燈
平日限定でその日ごとの「〇〇の日」にちなんだ内容を入れながら、一つの話として一年書きます。
その日ごとの、「〇〇の日」をテーマにして作ります。
平日毎日20時までに更新! ジャンル:恋愛 あらすじ ユートピアに住む少女、煌(キラ)。 理想の世界で日々を過ごしていた煌に、 変化が訪れる。 その変化に、煌の運命も変化し、 やがて煌は、導き出した自分の答えを、運命につきつける。
自作小説です。だいたい15話位になります。 平日毎日13時までに更新です!応援宜しくお願いします! ユートピアに転生した、音楽以外無関心な青年の伊吹。 異物の者によって導かれたユートピアと、 与えられた「願いを一つ叶える権利」。 願いを叶える権利を保留したまま、ユートピアに生き、伊吹は何を思うのか。 ユートピアに住む人々、現実世界での経験、そしてユートピア、それらを通じて、 伊吹は何の願いを叶えたいと思うのか。 もう一つの小説「カレントノイズ」と併せて読んで頂くと、一つの物語を二つの小説としてお楽しみ頂けます。
これは、一つの作品であり、部品です。 小説を(ソーシャル・アート)として。 各SNSを巻き込んで、もっと大きな物語を作りたい、そう思ってます!
昨日の夜、何か面白い事は無いかと頭のおもちゃ箱の中を漁った。ブロックで組み立てる様に、適当に組み立てた。 一つ。また生まれたそれを見て浮かぶ楽しみの笑み。 それはジェンガの様な、シンプルで且つどこまでも遊べる様なもの。或いは、どこまでも洗練させていく己の修行場のようなもの。 ジェンガは得意で、一人で何度も一本立ちを成功させた。成功させるとブワッと湧き出るものがあるので、是非にとおすすめしたい。それはさておき。 一年綴り。日曜は無しとして、平日のその日に立てら
*前書き* 少女とは、こんな風であればいい、そう思って書きました。少しの謎と少しの幼さを、悪意無く曝け出す生物、そして、著しい成長を望む生物、それが少女だと。約2万時程です。 ── 透明なガラスのカプセルの中に、私は閉じ込められている。青紫の蛍光灯がカプセルの中で光り、横たわる私にほのかな暖かさを与えてくる。私の体は手も足も頭も、きつい皮のベルトで縛られて動かせない。ベルトは締め付けたまま痛みを私に与え続けた。 そして、私は一人の女の人を見つめている、ガラスの中から
※これは、私の体験を公募の小説へ昇華した文の一部です。尚、血の表現など汚い部分がありますのでご注意下さい。 中学生時代を例えるなら、それは脆さを覚える時代だったと言える、私にとっては。 地域の子を詰め込んだだけの箱の中で、さっぱり綺麗に上手く行く筈も無い。泥を掛け合うかの様に、面白味も無い百事を繰り返す。刺す様な視線にも成れない、針の様な目をそこかしこに向ける者と、泥を吹きかけ驚く様を下卑た鳴き声で笑う泥少年と、ヤバくないものをヤバいというステレオタイプを愛用して、弱
ケーキを食べ終えると、皆は埃かぶりのまま仕事に戻った。年の瀬という事もあり、仕事はまだ山の様にあったからだ。 午後になると朝方の大掃除の疲れが、どっと押し寄せて来た。頑張って看板を磨いたせいか、左手はもう力が入らない。ファイルを掴んでも落としてしまうし、終いにはコップが手から滑り落ち、お茶をデスクの上にぶちまけてしまった。 「うわっ」 皆が黙々と作業する中、私は小さく叫ぶ。皆の邪魔をしない様、静かにティッシュで拭き取る。 拭いてる最中にも、左腕はぷるぷると震え続けて
大掃除をやり終えると、佐々木さんが皆にと、ケーキを買ってきてくれた。 立派なイチゴを載せたショートケーキや、おしゃれな形をしたモンブラン、クリーム多めのチョコレートケーキの三種がデスクの上に並ぶ。 「社長から、好きなもの、どうぞ」 佐々木さんの優しい言葉。 私はにんまりしてしまった、ケーキに。 いつもならモンブラン一択。 しかし、クリーム多めのチョコも捨て難い。 もうすぐクリスマスだからとショートケーキを敬遠しがちだが、私の今年のクリスマスはメロン。 な
「大掃除しましょう!」 会社に到着したばかりの私に、アルバイトの石鍋さんが張り切った声を向けてくる。 「ああ、良いですね」 私は大抵を否定しない。今も笑顔で答えている。けれども本当は面倒だからやりたくない。 「ほらまた、社長やらないつもりですよね」 男性社員の加藤さんがデスクで仕事をしながら、顔だけ私に向けて言ってくる。 加藤さんは私より2歳若くまだ二十代半ば。若いだけあって思考の俊敏さはかなりのものだ。パパになったらきっといいイケメンパパになるだろう。 今年
30.12月12「漢字の日」 窮屈となった電車の中で、私は自分のポジションを確保する為に身を捩らせる。ポジションを確保し終え、私はぼーっと上の方を見る。スマホも取り出せない程ひしめき合う状況だったからだ。 ふと、中吊り広告に目が止まる。綺麗なイルミネーションの写真や、雪山を滑る人の写真が並ぶ。私はそれを、賑やかしの顔として見ている。とても不必要なものとして、そしてとても醜いものとして。 私はその広告のおかげで、購買意欲が昂った事など一度も無い。 商売須く、アピールが必
