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ヘナを求めて三千里

というのは大袈裟だが、私は20年近く髪を染めるのにヘナを使っている。実は日本人のイタリア在住者の間では都市伝説で、
「イタリアに若くから住んでいると白髪が増える」
とか、
「イタリアに長く住んでいると乳がんになりやすい」
などと密かに言われているのである。

乳がんについては、これは”乳がんになりやすい”のではなく、発見率が高いからだというのが事実だろう。イタリアでは比較的婦人科系の病気のスクリーニングシステムがきちんとしているということもあり、日本に比べると多くの女性が定期的に検診を受けているため、発見も早いようである。これについては、おいておいて。。。

問題は白髪である。私の家系は基本的に皆かなりの歳になるまで黒髪が多く、白髪は60代以降にならないと生えてこない人が多いのだが、18歳の時からヨーロッパに住んでいる私は、30代前半から白髪が生えてきた。
これには苦労が多い(笑)、水が違う、などいろいろあるだろう。
最初は行きつけの美容院で相談して、メッシュを入れていたが、隠すのがかなり厳しくなってきた。でも美容師の子は、
「一度染め始めたら、やめられなくなっちゃうわよ」
という。

確かに、染め始めたら、ちょっと経つと生え際が気になってきて、また染めてしまう。
ただ、ここで気になり始めたのは、美容院で染めてもらうときに、頭皮が猛烈に痒くなるのである。そしてヒリヒリしてたまらない。
美容院を変えたり(日本に帰国した際にも数カ所試した)、カラー剤を変えたり、自分でも試してみたりしたが、どうも私にはカラー剤が合っていないようである。

そんな折、時々一緒に仕事をするミラノに住む日本人の友人に会ったところ、彼女の髪の毛が赤っぽく、とても綺麗に染まっていた。
「何で髪の毛を染めてるの?」と聞いたところ、
「あ、これ?ヘナよ!すごくいいの。サファリちゃんもやってみなよ!」

というわけで、それ以来ずっとヘナで染めているのである。髪が染まるだけでなく、トリートメント効果もあり、サラサラにもなる。カットしに行く美容院でも驚かれるぐらいだ。
日本から買ってきたり、こちらでもエルボレステリアというハーブを中心とした天然素材のヘアケアやボディケア製品を売っている専門店で買ったりしていた。これらは大抵インド産のヘナである。ウィーンでは、インド人経営のグローサリーショップなどでも売っていた。

カタールのドーハのスパイスショップ

ところが、その後、アラブ圏に旅行に行くと、メディーナのスパイスのお店で、ヘナを売っているのを発見!そう、アラブ圏の女性は手足にヘナタトゥーを施したりするので、どうもそれで売っているようなのだ。

3種類あったヘナ、イェーメン産

ドーハではインド系っぽいお兄さんがやっているお店で、
「これ、ヘナ?」と聞くと、
「そうだよ、(チラッと私の髪の毛を見て)髪を染めるならこれがいいよ」
と、イェーメン産をお薦めしてくれた。ここでは1キロ購入!よく覚えていないが、1000円もしなかったような。

チュニスでもメディーナで発見!

スパイスとか食料品とかいろいろと売っているお店
チュニスで売っているのはチュニジア産。天秤で測る。

ここではお姉さんにお勧めされた方を1キロ購入。ぼったくられてたかもしれないが、1キロで10ユーロは悪くない。交渉せずに素直にお金を払った。使ってみてから、このチュニジアのヘナもとても良かった。

カイロでも購入。イスラム地区のスパイスショップにて(見出し画像)。

ここは全く言葉が通じず、どこ産か不明

写真はないが、カサブランカでは、なんとスーパーの量り売りスパイスコーナーで発見して、自分で袋に入れて購入した。

そして先日、別のエルボレステリアでイラン産のヘナを発見!

おしゃれな瓶入り、高いけど

アラビア文字っぽく書いてあるが、"HENNA PERSIANO"となっている。ちょっと開けてみたところ、粉は細かくてとても良さそう。

ここ2年ほど、ヘナを買いにアラブ圏にはどこにも行けていない。なんとかイタリアで購入するもので間に合わせているが、チュニスやカイロのメディーナで今度はいつ買えるだろうか?

そろそろまた染めなくてはならない。ヘナから過去の旅行を思い出してみた次第である。


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