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山本粧子の Hola!ジャガイモ人間

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縁もゆかりもなかった国・南米ペルーに青年海外協力隊として派遣されることになった山本粧子が、3000種以上も存在するというジャガイモ原産国で、ジャガイモを育て、食し、愛するジャガイ…
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山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第25回

ブエノスディアス!山本粧子です。  私は今、ペルーから飛行機で4時半かけてアルゼンチンの首都ブエノスアイレスにやってきました。 JICA青年海外協力隊は、1年間で20日間は派遣国以外の国へ行ってもよいことになっています(JICAが安全だと定めた場所に限るのですが)。さらに、私が働いているパラカスミュージアムは年間で30日間長期休暇を取得できるため、このチャンスをフル活用してアルゼンチンとブラジルの美術館を巡る17日間の旅を計画したのです。 今回から、私の南米旅行記をお届けし

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第24回

ブエノスディアス! 山本粧子です。  今日は、パラカスミュージアムに3歳から5歳の子供たちが約500人も遠足で訪れたので、お祭り騒ぎ! 私はてんてこ舞いでした。 ほとんどの生徒が親同伴でミュージアムを訪れました。日本でいう「親子遠足」みたいな感じでしょうか。 兄弟姉妹を一緒に連れてきている親御さんもいました。なかには、展示室で哺乳瓶でミルクを飲んでいる子、離乳食を与えられている子、泣き叫んでいる子もいて、もうカオス状態でした。 正直、このタイミングでパラカスミュージアム

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第23回

ブエノスディアス! 山本粧子です。 9月中旬にJICAの中間報告会という行事のため、久しぶりに1週間ほど大都会リマに滞在しました。 中間報告会というのは、青年海外協力隊員がそれぞれの配属先(私の場合はパラカスミュージアム)で1年ほど働いた頃に、これまでの活動報告およびそれ以降の活動計画を発表するものです。 私たちボランティアはもちろん、それぞれの配属先の上長も一緒に参加します。私たちはそれぞれ15分間のプレゼンテーションを準備し、配属先の上長のコメントと質疑応答で各自25分

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第22回

ブエノスディアス! 山本粧子です。 早いものでパラカスミュージアムで働き始めてから8カ月も経ちました。 最近この連載を読み始めてくださった方もいるかと思いますのであらためて説明しますと、私は青年海外協力隊として、ペルー・イカ州のパラカスミュージアムに派遣され、ここでイベントの企画・運営などに従事しています。 最近は、小中学生の団体が遠足でミュージアムに訪れることが多く、よりパラカス文化を記憶に刻んでもらえるよう、各団体にワークショップを実施しているため、日々その対応に追わ

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第21回

ブエノスディアス!山本粧子です。  日本の8月は暑すぎますが、8月のパラカスは本当に寒いです。 朝晩は特に冷えます。外出時は、コートがあったほうが安心です。 やっぱり、「8月は暑いのだ!」という概念に縛られた人生を今まで送ってきたせいか、こうも寒いとなんだか8月だと認識するのが少し難しいほどです。「いま何月だったっけな?」と何度もカレンダーを見てしまう今日この頃です。 ペルーでは冬だからと言って、こたつに入ってみかんをみんなで食べるなんてことはありませんが、今日はみんなで

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第20回

ブエノスディアス!山本粧子です。 最近、私が住むイカ州では頻繁に地震が起きています。私は気がつかなかったのですが、今朝もAM5時ごろマグニチュード5.0の地震がありました。幸い、人や建物等への被害はないようです。 ここイカ州では2007年にマグニチュード8.0の大地震があり、今でも街中には、その時に崩壊してしまった建物が修復されずそのまま残っていたりもします。私が働くパラカスミュージアムも、2007年の地震によって建て直しを余儀なくされました。 2度と同じようなことがここで

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第19回

ブエノスディアス!山本粧子です。 前回に引き続き「私のマチュピチュへの道」後半いきます!! いざ空中都市へ 翌朝、いよいよ世界遺産のマチュピチュ遺跡に向かいます。 宿泊していたマチュピチュ村から30分ほどバスに揺られ、ぐるぐると山を駆け上がって行くと(約400メートルほど標高が上がります)、マチュピチュ遺跡の入口に到着しました。 そこでチケットチェックを終え、ゲートを越えると、ひたすらあの有名な景色を目指して山の上へと歩いていきます。 標高の高さゆえ日差しが強く、酸素の薄

