創流 1
健気なる者、本来なるを、我が自然に本来なると知る
鳥どりの羽ばたきと射した光に目を覚ます
揺らぐ空間に、永劫なる来し方と新しき朝の可能性の糸が、結んでは解け、解けては結んで、自身の実在のいづこにあるかが、その胸中において整合性をもって覚知される
ああ、あの出会いは、真であった
本然なる実体に、放射状に広がった生命の糸は矛盾なく繋ぎ合わされ、一実在たる生命の眼は開かれる
時の振り子は永遠を刻み、止まることをしらない
過去と未来が、現在なるを通して融合し、世界は秩序立てられ、小宇宙なる感覚の高まりは、脈打つ律動となって心をおしあげる
流れ出づる水脈は、五体に清浄なるを取り戻し、鋭き生命の刃は、巨木を蝕まんとするをはらう
ああ、そのとき、その表情に赤みがさし、凛々しき顔は、勇気と勝利への気概とを照射させる
さあ、同朋よ、身支度は整った
清水に喉が潤ったら、再びの遠征を開始しよう
とめどなき流転の世界に、今日一日の歴史を刻むのだ
時空のさやめきの交響心地よく、無尽の生命の高炉は熱を増し、極地なる淵底より、希望の光は受け渡される
その時、老獪なる者が低く囁く….
「この先はなかなか険しくて、幾多の者をして、あきらめと死の谷へと迷い込ませてきたが、あんたはなかなかの気丈夫のようだ。はて乗り越えられるかどうか、賭けでもしてみるかい?」と悪戯っぽく笑った
さればこそ、同朋を抱えて、価値ある旅路を征くのだと、一瞥をくれて、遥かなる大高峰の頂を見据えた
そのまちうけたるが、いかなるものであろうと
尊厳なる最後の光を消してはならない
誰人も侵せぬ最後の光を
ああ、大いなる本体よ、勇気ある遠征に、舞降る白き天華の花弁となって祝福せよ
我と同朋とが生きた証と歴史の真実とを、その頂の先、永遠なる都へと至り、生命勝利の王城においてとどめおかんが為の故に........
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