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めっちゃええやん?って思う残暑の過ごし方。
今年も蝉の季節が終わったね。
今年もまた蝉が鳴かなくなったね。
と口にする人は少ない。
蝉がうるさかった頃も
特に蝉を意識したことはなかったけれど
蝉が鳴かなくなった静かな夏は
これだけ多くの日本人がいても
意識されることはほとんどなく
語られることはゼロに等しい。
蝉が語られる時といえば
人様の前で
ギャーギャー鳴いて迷惑をかけたときか
目の前に死体が転がっているときくらいなもので、蝉の抜け殻を集めて遊んでいた頃の、蝉への感謝の気持ちなんぞ、大人になった人間には1マイクロメートルもなく、それどころか今となっては煙い扱いを受ける有様だ。
そしてそんな大人ほど
人様に感謝しろだの、食べ物を粗末にするなだの、命を大切にしろだのと、本当は戯言ではないが、その人が言うと急に戯言になる戯言を世間に撒き散らす。
あれだけうるさく泣き喚いていた蝉が
意識されないこと。
意識されるとしたら
迷惑がかかった時、もしくは死に間際。
まるで現代社会に蔓延る孤独死のようで
他人事、いや決して蝉事とは思えない
残暑厳しい夏の夕暮れ。
蝉がまだどこかで鳴いているんじゃないか。
そう思って耳を澄ます。
するとどこかで蝉が鳴いている。
ような気がする。
あー風情だなぁ。