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山本粧子の Hola!ジャガイモ人間

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縁もゆかりもなかった国・南米ペルーに青年海外協力隊として派遣されることになった山本粧子が、3000種以上も存在するというジャガイモ原産国で、ジャガイモを育て、食し、愛するジャガイ…
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#ペルー

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃第31回

ブエノスディアス! 山本粧子です。 2025年になりました。今年もよろしくお願いします! さて、新年一発目の話題は「ペルーのポテトチップス事情」についてお届けしたいと思います。 みんな大好きポテトチップス イカ市の街中では、ショッピングモールの入口前や人通りの多い道などで、揚げたてのポテトチップスを販売しているのをよく見かけます。 注文すると、買いたい分だけ、袋に入れてくれます。塩がたっぷりかかった揚げたてのポテトチップスは無条件に美味しいです。 ジャガイモを揚げた後、キ

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃第30回

ブエノスディアス! 山本粧子です。 公開は年明けですが、この記事を書いている今、2024年が間もなく終わろうとしています。 ラッキーなことに事件や事故に巻き込まれることなく、365日すべての時間をペルーで過ごすことができた記念の年となりました。 1年間ペルーで過ごしてみたからといって、成し遂げたことは皆無ですが、新しい言語を使いながら、新しい土地で、新しく出会った人々と生活するというのは、目新しいことばかりでとにかく刺激の多い1年でありました。 ケーキを食べ、「これめちゃ甘

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃第29回

ブエノスディアス!山本粧子です。  有機栽培の農作物は日本でも人気だと思いますが、私が住むペルーのイカ県にも、一風変わった有機農場・サマカ(SAMACA)があります。 私はサマカ商品のファンで、ペルーで自炊生活をはじめてから、サマカのエクストラバージンオリーブオイル、乾燥トマトや乾燥玉ねぎ、蜂蜜などに大変お世話になっています。 しかし農場はイカ県にあるにもかかわらず、残念ながらイカでは購入できず、首都リマのおしゃれなサマカショップまで行くか、オンラインショップでないと買えな

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃第28回

ブエノスディアス! 山本粧子です。 ペルーには帰国しましたが、南米旅はまだ終わりません。11月下旬には、チリとの国境にあるペルー最南端のタクナ県へ行ってきました。 タクナにある児童養護施設の子どもたちに日本文化やパラカスミュージアムについて紹介する機会をもらったので、初めてタクナを訪問したのですが、美しく、素晴らしい街でした。 今回はそのタクナの街と、とっても美味しかった食べ物について紹介したいと思います。 ペルーとチリの間で タクナは、ペルーの中でも少し複雑な歴史

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第25回

ブエノスディアス!山本粧子です。  私は今、ペルーから飛行機で4時半かけてアルゼンチンの首都ブエノスアイレスにやってきました。 JICA青年海外協力隊は、1年間で20日間は派遣国以外の国へ行ってもよいことになっています(JICAが安全だと定めた場所に限るのですが)。さらに、私が働いているパラカスミュージアムは年間で30日間長期休暇を取得できるため、このチャンスをフル活用してアルゼンチンとブラジルの美術館を巡る17日間の旅を計画したのです。 今回から、私の南米旅行記をお届けし

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第24回

ブエノスディアス! 山本粧子です。  今日は、パラカスミュージアムに3歳から5歳の子供たちが約500人も遠足で訪れたので、お祭り騒ぎ! 私はてんてこ舞いでした。 ほとんどの生徒が親同伴でミュージアムを訪れました。日本でいう「親子遠足」みたいな感じでしょうか。 兄弟姉妹を一緒に連れてきている親御さんもいました。なかには、展示室で哺乳瓶でミルクを飲んでいる子、離乳食を与えられている子、泣き叫んでいる子もいて、もうカオス状態でした。 正直、このタイミングでパラカスミュージアム

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第23回

ブエノスディアス! 山本粧子です。 9月中旬にJICAの中間報告会という行事のため、久しぶりに1週間ほど大都会リマに滞在しました。 中間報告会というのは、青年海外協力隊員がそれぞれの配属先(私の場合はパラカスミュージアム)で1年ほど働いた頃に、これまでの活動報告およびそれ以降の活動計画を発表するものです。 私たちボランティアはもちろん、それぞれの配属先の上長も一緒に参加します。私たちはそれぞれ15分間のプレゼンテーションを準備し、配属先の上長のコメントと質疑応答で各自25分