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第18回

ブエノスディアス!山本粧子です。 じつは先日、ペルー滞在8ヶ月目にしてようやく、あの有名なマチュピチュへ行ってきました。 マチュピチュへの玄関口であるクスコでは、一年で一番日が短い冬至の日に、「Inti Raymi(インティ・ライミ)」というお祭りが開催されます。 インカ帝国時代から行われていた「太陽の祭」で、南米三大祭の中のひとつにも数えられています。 ペルーに住んでるからにはこのお祭りを体感してみたいなと思い、その時期にあわせてマチュピチュへ行くことにしたのです。 こ

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第17回

ブエノスディアス!山本粧子です。 5月上旬から私は、毎週土曜日に首都リマにあるMuseo de Arte de la Universidad Nacional Mayor de San Marcos(国立サンマルコス大学美術館)が主催する「Proyectos educativos para el diálogo en museos(ミュージアムにおける対話のための教育プロジェクト)」という全6回のプログラムに参加しています。 パラカスミュージアムの館長が、ミュージアムで働く

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第16回

ブエノスディアス!山本粧子です。 ペルーは、6月の冬至に向けていよいよ寒くなって来ました。本当に日本とは真逆の季節の移り変わりを過ごすのだなと、寒さを感じて初めて体感しています。 パラカスでも、海で泳いでいる人を見かけなくなりました。コートを着る日もあるくらいです。実は「パラカスでコートを着る日なんて来るのかな?」「持って来た意味あるのかな?」と、バカンス感たっぷりのこの地に到着した12月当時は思っていたのですが、パラカスにも冬はやってくるようです。 *** 乾燥ジャガ

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第15回

ブエノスディアス!山本粧子です。 前回に引き続き、アレキパ旅行について書いていきます。 アレキパから一足伸ばして アレキパの市街地からバスで4時間ほど走ったところにある、標高約3660メートルの村Chivay(チバイ)へいきましょう。 アレキパからさらに約1300メートルも標高が高くなります(富士山9合目!)。しかも道中には標高4800メートルの場所も通過するそうなのです。果たして、大丈夫なのでしょうか。 Chivay(チバイ)へ行く目的は、 ①温泉に入る! ②コルカキ

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第14回

ブエノスディアス!山本粧子です。 さっそくですが、今回は3月初旬に訪れたアレキパ旅行について、レポートしたいと思います。 ペルーに派遣されている青年海外協力隊員は、首都リマで不定期に開催されるJICAの報告会に出席する必要があります。そこで私は、せっかくリマに行くなら、ついでに初のペルー国内旅行へ行ってみよう、と考えたのでした。 というのも、ペルーでは、地方へ行くためには基本的にリマから飛行機で移動することになります。 もちろん何時間もかけて長距離バスで移動することもでき

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第13回

ブエノスディアス!山本粧子です。 私が今働いているパラカスミュージアムは、ペルー人はもちろんですが、海外からの来館者がとても多く、ウユニ塩湖で有名なボリビアから来たファミリー、フランス人カップル、韓国の団体旅行客など、今日も様々な国からお越しになられていました。 日本では、ナスカの地上絵に隠れてパラカスの知名度は無いに等しい(?)かもしれませんが、世界を見渡すとちょっと違うのかもしれません。 アジアの中ではダントツで韓国からの来館者が多いです。 2016年から韓国ドラマ鑑

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第12回

ブエノスディアス! 山本粧子です。 しばらくクリスマスと年末年始のお話が続きましたが、今回はミュージアムで食べるお昼ご飯(通称:ミュージアム飯)をレポートしたいと思います。 第8回で少し触れましたが、私が働いているパラカスミュージアムでは、まわりに店が何もない砂漠のど真ん中にあることもあって、事務所にあるキッチンでみんなで食事をつくり、みんなで一緒に食べるのが日課です。しかも、割とキッチリ作って、ガッツリ食べます。 ペルーのザ・家庭的な料理はほとんどここで把握できるんじゃ