【詩】明らめの夜
星々が巡る幾千年もの時の連なりの中に
ぽつねんと一粒 取り残される わたし
皆はそれぞれの輝きで線を描き 環になるのに
微動だにせず ただただ眺めた ちっぽけな砂粒
君たちと「同じ」になれない自分を呪い続けて
どうにか「普通」でいようと努めたけれど
一度はぐれてしまった渡り鳥が乱した列は
はじめのように綺麗に整うことはない
だから、わたしはあきらめた
産み落とされた場所で「儚さ」を持つことを
期待や不安から解き放たれたこころは
地上へまっさかさま 堕ちていく
神聖な沈黙の宙から逃げ出して
心地よい抑圧からはみ出して
不自由な流れに飛び込んで 自由に泳ぐ
濁った水の中 誰もが異端で 誰もが異形
望んでいた 最も忌み嫌う世界で
ほんとうのわたしが明らかになる
不揃いで賑やかな声たちが連れてくる朝とともに