みなと

30代中盤の子持ち。趣味はカメラとヤクルトスワローズ。怠け者。酒は飲んでも飲まれるな。

みなと

30代中盤の子持ち。趣味はカメラとヤクルトスワローズ。怠け者。酒は飲んでも飲まれるな。

最近の記事

現実じゃない写真の世界。 【連続小説8日目】

写真が好き。 善治は写真が趣味だ。NIKONを愛用し、休日はよく写真、いわゆるスナップ写真を撮りに外出する。 特に5月から6月が好きだ。まだ暑さが本格化する前、光は強く夏の太陽になった時期が。 今日は月島に出かけた。田無から電車を乗り継ぎ、月島へ。特別、月島に撮りたいものがあったわけじゃない。ただ、古くからの友人が住んでおり、夕方からもんじゃで一杯と約束していたからだ。 駅前の喫茶店で少し休んでから撮影へ。 休日だが公園にもあまり人がいない。この辺の子は習い事が忙しい

    • 35歳「だったかもしれない人生」 【連続小説7日目】

      立花務は今年35歳。転職市場では35歳の壁という言葉がある。35歳を過ぎたら求人が一気に減るということだ。 務は新卒で今の会社に就職した。転職も休職もせず、真面目に勤めてた。営業としてトップではないが、だいたいランキングで上位3割くらいには常に入っている。 いい意味でも悪い意味でも目立たず堅実。派手な女遊びもギャンブルもしない。子供は2人授かった。今の若い子たちから見ると家庭を犠牲にして、家に帰らず日々接待やゴルフに邁進しているトップセールスマンより、務のような人間のほう

      • 武蔵五日市が好きだった 【連続小説6日目】

        武蔵五日市という場所をご存じだろうか? 中央線の終点。東京都あきる野市にある駅だ。拝島から五日市線に乗り換えた最終地点。線路がそこでピタッと止まっている。まさに最後の最後。東京の端の端。 村田仁が生まれて育った場所だ。 村田は武蔵五日市駅から徒歩5分程度の一軒家で生まれた。小中高と地元の学校に通い、大学は都内の私立大学に通った。 大学卒業後は都内の専門商社に勤務した。2年間は中野、その後、王子に住み、おととしから武蔵五日市に戻ってきた。 都内の空気と地元の空気は違う

        • まもなく40歳。思春期。【連続小説5日目】

          「第3営業局の発展を祈って!よーお!」 「パン!」 新橋の夜にサラリーマンたちの合掌が響く。 佐藤道夫の努める広告代理店、Aは新橋に本社を構える日本有数の巨大企業だ。一時は業績不振であわや倒産か?とニュースを騒がせたが、なんてことはない。今は業績も好調。株価も上昇している。 道夫は現在39歳。2年前にクリエイティブ部門から営業に異動となった。道夫の年齢で、しかも未経験の営業に異動。周囲も道夫自身もびっくりの人事だった。クリエイティブ部門ではある程度の結果を残し人付き合

          ヤクルト・スワローズに魅せられて 【連続小説4日目】

          「クソ!ヘボい試合しやっがって!」 亮太は悪態をつきながら神宮球場をあとにする。 とにかく今年のヤクルトは弱い。2連覇したのは遠い夢のよう。最近は全く勝てないし、ようやく波に乗れるかなと思ったら怪我の連続。今日も若手有望株がフェンスに直撃してタンカで運ばれた。 「二度とくるかこのヘボ球団。」 イライラが隠しきれない表情で信濃町まで歩く。 「呪われてるよなー」 会社帰りだろうか、ワイシャツの上からユニフォームを着た3人組が楽しそうに歩いている。負けたことはみんな悔しい

          ヤクルト・スワローズに魅せられて 【連続小説4日目】

          雨降る【連続小説3日目】

          月島に雨が降る。 外国人観光客客で賑わうもんじゃストリートも、昼時は外まで行列になるハンバーガーショップも閑散としている。 智は傘をさして歩く。イヤホンからは流行りのJーPOPが流れている。 就活も終わり、大学4年の秋。単位もほぼ取り切り、特にやることがない。周りはやれ合コンだ、最後の青春だと遊びまくっているが、本来1人でいることが好きな智はそんな気になれない。 「働き始めたら嫌でも人と一緒にいなきゃないんだろうな」 理系の大学に進み、一時は大学院進学も考えたが学力に

          雨降る【連続小説3日目】

          キャッチボール。遠い思い出。【連続小説2日目】

          晴れた月曜。裕之は有休消化日のため朝からゴロゴロしていた。妻も仕事に向かい、子供たちは午後まで帰ってこない。家に1人なんて何年振りだろう。 裕之のマンションは少し街外れに出来た再開発エリア。学校も少し離れているし、飲食店もない。不便だが、日中は本当に静かで気に入ってる。裕之はあまりテレビや音楽をかけることが好きじゃない。うるさいのが苦手だし、なんとなく見る・なんとなく聞く、という行為が苦手だ。音楽ならがっつりライブに行くか、レコードを使って聴きたいし、ドラマなら部屋を暗くし

