週末レビュー8月4日: NY1週目Smorgasburg, Y Combinator, Qeens Night Market, その他感じたこと
今週からコロンビアビジネススクールに交換留学するためにNYに住み始めた。年末までこっちにいる予定。授業と並行して週末飲食店舗の一部スペースを借りる、あるいはSmorgasburg(全米最大の野外マーケット)で緑茶スタンド、Queens Night Market(Queens行政が行なっている野外マーケット)で串カツ屋もやる予定。これは修士論文のテーマで「国際展開に適している日本食ビジネスの食材とビジネスモデルの成功条件」を検証するデータをとる目的+小遣い稼ぎのために行う。あと今週からY CombinatorというStart Up Incubatorのプログラムに参加し始めた。以上の詳細を以下にまとめる:
Somorgasburg
今週の火曜日にSmorgasburg(全米で最大規模のNYブルックリンにある野外飲食マーケット:https://www.smorgasburg.com/)に緑茶屋を出店するための審査会があった。一日2万人以上訪れる全米最大の野外マーケットなので競争が結構激しい。
ということで、審査を受けに行った。実は、昨年半年ほど、このイベントに実家がフランチャイズ展開している会社の海鮮丼で参加していて、めちゃくちゃ失敗だった。結果途中でサイドドリンクで売れていた緑茶に目をつけ最後の2ヶ月は緑茶屋になった。残りの2ヶ月でその前の4ヶ月の赤字をほとんど取り返すことができた。何より、魚とか酢飯の準備をしない事がどれだけ楽だったか。工数10分の1売上2倍原価3分の1という驚異的な数字から水商売の効率の良さを身をもって学んだ。
こういう背景から今回緑茶をさらにバージョンアップさせた形で出したいと思って応募をした。正確にいうと渋谷で外国人と若者向けにめちゃくちゃ流行っているお店をたまたま慶應MBAにいる若い女の子が教えてくれたのでそこのメニューと雰囲気づくりを徹底的に真似て挑んで見たいと思って審査会に参加。
本番はミスをしてしまった。今回作ったのは緑茶、緑茶ラテ、緑茶スムージの3本立ての中でスムージ。本来は抹茶パウダー大さじ2杯のところを焦っって1杯にしてしまい。試食をしてくれる人にほぼミルクシェイクと言ってもおかしくないものを出してしまった。ただ、こう言ったら本当に申し訳ないが、欧米の人は味音痴なので、かなり気に入ってくれた(見かけはめっちゃ気を使ってインスタ映えする感じで準備したので)。プラス、プレゼンをめっちゃ頑張ったおかげで感触はよかった。最後にお店のイメージをイラストレーターか何かで作って送ってくれと宿題をもらって終了。
イラストは昨日まで色々考えてやっと出来上がった。出来上がりを人に見てもらったら自分のオリジナリティが消えてしまうのでずっと誰にも相談せずイラストレータでお店のイメージを作った。出来上がったものを兄貴(15年以上飲食店一筋で現在17店舗を経営)に見てもらったら、改善点が出てきた。最初は無視しようと思っていたが、結局兄貴のアドバイスに従った。改めて他人の意見に流されやすいなぁとおもった。今後は本当に他人の意見が必要じゃない時以外は聞かないようにしたい。
Y Combinator
上の緑茶屋と並行して、Y Combinatorとシリコンバレーにあるインキュベーターが運営しているStart Up School(https://www.startupschool.org)と言うプログラムに参加し始めた。今週はこの10週にわたるプログラムの第1週目であった。ちなみにこれは世界中の誰もが無料に参加でき、筋がよければ引き抜かれるというもの。基本この10週の間にスタートアップのアイディアを考え評価し、ユーザインタビューをする。そして問題を明確化した後、その問題を解決するテスト商品を作る。そのテスト商品を繰り返し改善することでProduct Market Fitという、市場に本当に求められる商品を作り出すことを目標としている。その中で選ばれたベンチャーがシリコンバレーに招かれ、Y Combinatorで約3ヶ月のアドバイス、トレーニングを受ける。最終的には投資家にピッチをして資金調達、ベンチャーの開始と言う流れ。このプロセスの中で生まれた代表的なもので言うとエアービーアンドビーなど。個人的には世界最強のインキュベータだと思っている。
第1週目の授業の内容はHow to evaluate your idea(企業のアイディア評価)とHow to conduct user interview(ユーザへのインタビュー方法)だった。実は慶應でYCを真似たようなインキュベーションチックな授業を2つくらい履修したが、桁違いにYCの方がレベルが高かった。しかもこのプログラムは無料である。本当に正直言ってしまうと慶應MBAでアントレを教えてくれている方々は、YCの講師陣のように自分でスタートアップを作りIPOをした人はいない。結構偉そうに教える割にはIPOやビジネスを売却して成功した、あるいは大きな出資を受けて失敗をした経験がある人がいない。こう言うバックグラウンドの差からか、教えられる内容のレベルが変わってくるのはしょうがないと思う。初回の2講座で学んだことはなんというか純粋にまじりっけなしの本質の塊っていう授業でこんなものが無料で提供されて良いのかというくらいだった(慶應ではお金を払って授業を聞いているのでなおさら)。
