20241127「予期しないものまでも」
ボタンを叩いて
文字が出て
意味のないような
勝手に聞いて
含ませる
発語の音を
聞き耳を聴いて
届いて来るのは
時の声
流れる水を砕き
流されてもいいとして
涙ながらの目を擦って
目の前のことを見ていよう
それが現実だと知るのであれば
後ろを見つつ前へ進む
眺めるように意味を選び
それは違うと言いつつ
他の包含を開いて
その対象外までも忍ばせて
横に置いておこう
近いものならば
近接しては離れながら
寄り添うまでもなく
なくはない関係を
同時に目指す
分解の細々を集め
複数の視線で
それぞれの視点を参照する
労るように見つけ
発見の切符を手にしておこう
予期しないものまでも
既に用意され
抗うまでにも
含まれているのであれば
その仕事を引き受けよう
些細な出来事にも
意味を付与して
その時を過ごそう
見たもの全部を把握できないけれど
それでいいのだと言い聞かせ
誰も見ていないことを
わたしだけが見つめ
また誰かが他のそれを見つめている
呼ばれてはいないが
既に役を与えられている
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