
マネージャーに必要なのは、"伝える力"と"聴く力"
今年1月にマネージャーに昇格してから気づいたことがある。それは”自分の能力が昇格を境に向上したわけではないのに、周りから期待される役割が変わったこと”である。何を当たり前のことを言っているんだ?と思われた方もいると思うが、実際そうなのである。
例えば、上司からすれば、私が自分で決断する範囲を広げたり提案の質を良くしたりチーム内での言動・行動をポジティブにしてチーム力を向上させてほしいと思うはずだ。メンバーからすれば、明確な指示をしてほしいしモチベーションを高めさせてほしいし正しい評価をしてほしいと思うはずだ。
ただ、残念なことに、昇格したからといってすぐにはその期待に応えることはできないのだ。であれば、やることはひとつ。とにかくメンバーや上司の話を聞いて、そして自分の意見や思いを伝えていくしかない。それがマネージャーの役割なのだ。
とにかく周りの話を聞いて、一緒に解決策を考える。自分はこう思っている、こう考えていると自分の考えを伝えていくしかない。話を聞くということは、相手からすれば自分を尊重してくれていると感じるはずだ。適当に話を流す人や無視する人、会話しない人に対して尊敬することはないのだ。
自分が逆の立場なら、自分の話を聞いて意見をくれたり共感してくれる人を尊重するし尊敬する。自分の提案を聞いてくれるだけの人ではなく、自分の意見を聞いた上で改善案や同意見がほしいものだ。それがコミュニケーションなのだと思う。
ならば、自分がマネージャーになった以上、目の前の相手とコミュニケーションを取るしかないだろう。その基本が伝える力と聴く力なのだと思う。では、伝える力と聴く力をもう少し具体化していく。
伝える力とは相手が理解し納得して行動へ移したくなるような交流の仕方だと思っている。単に会話をすれば良いのではなく、相手が納得した上で自ら行動に移したくなるように伝えなければならない。そのためには、指示だけではなく背景や状況を伝える必要がある。さらに重要なことはより具体的に伝えることだ。そして最後に感情を込めること。
抽象的で機械的で単調な指示だけでは誰もついてこない。自分ならフルシカトだろう。
聴く力とは単に相手の言葉を耳で捉えることではなく、相手の考えや感情を深く理解し、信頼関係を築くことだと思っている。「聞く」と「聴く」の違いでもあるように相手に意識を向けられるか、姿勢の違いだと思う。基本的事項ではあるが相槌を打ったり共感を示したり身体を話し手に向けるなど当たり前だが大事な行動だと思う。
今回はマネージャーに大事なこととして伝える力と聴く力を挙げたが、このふたつの力は仕事以外でも使えるコミュニケーション力だと思う。自分を取り巻く環境を良くしたいのであれば、コミュニケーション力を磨くしかない。