          キャッチボール。遠い思い出。【連続小説2日目】

          晴れた日の自習室って、よいよね。

          洋司は区のコミュニティセンターへ車を走らせる。助手席には今年で小学校4年生になった長男の孝が外を眺めている。外は晴れ。夏前の心地よい風が車内に吹き込んでくる。 コミュニティセンターは区が管理している大型の施設で、最近、自習室ができた。孝はサッカーの強い学校に行くため、早々に中学受験を決意。今は土曜日と日曜日の午前中は洋司と共に自習室で勉強をしている。 洋司にとっても土日の午前中は貴重な時間だ。コミュニティセンターはジムが併設されていて、孝の勉強中はジムで汗を流すことができ

          晴れた日の自習室って、よいよね。

          銀座の赤い詩

          赤い日傘を差して、銀座の空を飾る 微細な影が揺れ動く、炎天下のみゆき通り それは恋する心の象徴、繊細で勇敢な詩 交差点に立つ、赤い服の女性 地図を手に、遠くへの憧れを描く 人ごみの中でも彼女だけが輝き、色とりどりの街を照らす 彼女の顔は、未来への期待と希望に満ち その瞳は、遥か彼方へと向かっている あたかも彼女自身が、この街の風景に溶け込むように 銀座の雑踏に囲まれ、彼女は一歩一歩進む 赤い日傘と同じ色の服を身に纏い、太陽に抗う 彼女の存在は、街の色彩と一体となり、鮮やか

          銀座の赤い詩

          静寂な昼休み:五反田の煙

          五反田の街、昼休みの静けさが漂う。 一人の男が路地裏でタバコを吹かす。 煙が立ち上り、街の喧騒を忘れさせる。 一服の間、喫煙の儀式が始まる。 人々が通り過ぎる様子を眺めながら、 煙を吐き出す。一時の安らぎ。 五反田の街角に立つ休憩所は、人々の憩いの場。 昼休みのひととき、タバコの煙が漂う。 喧騒から離れ、心が穏やかになる瞬間。 会話が交わされる場所、煙の中に包まれる。 五反田の街、昼休みのタバコの時間。 静寂が心を癒してくれる。

          静寂な昼休み:五反田の煙

          銀座の朝光に包まれて

          朝の銀座、静けさが漂う。 人通りは少なく、街は穏やかな様子。 ショーウィンドウに映る朝日の光が優しく輝く。 街角の喫茶店から香ばしいコーヒーの香り。 静かな通りを歩く足音が響き渡る。 銀座の朝、静寂な時間が流れる。 高層ビルが静かにそびえ立ち、光を受ける。 銀座の朝日が街を柔らかく照らし出す。 美しい街並みが目に焼き付き、心に残る。 朝の銀座、静けさに包まれた風景。 穏やかな時間がゆっくりと流れる。 心が穏やかになる朝の銀座の光景。

          銀座の朝光に包まれて

          静寂のお台場:閉鎖されたヴィーナスフォート

          人のいないお台場、閉鎖されたヴィーナスフォートが寂しげに佇む。 建物の陰に立ち、静寂が広がる。 孤独な空間に立ち尽くし、心に響く。 閑散としたお台場、心は静かに響く。 人のいない空間で寂しさが漂う。 静寂なお台場で感じる、孤独な詩の響き。

          静寂のお台場:閉鎖されたヴィーナスフォート

          雨上がりの風景:草と水たまりの詩

          夜のタクシーが雨に揺られる、 窓越しに流れる街の光。 雨上がりの草がそっと揺れて、 濡れた大地に新たな命を宿す。 水たまりにうつる標識の色、 鮮やかに映り込む街の喧騒。 雨の中で煌めく光景、 心に響く音、滴るメロディ。 夜のタクシーが雨に揺られる、 街角に残る雨上がりの草。 水たまりにうつる標識の輝き、 雨の詩が街に響き渡る。

          雨上がりの風景:草と水たまりの詩

          一息つく場所:湯島聖堂の昼休み

          湯島聖堂、昼休みの静けさが広がる。 周囲の都会の喧騒が遠く感じられる。あじさいが咲き誇り、その色とりどりの花々が一瞬の安らぎを与えてくれる。 この場所は、時間がゆっくりと流れ、一息つくことができる。都会の喧騒から一歩離れたこの場所で、心は落ち着きを取り戻す。

          一息つく場所:湯島聖堂の昼休み

          散歩道の上で:神田から日本橋への詩

          神田の街を歩く、日傘を差す影、 映画ポスターがパネルに映る、物語を語る。 高架下の喧騒、街のリズムを刻む、 足元を照らす、日傘の色彩。 道を進むと、日本橋が見えてくる、 和服の女性が、風に舞う袖を整える。 神社の鳥居、静けさを纏う、 あじさいが咲き誇る、雨後の風景。 神田から日本橋へ、街を歩く、 日傘、映画ポスター、高架下、 和服の女性、神社、あじさい、 それぞれが物語を紡ぐ、散歩道の上で。

          散歩道の上で:神田から日本橋への詩

          時間を刻む:御茶ノ水の昼休み

          それは昼休みの御茶ノ水、ランチの香りが漂う、 赤い日傘を差す女性、街の喧騒を彩る。 学生たちの声、サラリーマンの会話、 みんな時間の中に刻まれ、記憶になる。 赤い日傘の下で、ランチを楽しむ女性たちよ、 あなたたちは感じるか、この街の鼓動を。 彼女たちの優雅な時間、昼休みの静けさを。 それは昼休みの御茶ノ水、街の風景が生きる、 ランチの香り、赤い日傘、人々の笑顔。 時間が流れ、記憶は化石となる、 しかし、その瞬間、瞬間が輝く。

          時間を刻む:御茶ノ水の昼休み