カンボジアの『出版』事情
カンボジアで出版をしたい。
『出版』をなんと定義するかにもよるが、本をただ印刷するだけでは『出版』っぽくない。
かといって、日本のような出版会社はカンボジアにはない。
出版してくれる人がいないのだ。
そもそも、あまり本がないのだ。
ISBNコードを取得して、印刷をしたら『出版』っぽくなるのではないだろうか?
ISBN(アイエスビーエヌ、International Standard Book Number)コードは、世界共通で図書(書籍)を特定するための番号。
カンボジアのみならず、世界中で使われている本の裏表紙についている
ISBN978-4-…から始まる番号とバーコードのことだ。
書籍を流通させるために重要なもので、ISBNがついていないと書店やAmazonで売ることは非常に難しいらしい。
日本で取得するためには、8000円くらいかかるという。
詳しくはこちら。https://isbn.jpo.or.jp/
通常は出版社が手続きをするのであろう。Web上で登録はできるようだが、電話が来たり、書類を送ったり、色々と手間はあるようだ。
しかし、ここはカンボジア。自分たちで行うしかない。
出版会社がなければ、自分たちが出版会社になってしまうのだ。
そして単純に、自分の本の裏にISBNコードが載っていたら、それっぽくてかっこいい。
ということで、カンボジアでISBNコードを取得するために、国立図書館に出向く。噂によると、プノンペンにある国立図書館で取得できるらしい。
事前に、Dinanさんに問い合わせしてもらい、書類を印刷。
そこに名前や住所、連絡先(電話番号)。
そして書籍の名前やページ数や発行部数、記載言語、簡単な概要を記載する。
至って簡単な内容。
とりあえず、これをもって国立図書館へ向かう。
館内に入ると、基本的にやる気がない雰囲気が流れる。
エアコンは効いていない。
暑いから仕方がないのか?
カウンターの向こうには、椅子を並べて寝ているスタッフもいる。
もうダラダラ。。。
しかし、これはアジアでよく見る風景。
"国立"図書館であっても、それは変わらない。
さすが、カンボジア。
DnanさんがスタッフにISBN発行について聞いてみると、奥へ通される。
奥には、おばちゃんが二人。
書類を渡すと、パソコンに何かを打ち込む。
絵本の内容も特に聞かれない。
「発行までどのくらいかかるのだろうか?
二週間くらいはかかるだろうな。。。」
と思いつつ、待つこと10分。
「USBフラッシュメモリは持っていないか?」
おばちゃんたちに聞かれる。
もちろん、ない。(まずウィルスが怖くて、こんなところで、使いたくないが。。。)
どうやら、もうISBNコードは発行されたらしい。
早い!!
そして、めちゃくちゃ簡単。
USBフラッシュメモリがないので、代わりに(ロシア製の)チャットアプリTelegram(いわゆるカンボジアのLINE)で送ってもらうことにした。
10分程度であっけなく、ISBNコードが完成!
一応、絵本を印刷したら、5冊を国立図書館に寄贈するルール。
カンボジアの国立図書館に寄贈できる。
これはちょっと嬉しい!
自分で描いた本が、(腐っても)カンボジア国立図書館に保管されるのだ。
次はカンボジアの『印刷』事情、について書いていけたらと思う。
つづく
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