#11 商業施設の可能性〜 (2)エクスペリエンス型へシフト
先回お伝えしましたエピソード1では、
リノベーションを経て、息を吹き返した
coal drops yardの事をお伝えさせて頂きました。
今回は続編として、エクスペリエンス型へシフトした施設の可能性について、ご紹介させて頂きます。
■エピソード2
商業施設にリラックススペースがある事が、この施設を調べるキッカケとなりました。
みなさんは、商業施設に買い物へ出かけますよね。
その時どんなイメージをお持ちですか?
買い物をするトキメキ、それは新たな商品との出会い、カッコイイ内装空間など
色々と思いつく動機があると思います。
私がこの場所に惹かれたのは、その様な視点とは別の所でした。
では、どの様な所か。
この施設には、暖かい季節であれば、川沿いにあるグリーンの上で日光浴をしながら家族や友達と
くつろいだ時間を楽しめる場所の設定やワークショップの出来るスペースが設けてあると言う点です。
日本の商業施設で見ると、効率的な買い物をする事が主眼となり、この様なリラックスや新たな発見が出来るスペースがある事を想像出来なかったからです。
ともすれば、最近の商業施設は、総合駅に直結した大型タワービルに人を送り込む地下道やステーションビルが建設されており、いかに便利にそして効率的に買い物が出来るかを焦点として建設されていると思います。
そこには、 利益=企業のみが得る物 と言う構図があるのかも知れません。
我々は、そうした企業の効率的な仕組みの
一つとして、消費を費やしている様に思えます。
この事は、休日にもかかわらず、まるでラッシュアワーの様な人混みに家族で出かけ、お子さんを乗せたベビーカーを引いて歩き回るなんても事あったりします。
そうした中で気づいた点は、私達の生活の優先順位に
物を所有する事=幸せ
の構図が、高い位置を占めていたからでは
ないでしょうか?
■新たな価値の気づき
昨今耳にするエクスペリエンスと言うキーワードを
皆さんは、どの様にお感じでしょうか?
私は、素敵なワードだなぁと思ってます。
特に20世紀型の価値の一つに、いかに高価な物を所有する事がステータスか
と言う事に、我々は憧れそして、昼夜を問わず働き詰めの生活を送ってきた様に思えます。
戦後の復興から見れば少しでも貧しい生活から脱却したいと思うのは、大切な気持ちだと思いますし
経済発展こそが、他の先進国に肩を並べる事に
なると信じてきたと思います。
ただ、そうした経済優先の考え方にそろそろ終わりを告げ、我々の社会には新たな価値が必要になってきてると思います。
所有する価値の中心であった日本の商業施設は、
エクスペアレンスが心の満足感として求められる事に
気づく時が来たと思います。
この場所の様なリラクゼーションやワークショップを行えるスペースを設ける事が出来れば、
購入すると言う行為だけでなく
子供や高齢者、友達、家族と言った、色んな方と
共有出来る空間が生まれ、心の満足感が満たす事の出来る場所になると思います。
この様なエクスペリエンス型の心地良さを体験できる空間造りが出来れば
そこが新たなジャンルのスペースになるのではないかと思います。
それは、今までとは違った形の公共空間になり得る可能性を感じました。
こうした新たなサービスが生まれれば、利益は、
企業だけのものではなく、公共の財産となる可能性を見出せると思います。
この場所を見ることで、その価値に気づく事が出来ました。
次回は、この施設の復興により
地域の治安が向上した点をおおくり致します。
お時間がありましたら、遊びに来て下さい。