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第22回

ブエノスディアス! 山本粧子です。 早いものでパラカスミュージアムで働き始めてから8カ月も経ちました。 最近この連載を読み始めてくださった方もいるかと思いますのであらためて説明しますと、私は青年海外協力隊として、ペルー・イカ州のパラカスミュージアムに派遣され、ここでイベントの企画・運営などに従事しています。 最近は、小中学生の団体が遠足でミュージアムに訪れることが多く、よりパラカス文化を記憶に刻んでもらえるよう、各団体にワークショップを実施しているため、日々その対応に追わ

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第21回

ブエノスディアス!山本粧子です。  日本の8月は暑すぎますが、8月のパラカスは本当に寒いです。 朝晩は特に冷えます。外出時は、コートがあったほうが安心です。 やっぱり、「8月は暑いのだ!」という概念に縛られた人生を今まで送ってきたせいか、こうも寒いとなんだか8月だと認識するのが少し難しいほどです。「いま何月だったっけな?」と何度もカレンダーを見てしまう今日この頃です。 ペルーでは冬だからと言って、こたつに入ってみかんをみんなで食べるなんてことはありませんが、今日はみんなで

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第20回

ブエノスディアス!山本粧子です。 最近、私が住むイカ州では頻繁に地震が起きています。私は気がつかなかったのですが、今朝もAM5時ごろマグニチュード5.0の地震がありました。幸い、人や建物等への被害はないようです。 ここイカ州では2007年にマグニチュード8.0の大地震があり、今でも街中には、その時に崩壊してしまった建物が修復されずそのまま残っていたりもします。私が働くパラカスミュージアムも、2007年の地震によって建て直しを余儀なくされました。 2度と同じようなことがここで

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第19回

ブエノスディアス!山本粧子です。 前回に引き続き「私のマチュピチュへの道」後半いきます!! いざ空中都市へ 翌朝、いよいよ世界遺産のマチュピチュ遺跡に向かいます。 宿泊していたマチュピチュ村から30分ほどバスに揺られ、ぐるぐると山を駆け上がって行くと(約400メートルほど標高が上がります)、マチュピチュ遺跡の入口に到着しました。 そこでチケットチェックを終え、ゲートを越えると、ひたすらあの有名な景色を目指して山の上へと歩いていきます。 標高の高さゆえ日差しが強く、酸素の薄

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第18回

ブエノスディアス!山本粧子です。 じつは先日、ペルー滞在8ヶ月目にしてようやく、あの有名なマチュピチュへ行ってきました。 マチュピチュへの玄関口であるクスコでは、一年で一番日が短い冬至の日に、「Inti Raymi(インティ・ライミ)」というお祭りが開催されます。 インカ帝国時代から行われていた「太陽の祭」で、南米三大祭の中のひとつにも数えられています。 ペルーに住んでるからにはこのお祭りを体感してみたいなと思い、その時期にあわせてマチュピチュへ行くことにしたのです。 こ

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第17回

ブエノスディアス!山本粧子です。 5月上旬から私は、毎週土曜日に首都リマにあるMuseo de Arte de la Universidad Nacional Mayor de San Marcos(国立サンマルコス大学美術館)が主催する「Proyectos educativos para el diálogo en museos(ミュージアムにおける対話のための教育プロジェクト)」という全6回のプログラムに参加しています。 パラカスミュージアムの館長が、ミュージアムで働く

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第16回

ブエノスディアス!山本粧子です。 ペルーは、6月の冬至に向けていよいよ寒くなって来ました。本当に日本とは真逆の季節の移り変わりを過ごすのだなと、寒さを感じて初めて体感しています。 パラカスでも、海で泳いでいる人を見かけなくなりました。コートを着る日もあるくらいです。実は「パラカスでコートを着る日なんて来るのかな?」「持って来た意味あるのかな?」と、バカンス感たっぷりのこの地に到着した12月当時は思っていたのですが、パラカスにも冬はやってくるようです。 *** 乾燥ジャガ