北東北・野菜作り、今は収穫一歩手前
季節はあっという間に夏至を過ぎて夏のころとなりました。
春先はまだ育苗ハウスで小さな苗だった野菜たちも、5月末には畑への植え付けが完了。
ビニールハウスや露地でたくましく成長をしています。
ゆっくりと成長する農園の野菜たち、収穫前の様子と畑の管理などについてお伝えします。
植え付け作業は4月末から始めました
八戸の冷涼な気候に合わせて、育苗した野菜の植え付けは4月末頃から5月中旬にかけて行います。
ビニールハウス内への植え付けから始まり、露地への植え付けは遅霜の心配がなくなる5月中旬ごろに行います。
○ビニールハウス…トマト類、ナス、ピーマン、オクラ、バジルなどのハーブ類
○露地…キュウリ、トマト類、唐辛子、ブロッコリー、ケールやレタスなどの葉物類
また、育苗ではなく種を露地の畑に直播するものもあります。大根やニンジンなどの根菜類や枝豆、またジャガイモや里芋、キクイモなども4月下旬に露地に種芋の植え付けをします。
冷涼な八戸ではとにかく「温度」がもっとも重要。
早過ぎる植え付けだと苗が枯れてしまったり、成長がストップしたりします。
そのため、朝晩の気温が10度を超える日がある程度続くまでは苗の植え付けはしないようにしています(とくに露地への植え付け)。
北東北の海側地域を襲う「やませ」
「やませ」、ご存知でしょうか?
北日本の太平洋側沿岸に春から夏(6〜8月)に吹く冷たく湿った東よりの風のことをいいます。この風は農作物に大きく影響を与えます。
このやませは本当に驚きます。きれいに晴れた空が一気に曇天に変わり、あたりは霧に包まれます。
例えば、雲も少なく青空が見えて日差しが温かく晴れている日。
今日は気温が上がっていい感じだな、と思っていると
ぐんぐん雲が広がって空が灰色になり、気づくと風が吹きはじめ、ひんやりしてきます。そこから一気に冷たい空気が空から押し寄せるように襲います。
霧雨や小雨を伴うことも多いです。
この湿って冷たい空気にさらされる時間が続き、曇り空のままで日照不足も起こります。
このような状況が数日繰り返されるので、露地の夏野菜は低温にさらされて成長が遅くなり、ビニールハウスでは低温かつ湿気が抜けずに病気になってしまいます。
「暑くない初夏」を乗り越える
「ひたすら除草」の日々到来
このように冷涼な中で、少しの時間でも日が当たって地温が上がると野菜の成長が違います。
そのため、畑の管理としては野菜の成長を促すための除草も大切な作業になります。
私たちの農園は除草剤は使わないので、野菜の成長を阻害する雑草は草刈り機や手作業で除草します。
自然環境と人ができることの両方を考えて、畑のすべてをまっさらに除草することはしません。
しかし野菜に成長にために、少しでも日が当たるように野菜の草丈を超えそうなところを除草したり、湿気が込んでしまいそうな箇所だけを除草したりします。
除草した草も、畝間や株間にしいて乾燥防止などに利用しています。
とはいえ、ごくわずかな人力作業での除草。決して広くはない畑面積ですが、手作業の除草では草の成長に全然追いつきません(笑)
びっくりするほど雑草だらけ。
草とともに自分も成長、と捉えて
言い訳がましいかもしれませんが、草には草の役割があり、土の中の状態を教えてくれる大切な指標になることもあります。
野菜作りも草とともにやっていくしかありません。
ちなみに、無肥料栽培での野菜作りやライフスタイルを提案されている岡本よりたかさんの著書には、畑にある雑草についての考察があります。とても興味深く参考になります。オススメです。
畑で育つ収穫前の野菜たち
5~6月の農園の様子です。
草がわんさか生い茂っています。(笑)
ケールとブロッコリーは今が最盛期です。
トマトやナスなどの夏野菜は、安定して収穫できるまではあと1か月ほどかかります。
じっくりと野菜と草をよく観察しながら、今日も草取り作業です!