしすぎたの

もっとみる
十代の真実/ サイドB

十代の真実/ サイドB

私たちの恋は死に
私たちの心は死に
私たちは死んだ

心が痛くて耐えられなかったから
心の痛みをどこかに移植したくて、そして結果的に、私たちは死んだ

心が流した見えない涙は、あふれ、たまり、流れ、
一つの大きな泉をつくった
私たちは、そこに棲む

私たちの悲しみは終わらない

十代の真実/ サイドA

十代の真実/ サイドA

私は死んだ
私たちは死んだ

私たちは恋をしていた
自分の全てを捧げてしまうほどの、大きくて熱い恋

その恋は、叶わなかった
私たちの恋は、叶わなかった

私たちの恋は死に
そして、私たちの一部も死んだ

私たちの心が流した涙は、あふれ、たまり、流れ、
一つの大きな泉をつくった
死んでしまった心のカケラは、そこに棲む

私たちは生きている
生きて人生を進めている

それでも、私たちの悲しみは終わら

もっとみる