1つ目の講座はアイディア評価について。その起業アイディアは本当に世の中にある問題を解決するのか。そしてその問題は以下の条件のうち少なくとも以下条件の1つあるいは複数を満たすものなのか:Popular, Growing, Urgent, Expensive, Mandatory, Frequent。そして、その問題を解決出来るのは自分の会社だけであると言うUnfair Advandage,言い換えると「自分の会社その問題を解決することに長けている理由」が何か。Founderがすごいのか、それともMarketの伸びが凄すぎてその領域でサービスを出すだけで成功するのか、Productがこの世に1つしかない技術を使っているのか、Aquisitionいわゆる会員を競合から買い占めるほどの資金力があるのか、Monopolyすでに圧倒的に市場を席巻するシェアと認知度を持っているのか。など、これの中のいずれかでもUnfair Advantageがなければその起業はやる価値がないと言う内容だった。
次にユーザインタビュー。ユーザインタビューは上にあげたアイディア出しと並行して行う。ユーザが抱える問題を正しく認識すること。その問題から解決策をユーザの声を聴きながら導き出すこと。これをうまくやるための手順を学んだ。ちょっと長くなりすぎるので端折るけれども、重要なポイントはその問題はユーザにとってお金をかけてでも解決したい問題なのかどうなのか判断すると言うこと。加えて、もし問題を解決するようなサービスが存在しないとしたら、今何かしらその不便から脱するために何かオリジナルな試みをしているか。このオリジナルな試みをしているかにたくさんのインタビューから得るべき本質的な情報が詰まっていると思う。なぜならまず自分でオリジナルな試みをする=かなり深刻な問題である。そしてそのオリジナルな試みこそイノベーションサービスの原型ある。これをひたすらヒアリングすると、サービスの原型が出来上がってくると言うことを学んだ。
アイディアの条件に照らし合わせて条件マッチした1つが日本の高齢者問題。その問題の中でもお坊さんと火葬場探しに関する問題。最近友人と高齢化問題について話をしていたら、驚くべき話を聞いた。友人のあばあちゃんは葬式を行う際に必要なお坊さんと火葬場が2週間まちだったため、おばあちゃんを自宅の部屋に2週間も置かないといけなかったようだ(真夏にクーラーをガンガンにして)。日本の高齢化の規模は今まで人類が経験してきた中で最大規模になると言われている。2060年までの間に日本ではおよそ3000〜4000万人(正確な数字ではない)の人口減があると言われていてそれが今後40年でなくなる人の数だと考えるととんでもない数になる。今の時点でお坊さんと火葬場が2週間待ちなら一体数十年後何ヶ月まちになるのだろうか。。。と言うことでユーザインタビューを初めて来週中に十人にはインタビューを行う予定である。せっかくアメリカにいるので、ジューイッシュ、イスラム、クリスチャンなど様々な宗教背景をもつ人たちがどのように葬式をハンドルしているかインタビューの幅を広めて見たいと思う。ちなみに昨日アメリカ人の友人から聞いて驚いたのはジューイッシュは何があっても必ず3日以内に死体を埋めないといけないらしい。日本にきたら終わるやん。。。もっと驚いたのは宗教問わず、ほとんどのアメリカ人は死体を火葬するのではなくそのまま箱に入れて埋める(そのまま箱の中で腐るらしい)と言う。とにかくNYのように狭い土地に置いては非常に場所をとって高いらしい。ここにもビジネスチャンスがあるな〜と思った。
Queens Night Market
土曜日にアメリカ人の友人とQueensにある夜の野外マーケットに出かけた。これは上に書いてあるSmorgasburgと似たようなイベント。Smorgasburgは会社がやっているが、Queens MarketはQueensの行政が運営していて、夜にやっている。Smorgasburgはどちらかというと中流階級以上向け、Queens Night Marketは中流階級以下向けで価格も6ドル以上のものは出しては行けない決まりになっている。めっちゃ楽しかったし、国がこういうNYCのマジョリティである中流階級向けの憩いの場を提供していることに感心した。本当はきっちり儲けてるんでしょうけど。自分は家族で貧乏を経験した事があるので、こういう所にくると心がホッとするというか。なんというか。結局一緒に行ったアメリカ人の友人からここで串カツやろうよ!と誘われた。なぜ串カツかというと、一度彼の家で串カツパーティをやってめっちゃくちゃ感動してくれた。結局せっかくなのでやってみようということになり、9月から始めるべく、速攻願書を出した。
その他感じたこと
先輩に進められて、「実験思考」光本勇介(著)を読んだ。この人はCASHと言うアプリを作って2ヶ月以内にDMMに70億で売却した人だ。注目したのは光本さんが今のポジションというか実力をもつまでに10年間このスタートアップという領域に時間とお金とその他全てを費やしてきたことだ。10000時間の法則だったか、心理学者のK.アンダース・エリクソン博士が提唱した話と重なった。10年やれば一流になるという話。自分はこの領域に足を踏み入れようとしている34歳。ブラジルでEC Platformの立ち上げを経験したけれども所詮サラリーマンなので、実際0年目選手。10年頑張ったら44歳。まぁ悪くないやん。頑張ろうと思う。
他にも色んなことがあったけれども、今週の振り返りはこれくらいで。多分1つ1つのトピックを長く書きすぎるので、書くのにやたら時間がかかる。。。来週からその辺は少し改善しようと思う。
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