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一年謳歌

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平日限定でその日ごとの「〇〇の日」にちなんだ内容を入れながら、一つの話として一年書きます。
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記事一覧

33.十二月括り「シンデレラデー」

 ケーキを食べ終えると、皆は埃かぶりのまま仕事に戻った。年の瀬という事もあり、仕事はまだ…

燈
9か月前
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32. 12月15日「いちごの日」

 大掃除をやり終えると、佐々木さんが皆にと、ケーキを買ってきてくれた。  立派なイチゴを…

燈
11か月前
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31. 12月13日「大掃除の日」

 「大掃除しましょう!」  会社に到着したばかりの私に、アルバイトの石鍋さんが張り切った…

燈
11か月前

30. 12月12日「漢字の日」

30.12月12「漢字の日」  窮屈となった電車の中で、私は自分のポジションを確保する為…

燈
11か月前
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29. 12月11日「ユニセフ創立記念日」

 私は用意を済ませて、家を出た。  玄関のドアを開けると、当たりが柔らかくさっと引いてい…

燈
11か月前

28. 12月6日「音の日」

 部屋の中がまだ暗い。ベッドもまだ暖かい。それだけならば、甘い眠りに落ちていける。暖かい…

燈
11か月前
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27. 11月括り「鏡の日」

 私はショッピングも程々にして、昼ごはん用の材料を買い揃える為に、地下の惣菜屋へと向かった。  お昼前だからなのか、人は多い。狭い通路の中で惣菜屋ごとに並ぶ人々。その列と列の谷間にカートで侵入し、そうして入り押し退ける高齢者が、その表と裏一枚ずつ顔合わせ状態となってしまい、既に通路が封鎖されている。そしてその後ろからぐいぐいと突き進む者達が現れた事によって、通路がどんどんと鬱血していく。  繁盛のざわめきとは程遠い、熾烈な横行に生まれる呻き。  呻きの止まない壮絶な業の連なり

26. 11月29日「いい文具の日」

 幸せが詰まっていて重たくなったバッグを、薄い鎖骨を露わにしながら肩にかける柚愛の健闘ぶ…

燈
1年前
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25. 11月28日「きれいな髪のいいツヤの日」

 街の中は時間で設定されていたかの様に、それぞれの方向から人が集まる。その集まる人達が街…

燈
1年前

24.11月27日「仏壇の日」

 祖母との思い出を回顧しながら、ふと足元を見る。道を形造るコンクリートブロックの粒達が、…

燈
1年前
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23. 11月24日「進化の日」

 吉祥寺は、祖母が住んでいた町だった。  「立派な人になってね」  生前の祖母はよく、小学…

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1年前
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22. 11月22日「大人の日」

 恥ずかしい事をしてしまった様に、人の目をどんどんと避けて、私は路地の奥深くへと侵入して…

燈
1年前
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21. 11月21日「世界ハローデー」

 アーケードを見上げたままだと、どうしても悲運の味が喉まで下がって来る気がしたので、私は…

燈
1年前
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20. 11月20日「世界こどもの日」

 私は商店街、吉祥寺サンロードの奥を見据えながらとろとろと進んだ。  この商店街は平日であっても老若男女多くが行き交う。大学生や子供連れ、淑女やご高齢夫婦まで。店も古風なものからティーン向けのものまで、本当に幅が広い。また年代だけで無く、流行りのデザートから謎解きゲームまで、ジャンルも多彩な所も素晴らしい。  この商店街に限らずの事ではあるけれど、路地裏に挑めば何かしらの嬉しい出会いがある。この前も、クレープ屋さんにホイップ多めのサービスをして貰える出会いがあった。その前には