私は用意を済ませて、家を出た。 玄関のドアを開けると、当たりが柔らかくさっと引いていく様な冷たさの風が、私の首元を触れてきた。 十二月というこの季節は、日によって、或いは時間によって寒暖の空気をころころと変えてくる。 そんな空気に、そろそろ本格化する寒さを覚悟しないとと思えて、気が滅入る。 年が終わるから何だと言うことも無いのだけれど、世に流れるしめやかな空気を感じる事になるこの季節を身に染みさせてしまうと、どうも寂しさに一切が乗っ取られてしまうから。 その寂しさ
さて、我々は実に楽しみながら物事というものを、文章というものを書き連ねる者達である。そこに多少、お金が欲しい賞賛が欲しいはあるだろうが、おしなべてしまえばどれも前向きである事に変わりはないだろう。 そんな皆様が承知の事事の中で、コンテストという催しがある。 作品を選定され、良ければお金と書籍化の権利か義務かが渡される。 好きで書いて挙げ句それらを頂けるのならば、とても素敵な喜ばしである。 ただ、ふとこの先の事を、私は想像してみたのだ。それはコンテストの結果云
部屋の中がまだ暗い。ベッドもまだ暖かい。それだけならば、甘い眠りに落ちていける。暖かい毛布を口元まで引き上げて、ふさふさとする毛を口元で感じ取りながら、柔らかく撫でられる心地よさに自然なままの眠りを堪能出来たりする。 しかし、私はそう出来ない。 この瞬間程、仕事というものが憎くなる事は他に無い。 なとりのcult.が流れるスマホを、充電の線を引っ張り手繰り寄せた。煌々と光る画面に目をなるべく向けない様にして、指で撫でる。 音が止めば、今度は誘惑との闘いである。 ま
店員「こちらが弊社の開発したAI手帳です」 客「普通の手帳と何が違うの」 店員「AIが貴方の好みを捉え、それぞれをスケジュールに組み込んでくれます。おススメのランチやフィットネスへ誘導してくれたり、はたまた好みの映画や本を見たり買ったりと、何でもスケジューリングしてくれます!」 客「それ面白いかも!何も考えなくていいなんて、嬉しい!」 客「すみません、昨日買った手帳、同じ内容で埋め尽くされてるんですけど」 店員「それは、
私はショッピングも程々にして、昼ごはん用の材料を買い揃える為に、地下の惣菜屋へと向かった。 お昼前だからなのか、人は多い。狭い通路の中で惣菜屋ごとに並ぶ人々。その列と列の谷間にカートで侵入し、そうして入り押し退ける高齢者が、その表と裏一枚ずつ顔合わせ状態となってしまい、既に通路が封鎖されている。そしてその後ろからぐいぐいと突き進む者達が現れた事によって、通路がどんどんと鬱血していく。 繁盛のざわめきとは程遠い、熾烈な横行に生まれる呻き。 呻きの止まない壮絶な業の連なり
店員「こちらが弊社が開発した新商品の『AI鏡』です」 客「普通の鏡と何が違うの?」 店員「昨日写した顔と今の顔を比較して、AIが健康状態を把握し、適正な指示をします。例えば、サプリやコスメの紹介、はたまた良い運動方法の紹介など。それに、簡単な相談相手にもなります」 女性客「へぇ、面白そう。じゃあ一つ下さい」 女性客「すみません、昨日買ったこの鏡、もう壊れてるみたいなんですけど」 店員「いかが致しました?」 女性客「私、一人暮らしなのに、二人
幸せが詰まっていて重たくなったバッグを、薄い鎖骨を露わにしながら肩にかける柚愛の健闘ぶりを見ていたせいか、私は近くのベンチにふと腰掛ける。 ミルクと涎の匂いの漂う手で手帳を開いて、今日の予定を書いたツリーを確認した。 まだ予定が沢山書き込まれたままのツリーのうち、一つだけを選んでリンゴの絵に書き換える。 文具を一通り持ち歩いている私は、文具入れの中から色鉛筆セットを取り出し、赤と黄色と茶色の色えんぴつを手に取った。 近くの、母親に連れられた幼稚園児くらいの少女が、私
*二人の例 男「やべ、制服のブレザーに穴空いてる」 女「ほんとだ、胸のとこ。ちょっと貸してみ、直しておくから」 男「いいよ、そんくらい」 女「大丈夫、任せて」 女「はい、出来た」 男「え!裏にワッペンつけてあんじゃん、 だっさ」 女「えっかわいいじゃん。 ねえ、お礼に奢ってよ」 男「なんでだよ」 寒風が足元に吹きつける校門の前で、 二人は茶色い缶コーヒーと 白いミルクティーを飲み合った。 煌々と照らされる新郎新婦の高砂席に
*二十代女性の例* 私は、よくネットで服を買う。 古着でも気にしないので、 ジモティーとかでも買ったりする。 ある時、私好みの服を扱う人を ジモティーで発見した。 私はその人から服を購入した。 近くのコンビニなどを待ち合わせ にして、直接会って買う。 女の人だったので安心した。 また服が欲しくなったので その人のページを見てみた。 毎日、少しずつバリュエーションが 増えていく。 本当に私好みの服ばかりだった。