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#4 特別だけど特別じゃない場所(代官山・渋谷)|写真とひとり散歩

前回の丸の内編では、コト消費として代官山T-SITEの話をした。
ということで、代官〜渋谷間をゆるっと歩いてきた。

今回のお供は、SIGMA fpだ。

東横線で代官山へ

電車の発車音がいつも魔法少女の変身BGMに
聞こえて仕方ないのは自分だけだろうか?

昔、渋谷や代官山で働いていた時期がある。
代官山勤務時代は、この渋谷から毎日のように東横線を利用していた。

近代的なデザイン

ただ、渋谷も当時とは随分と景色が変わった。駅直結だった東急はなくなったし、駅構内も見知った場所が減った。

東急といえば、東京メトロ銀座線は東急の3階にホームがあるという謎構造だったのだが、これは都市開発の一環だったようである。
駅ビルと地下鉄ホームを一体化することで渋谷を発展させたいという目論見から、この構造が生まれたらしい。

無事に渋谷は発展の一途を辿っているように見えるが、それにしても、いちいちデパートの中のゆったりと動くエスカレーターで、3階まで向かわなければならないのは、ちょっと不便だったとは思う。

通行の邪魔にならないように周りに
注意を払いながらシャッターを切る

自分が知らない代官山

どうしても、過去のことを思い出したいらしい自分は、それでも案外すんなりと代官山へ向かう。
駅に降り立つと、やはり予想通りというか、知らない場所が目に入った。

駅前にこんな場所はなかったはず
オシャレな場所には大体売っているサボテン
ナチュラルにこの色なのだろうか

都市開発は、遊休資産の活用や災害対策という観点では推進されるべきだとは思うものの、古き良き、誰かの思い出が消えていくのはなんだか寂しいものだ。

和と洋の融合?

変わらない景色もある

代官山には、古民家よろしく和風住宅を店舗へ改装して利用している場所がある。
この辺りは、入っている店は変わっていたものの、街の風景自体に大きな変化はなかったように感じる。

日本的な外観の建物があり 外国人観光客にも人気
セーフ!fpは赤の出方もきれいだ

この通りには、地下で運営しているカレー屋さんがある。
「ボンベイバザー」という名前の店で、階段を下がっていくと、地下とは思えない広々としたオシャレ空間が現れるのだ。
ただ、今回は特に食べる気にならずスルー。普通に美味しいので、時間があればぜひ立ち寄って欲しい。

ただ、個人的には「アジアンダイニング サティー」という店のトムヤムラーメンが1番好きだ。
なぜか時々、麺の量がバグっていて、フードファイトに強制参加させられることになるが…(笑)

犬が多いのも代官山っぽい

このあと、代官山T-SITEまで向かったが建物内は撮影禁止。これは盲点だった。
そもそも狭い空間に人が結構いて、なるべく顔が写らないように配慮してもガッツリ写ってしまう。
そのため、写真を撮ることは早々に諦め、SIGMA fpをファッションアイテムのように扱う。

さあ、見てくれ。これが、私の新しいカメラだ。
まあ、もちろん誰も気になんてしていなかったが、とても満足だ。

代官山T-SITEの木々
小さいりんごの詰め放題
可食部どのくらいあるんだろうと考えてしまう自分は
代官山の暮らしには向いていない
高級玉ねぎのお味はいかに?
休日はいつも満車で 並ぶのは高級車ばかり

代官山から渋谷方面へ

ここから、渋谷へ散歩しながら戻ることにした。
いつもは、南平台町を経由して、道玄坂を下るコースを選択するのだが、今回は桜丘町を通ることにする。

渋谷はその名の通り坂が多い

この日は晴れで、秋特有の柔らかい光が差し込んでいた。
fpは、この陰影をしっかりめに表現をしてくれるので、明暗がある場面で使うのも楽しい。
カラーモードは、パウダーブルー。すっかりお気に入りになった。
以前も書いたが、ブルーだがイエローが混じる絶妙なカラーで雰囲気抜群に仕上がる。

突如現れた雰囲気抜群のアパート
花をメインに撮ったが よく見ると
壁の模様のグランジっぽさとのコントラストが面白い
シダ植物には古代のロマンを感じてしまう
恐竜映画の見過ぎかもしれない

そこに住んでいる人にはただの道

ところで、見ていただいている通り、私の写真は映えない。
すごくキレイな景色だとか、話題の場所だとか、そういうものはカメラを始めて1年間、あまり撮ってこなかった。
技術がないのもあるが、何よりいいなと思うものをそのときの感情のまま撮ることを大切にしている。
つまり、偶発的な出会いを求めているのだ。

ビル群が見えてくると 渋谷だなと感じる

そんな自分が写真を撮っているときに思うのが、この場所はとてもいい、写真に残したいと感じても、そこは誰かにとっては日常の中にある場所で特別を感じないということ。

この正面にも坂があり もし自転車で登るなら
助走をつけたいところだが「止まれ」の文字が行く手を阻む

もっと言うと、当たり前にある場所というゼロ感情より、思い出したくない場所というマイナス感情を持っていることすらある。

それでも、写真として残していけば、自分を含めた誰かのなんらかの感情を呼び起こすきっかけになるかもしれない。
だから、私はまた特別だけど特別じゃない場所を探すのだ。
(自分を含めた誰か、なんて表現をしたが、実のところ「未来の自分」に向けての意味合いが強い)

渋谷らしからぬ風景

最近の渋谷といえば、ビルがドーンとあって、相変わらず人がわーっといて、スクランブル交差点ではカメラを構えた外国人観光客が「Crazy!」とか言っていて、流行の最先端をひた走る若者が溢れている、そんなイメージだ。

だが、ふと中心から側面へ目を向けると不思議な出会いがある。

渋谷名物「壁落書きアート」と
コンクリートからたくましく生える花

個人的に一番気になっているのは、このJRの沿線にある家。

渋谷という立地にも関わらず いつ見ても
ドアが開け放たれていて 強者感を感じざるを得ない

この家の裏には、山手線・湘南新宿ライン・埼京線の線路があり、およそ3分間隔で電車が行き交うのだ。
そもそも、こんなに線路に近い場所でうるさくないのか?という問題はさておき、この道にはこの家以外にも何軒か昔からありそうな家が立ち並んでいる。

調べてみたところ、桜丘町周辺は渋谷再開発前は昭和の街並みが残る地域だったらしい。
今回は郷愁や昭和レトロとは離れたひとり散歩だと思っていたが、図らずも昭和の痕跡をたどってしまったようだ。

周りは再開発ですっかり大都市然としているが、この家は昔の名残のまま、ドアを開け放ち過ごしているのだろう。

空をバックにするとブルーが強めに出る?

そうして、ふと目をやると、高層ビルを背に、咲いているひまわりを見つけた。
季節が移り変わってもなおこうして咲いている姿は、渋谷に取り残された風景と調和して見えた。



📷SIGMA fp

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